ギャル騎士団レポート
めちゃくちゃノリで書きました。後悔はしてません。
我が王国には、3つの騎士団がある。王国防衛騎士団、正当王国騎士団、そして、特殊な騎士団であるギャル騎士団だ。
どうしてギャル騎士団というのが出来たのか分からないが、歴史上では最初は女性だけの騎士団であったとされている。
それがどうしてギャルという風になってしまったのかは不明だが、現在でも輝かしい戦果を残している為、こうして特殊ながらも残されていた。
「今日も戦争とかヤバめだし〜」
「マジだるいし〜」
「ってか最近ウチらばっか使われすぎだし?」
近年、ギャル騎士団に入隊する人は少ない。それは、ギャル騎士団に入隊出来る条件が厳しいからだ。勿論、ギャル騎士団は髪型や髪色、あらゆる面では自由なのだが、代わりに戦闘スキルや頭脳を求められる。
だからこそ、ギャル騎士団は精鋭しか集まらないのだ。
「―――皆集まって欲しいし〜! 」
見た目や喋り方によって、市民からはあまり受け入れられていないが、国の為にしっかりと集まって作戦会議もする辺り、根は皆真面目なのかもしれない。
「今日も草原で戦うとかマジ有り得なくない?」
「でも隊長の作戦は完璧だし!」
「ってか、この盾ヤバくない? 可愛くない?」
「ウチの槍も見て欲しいし〜!」
一見、皆で集まって自分の武器の装飾を自慢したりと、まるで戦争をする気がないかのように見えるが、本当に戦争をする気なんて、ギャル騎士団にはない。
戦争をする。というよりも、自分たちにとって邪魔だから皆で戦おう的なノリで戦争をしているのだ。
「敵発見したし! 全軍突撃〜! あーしに続けー!」
「隊長一人で行っちゃったし! 心配だからウチらも行かないとだし!」
「ウチらの隊長を守らないとだし!」
「このデコった槍の強さ見せるし!」
適当なノリで隊長に続いていくギャル騎士達だが、その強さは必見。
装飾された武器は太陽に反射し、その輝きを増していた。ギャル騎士の皆は舞うように戦い、一切武器や防具を汚すことはなく、また、1人も欠けることなく戦争を終結させていた。
「もう暗くなっちゃったし! 太陽さんももうちょっと顔出しててほしいし!」
「けどこれからパーティータイムだし!」
「でもこの草原暗いし。帰り道分からないっぽいし!」
「暗い中隊長はどんどん帰ってくから、隊長の後に続けば大丈夫っぽいし!」
ギャル騎士団の隊長がどうやって真っ暗闇の中を歩いているのかは、その視線を見れば一目瞭然だ。
所々に光るなにかが落ちている。それは、ギャル騎士たちの装飾品の一部だった。
皆、防具のポケットなんかにも装飾品を入れていた結果、知らないうちに落としていたのだ。それが幸いし、暗い中でも道を照らしてくれていた。
「今回もどーなることかと思ったし。けど、隊長マジカッコよかったし!」
「明日はギャル騎士団を休みにして今日はオールナイトで楽しむし!」
「「「隊長さんの、ちょっといいとこ見てみたい!!
大きく3つ(パンパンパン)
小さく3つ(パンパンパン)
おまけに3つ(パンパンパン)
はい、イッキ! イッキ! イッキ! イッキ!……
はーい、はーい、はーい、はーい!!」」」
ギャル騎士団特有のお酒を飲む時のコールと共に隊長はお酒をどんどん飲んでいき、その勢いに負けじと、ギャルが1人ずつ「次はあーしの番!」と言って、飲んでいく。
こうして、ギャル騎士団にとってはまるで戦争などお遊びの如く終わり、夜の飲みでの飲み比べや、装飾自慢、彼氏の自慢などの方が重要という事が分かった。
「う〜。頭めっちゃガンガンだし……」
「隊長に合わせて飲みすぎたし……」
「みんなあーしと勝負しようなんて百年早いし! けど、あーしはみんなの隊長で良かったし!」
太陽が昇り、朝になってから、皆二日酔いでダウンしてしまった。そんな中、ギャル騎士団新人の私と、隊長だけが元気なままだった。
「ギャル騎士団サイコーっしょ?」
「はいっ! 入れてよかったです!」
「新人ちゃんをウチらの騎士団に入隊させることが出来てウチらハッピーだし! こちらこそありがとうだしっ!」
ギャル騎士団に運良く入隊出来たものの、上手く馴染めるかは分からなかったけれど、どうやら私の事をギャル騎士団の皆が受け入れてくれたみたいで、私は不思議と笑顔がこぼれてしまっていた。
「それじゃ、また1からウチで飲み直すし! みんなあーしに続けー!」
ギャル騎士団がいつまで続くのかは分からないが、今このときを最も大事にしているギャル達にとっては騎士団がいつまで続くかなんてどうでもいいのだろう。
多分きっとこれはハイファンタジーの筈です。