始まりという名のエンドロール
薄暗い部屋の中で布団に包まり眠る
目を開ける頃にはもう夕暮れ時で窓のカーテンを避け日差しが差し込む。
目を開けるといつもの部屋だ。
いつもの天井
いつもの窓
いつもの机
いつもの床
いつものパソコン
いつもの布団
いつもの携帯
異世界に召喚、転移ましてや転生などどこかの物語の中だけの話だ。現実には起こりえない。もし召喚や転移、転生したとしてもだからなんだ。俺には関係ない。
俺には親がいない、親戚もいない。
あるのは無駄にある金、金、金!
無意味だ。
痩せたいとは思わないしかっこよくなりたいとも思わない、よくリア充氏ねとか言っている奴がいるがどうでもいい。
俺は別に頭がいいわけでもないが悪いわけでもない、平凡だ、平々凡々。
時計を見るともう20時だ、三時間も無駄に過ごしてしまったがまぁいい、誰に怒られるわけでもないしゆっくりしよう。どうせこのまま時間だけが無意味に進んでいつかは死ぬ。
ならば次生まれ変わるなら農業関係の家系がいい、もしくは精肉店かな。まぁ死んだらの話だこのままだとあと40年はかかるだろうがな。
もう寝よう今日も惰眠が心地いい。
彼はそのまま立ち上がろうともせずに眠る、瞼をゆっくり閉じようとする直前にベランダから見える植木鉢に気づく。
(あ、そういや今日水やってねぇな)
彼はそう思いながらまた深い眠りにつく。