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第1章「動物に好かれすぎてる男と謎の夢」2



「━━━━ん?…なんだこの気配………?」


街で銀髪の女性が、突然現れた気配を察知して立ち止まった。彼女の目線は、キズキが落ちた森に向けられている。


彼女の名前はレディア・ティスディル。この街にある魔術学園の学園長を務めている。


『━━━どうする?調べるか?』


レディアの頭の中に、直接語りかけるような声がした。

声の主は、レディアと契約している精霊だ。レディアの契約精霊もこの気配に察知してレディアに話しかけてきたのだ。

契約精霊は、精霊具という魔道具の中に入っている様な感じで、契約主と共に行動している。


(…いや、後で風紀騎士団(シルフィード)に調べさせよう)


風紀騎士団は、学園に存在する風紀委員の様なもので、魔術学園だから魔術を使った喧嘩などを止めたり、街の警護をしたりと、警察の様なことをしている。


『そうか、ならいいんだが…』


(お前がそんなに気にするなんて珍しいな。何なんだこの気配?特に脅威には感じないが…)


普段、特に興味を持たない自分の契約精霊が、こんなに気にするなんて珍しい事だった。


『俺もよく分からんが…なんていうか、妙にそわそわする…』


(…?そうか、まぁすぐに調べさすさ)


『ああ、そうしてくれ』


レディアはすぐに学園に戻ろうとして、


「━━━あ、さっきの店に荷物忘れた」


『またか…早く取りに行け……』


「ははは、すまんすまん」


『まったく…』


前々から思っていたが、忘れ物が多い契約主に呆れる契約精霊。


その後、荷物を持って学園に早く戻り、風紀騎士団に突然現れた気配を調べさすように命令した。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「━━━━ん………ぁぁ〜………よー寝た……」


俺が目を覚まして、体を起こして周りを見る。


「ってあれ!?ここどこだ!?」


え!?なにここ何処━━━あ、


寝ぼけている頭がだんだんと覚醒していって、寝てしまう前の記憶を思い出していく。


「あぁそうか、そういや命綱もパラシュートも無しのスカイダイビングしたんだっけ?」


あれ?飛んでる(落ちてる)時にバンジーって言ってなかったっけ?


「ってそんなことどうでもいいわっ!」


改めて周りを見る。

空から見た異世界の森。実際にくると、神秘的な印象を抱かせるほどの圧倒的な広さの森だ。木が一本一本大きい。

耳を澄ましてみるが、周りの音が一切聞こえない。聞こえるのは、自分の呼吸している音と、心臓の音だけ。

自然の森の香りがする。


改めてこれからどうするかを考える。


「そういや近くに街があったな…」


飛んでいる(落ちている)時に森の近くに街を見たが、


「おっ、おっと…これはまずい」


近くに街があった事だけは覚えているが…


「方向がわからない…やっべぇどっちに行けばいいのやら………………ん?」


方向を確認するために立ち上がった俺は、森の奥からこちらにやってくる何か青い光を見つけた。


「………え…?ひ、人魂…?」


え、なにそれこわい

人魂って見た事無いけどこんな感じか?でも人魂って炎のようにゆらゆらしてるイメージだったから違うのかもしれない。

てか怖いから違う事にしよう


周りの木が大きすぎて余り太陽の光が届かなくなっていて少し薄暗い。それに変な薄い霧のようなものも出ていて向こうの方が良く見えないが、困るという訳では無い。


「じゃあなんだ…?光を放ってるから、ホタル…でもなさそうだな…。なに何なの?ちょっと怖いんですけどー」


謎の青い光は、キズキの五メートル程離れた位置で止まり、キズキの周りを回り始めた。


「な、なになに…?」


三週ぐらいして、また元の位置に戻ると、


「━━━━へ?」


その謎の光が他にもたくさん現れた。

数は二十以上。最初に現れた光は青だったが赤や黄色、緑や紫まで色々な色をした光がキズキの周りを漂っている。


「………ゴ、ゴクリ…」


得体の知れない光に囲まれて、これから何が起きるかわからない恐怖感がキズキを包み込む。


「…ヒ、ヒェ〜誰か助けて〜…」


だが、


「━━あ、あれ?」


光はしばらくキズキを観察しているような感じだったが、光が次々と消えていったのだ。


光がどんどん消えて、最後には最初の青い光だけが残った。


「…な、なんだったんだ?」


すると、青い光がその場で縦にクルクルと回り始めた、と思ったら、森の奥に行ってしまった。他の光とは違くて消えなかった。


「━━ほんとになんだったんだ?」


すると、また青い光がやって来て、またクルクルと回ってまた森の奥に行ってしまった。


「━━━?」


キズキが青い光の謎の行動に呆然としていると、


また青い光がやって来て、今度は勢い良くグルグルと回って、向こうに行ったと思ったら、向こうでグルグルと勢い良く回っている。


あ〜もしかして、あれか?


俺がゆっくりと青い光に少しだけ近づくと、青い光はキズキが移動した分だけ移動した。


「ついて来いってことか?」


青い光は、ゆっくりと森の奥に行こうとしているので、もしかしたら、街まで案内してくれるのかもしれない。わからんけど


「とりあえず行ってみるか…?」


俺は、青い光に後を追うと、青い光もやっと来たかって感じで森の奥に進んで行った。


「俺は無事に街に辿り着けるのだろうか?」


心配になりながらも、今はあの青い光について行くしかなさそうなのでキズキは青い光を見失わないようにしっかりとついて行った。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「━━━つ、着いた…やっと街に着いた。俺の判断は正しかった。やっぱ、あの青い光について来て正解だった…」


俺は、森の中で青い光を追って、森が途切れたすぐ前に、街の入口が見えた。


あれこれ一時間。


しんどい疲れたもう無理だめだ俺。


俺はヘトヘトになりながらも、街に連れてきてくれた青い光に、一応礼を言おうと振りかえると、


「━━━あ、あれ?」


振り返ると青い光は、いつの間にか消えていた。


「ま、まぁいいか」


俺は心の中であの青い光に感謝しつつ、街の入口に向かった。


街の入口は門があり、周りは高い囲いに囲まれているが門は開いており普通に入ることが出来た。


門を通った時に、門の端に赤い光がひかってビビったが、すぐに消えたので、気にしないようにした。


あの青い光は何だったのか。

何故キズキを助けてくれたのか。

何故キズキはこの世界に転移したのか。

あの夢は一体何なのか。


様々な謎を残したまま、キズキは街に入っていった。



第2話です。


3話はたくさんキャラを出す予定です。

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