表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BEAST BALL-ビーストボール-  作者: Soluna
1/2

第1話 “ソゴルド”

初投稿となります。至らぬ点があると思いますが、少しでも見て頂ければ幸いです。

よろしくお願いします。


ーーーここは“ソゴルド王国”。自然豊かな国である。


今や世界の至る所に存在する“獣玉(ビーストボール)”。

この国でも保持している者は少なくない。


この国で獣玉(ビーストボール)を持つ者は王に(つか)える兵士であったり。

国の為、家族の為、生きる為に身を危険にさらして獣を狩りに行く男達であったり。


獣玉(ビーストボール)を保持してる者は、獣化する事によって抜群の身体能力を発揮するため、いざという時に頼りになる。国にとっても大きな存在であった。


獣玉(ビーストボール)を持つ者、そうでない者、皆が力を合わせ、それなりに平和な国であったーーー




ーーソゴルド国内のとある民家ーー



『ソル!起きてんのー?もう7時よ?ちょ早く降りてきなさい!ソル!ちょ起きてんのー?』


1階から母親のうっとうしい声が聞こえてくる。




『っだーうっせぇなちょっちょちょっちょ!!今起きるって!!』


ソルも負けじと声を張る。



しばらくしてソルは金髪頭を()きながら2階から降りてきた。




『で、なんだよこんな朝早くに』


ムッとした表情でソルは言った。




『あんた、今日は大事な話があるって昨日お父さん言ってたでしょ?お父さん先に行っちゃったわよ。稽古場(けいこば)で待ってるって。』


少し呆れた表情で母親は言った。




『……ああああ!やべぇ!!忘れてた!ポーン抜けてた!やべぇ!どうしよう母さん!ぐだぐだ言ってないで早く行きなさいってか?わーかってんだよんなこたぁ!じゃ、お先!!』


ソルはそう言うと物凄い勢いで走って、物凄い勢いでドアノブを掴んだ。



『ほんとしっかりしなさいよね〜。あ、そうだソル!』


母親がソルを呼び止める。



何?急いでるんだけど的な、何とも勝手な表情でソルが振り返る。



『あんたがずっと欲しがってた“あれ”お父さん持って行ってたわよ』


母親は笑顔でそう言った。



『マジ?最高!!行ってきまーす!!』


ソルはそう言うと、嬉しそうに家を飛び出していった。




ーー稽古場ーー



『おそい!!』


稽古場(けいこば)に着くなり父親に怒鳴られる。




『すいませんでした…あの、すいませんでした…』


ソルは2回謝った。




『ったく、大事な話があるって言ったのによ!

ま、とりあえず来いや』


父親はそう言うと剣を構えた。




『遅れてすいませんでした。稽古(けいこ)の方よろしくお願いします…。』


ソルはそう言って深呼吸をした後、目つきを変えた。




『いくぜおい!!!!!』


微妙なセリフだが、そう言うと剣を抜いて父親に向かって走りだした。



「ガキーン!キーン!ガキーン!」



ソルが攻撃をするが父親は難なく防ぐ。



太刀筋(たちすじ)が読みやすいぞ!そんなもんかザコ!』


父親が軽く挑発する。




『息子に対してザコってあるかよ!ヒゲ剃れやクソ親父!!』


髭なんか生やしてない父親に対して何とも的外れなディスである。



「ガキーン!キーン!ガキーン!」



『ヒゲなんか生やしてねーよ!お前余裕ないだろ?』


父親はソルをさらに挑発する。




『余裕なくねーし!つかお前息くさっ!剣振ってねーで歯ブラシ振れや!』


ソルはあまりの余裕の無さに全く意味が分からないことをほざく。



「ガキーン!キーン!ガキーン!」



そこからしばらく無言で刀を交えた後、父親が口を開く。



『ん〜ダメだ。全然だめだ。おらよっ!』


「ドゴッ!」



父の蹴りがソルの腹にキマる。



(すき)だらけだ。今日はここまでだな』


そう言って父は剣をしまう。




『ぢくじょーー…』


ソルはうずくまったまま悔しそうに言った。




『よし、帰るぞソル!』


そう言って父がソルの体を起こす。




『え、もう帰るの?父さん特別な話があるって言ってたじゃん!』


ソルが言った。




『今日はお前、寝坊したろ。そんな緊張感ない奴に話すことじゃない。日を改める。帰るぞ』


父はそう言って歩き出す。




ソルは寝坊したことを悔やんだ。今朝、母親が言ってた“アレ”がもらえると思ってたからだ。



『わかったよ…』


自分にしか聞こえない程度の声でそう(つぶや)くと、とぼとぼ父の後ろを歩きはじめた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ