クリスタライゼーション
掲載日:2016/05/24
キーンコーンカーンコーン。
「……ああっ、もううるさい!うるさ過ぎ!」
本来ならば静かで過ごしやすく、本の虫が落ち着いて本にありつけるはずの場所。図書室。
そこで騒ぎまくる女子がいた。
「大体、何で図書委員だけが図書室の片付けをしなきゃいけないのよ!まったく、先生達は生徒を人として見てないわ、絶対」
まあ、確かに。
「そもそも、何であんたと組んで仕事しなくちゃいけないのよ。視界に入るだけでもやる気なくすわ、マジで」
「珍しいな、俺とお前の意見が一緒だとは」
「……なめた口聞くんじゃねぇ!」
バスッ。
彼女のハイキックは、間違いなく僕の鼻を撃ち抜いていた。
暫く身悶えする僕を尻目に、彼女は辞書を器用に棚へ納め、
「……そもそも、何でこんなことしてるんだろう」
誰にともなく呟いた。僕も全く同感だったが、鼻が痛いのですぐに吠えかえす事が出来なかった。
「どうだ、「頭脳活性結晶化装置」の運用シュミレータの方は」
「はい、現在のところはインストールした学校生活に適応しています。まだ僅かに本能がのこっているようですが、商品化に差し支えないでしょう」
「そうか」
頷いた研究開発部長は、後ろを振り返った。
そこのモニターには、図書室で喧嘩するダチョウと犬が写っていた。




