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ロロと虹の卵

作者: 蒼空あおぎ

空や海や森が何から生まれたか知っていますか?

それは孵化師のロロが作ったんですよ。

真っ白な卵に色を付けてなでなですると、色んな卵になるんです。

空、海、森、川。

みんなロロが卵を孵したんです。

赤い屋根のおうちにはたくさんの本と材料。

家族の赤い竜ドランと一緒に、色んな卵を作っているんです。

ロロの赤いカバンには、生まれる日を待つ卵がたくさん入っていて、自分の番を今か今かと待っています。

ドランに背中を預けたロロは緑色の卵を抱いて大きな本のページを捲っています。

「あーこれは森の卵さんですねーはっぱさんをスリスリしましたからー」

なでなですると返事をするように卵が揺れましたら。

「これはクマさんからのお願いでしたねーおいしい木の実もいっぱいですー」

大きな本には、色によって卵がどんな物になるかが詳しく載っています。

ロロは全部覚えていますが、基本を忘れないよう本を開くのです。

お昼寝をしていたドランが頭を上げ、コツンコツンとロロの頭を叩きました。

お客さんの合図です。

今日のお客さんは誰でしょう?

昨日は雨が欲しいというカエルさんで、おとといは木の実がいっぱいの森が欲しいクマさん。

さて今日は…。



しくしくしく


泣いているのは誰でしょう?

「あれー?」

夜空にいるはずのお星様がいます。

お空ではお日様がピカピカ。

「どうしましたー?」

「お空から落ちちゃったの」

「あー昨日は流れ星がいっぱいでしたねー」

帰りたいと泣くお星様。

卵さんをカバンに入れたロロはうーんと考えます。

お空はとても遠いのです。

お空と地上を結ぶのは…。

「虹の卵さんはありましたかねー?」

カバンを開けてみますが…どうやらないようです。

ないなら作ります。

それがロロのお仕事ですから。

「あー黄色さんがありませんー」

バナナの森が欲しいというおサルさんの為に黄色を全部使ったのを忘れていました。

「ボク、帰れない?」

また泣きそうなお星様を見てロロは閃きました。

「ちゃぽんと入って下さいなー」

水の入った桶にお星様が入ると、水が黄色に変わりました。

これで虹の卵が作れます。

大きな桶に水を入れて7つの色を一滴ずつ垂らしていきます。

そうすると桶の水は7色になるのです。

そこに真っ白な卵を入れると、虹の卵のできあがり!!

「生まれてくるですよー君がいないと帰れないですよー」

ロロが抱えてなでなですると、ふるふると卵が震え、一回り大きくなりました。

「もっともっとですーそれじゃあお空に帰れませんー」

ロロの声に合わせて卵はどんどん大きくなります。

ロロに抱えられていた卵は大きく大きくなって、ついにドランと同じくらいにまで。

お空は夕焼け色。

お星様の帰る夜空まであと少し。

ドランに服をくわえられたロロが卵のてっぺんをコンッ、と叩きました。

するとヒビが入り、大きな虹がお空に向かって伸びていきます。

お星様は虹に乗ってお空へ。

「ありがとー!」




その夜、夜空では無事帰れたお星様がキラキラと輝いていました。

まるでちゃんと帰れたと教えるように。

「頑張ったロロは眠いのですー気持ち込めまくりましたからー」

ドランの背中で夜空を見ながら大あくび。

「お星様はお空が一番ですー」

今日のお客さんはお星様。

明日はどんなお客さんが来るんでしょうね?


頭の中をお話にしてみました

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