4年
残酷描写があります。
これから俺の゛主人゛になるらしい優男の家につくと今までの拘束はどうしたことか、風呂に入れさせられた。もちろんごっついオッサン二人が見張っていて魔法が使えない手錠をかけられてるんだけど。
風呂から上がって体を拭いて用意されていたズボンを履き終えると俺はシャツを着ると見せかけて男のうちの1人にシャツを投げつける。
ちょっとした隙しか作れねぇけど、これだけでも俺にはけっこう有利だ。開いている窓から助走をつけて飛び降りる。
「ここ3階だぞ!あの奴隷、生きてるのか!?」
「とりあえず旦那様に報告するぞ!」
窓から覗いていた奴らが室外に出て行ったのを確認してから一気に掴まっていた手摺の支えから手を離して地面に飛び降りる。芝生になっていたのでこちらにとってはいいクッションになって好都合だ。
手錠をつけたまま走っていると警官みたいな人が俺を見つけて集まってきた。やべぇ。ここで捕まったら意味ねぇんだよ!
ついでに犬も走ってくる。プードルとかみたいな可愛い犬じゃなくてシェパードみたいな牙の発達した怖い犬。
両手が塞がれてて武器がないってこんなに不安になるもんだったんだな。
「捕まってたまるか!!」
まず警官みたいなのより早く俺の所に到着した犬の脇腹を思いっきり蹴って遠くに飛ばす。ここ最近成長期なのか腕力とかもそうだけど特に脚力が強くなってきてるんだ。犬はかなり遠くに飛んでいった。これって異常だよな?
「待て!勝手に敷地外に出るな!」
警官が必死になって剣をふるってくる。おいおい!俺下手したら死んじまうじゃねぇか!捕まえるんじゃねぇのか!?
「いーやーだ!奴隷になるとか意味わかんねぇことしたくねぇんだよ!」
危ない剣を振り回す警官もどきが目の前に立って剣を横に薙いでくる。ジャンプをして剣の上に立つと警官はびっくりした顔をしている。俺も忍者っぽいからやってみようってけっこう頑張ったんだぜ?これはできるまでに時間がかかったんだよな。
「があっ!」
間髪入れずに警官の頭を蹴り飛ばす。
近くに柵があって一部が開いていたから走り抜けようとしたら。ごっつい大剣を持った男が俺の前に降り立った。空から降ってきたぞこの人。
カイルも大剣使いだけど背丈を越える大剣じゃなかった。どんな腕力だよ。
「父上の御命令だ。お前を連行する。」
それだけを言うと男はおっかなびっくり、マジで大剣を使ってきやがった。ぶれもないし速い。だいぶ使い慣れてるみたいだ。
「父上って、あの緑頭の人?」
「そうだ。お前は我が家に来て早々に脱走したから仕置きをすると父上が言っていた。」
大剣を避けていると後ろから何かで突かれて息が出来なくなる。なんだ!?
「兄さん、わざわざこんなことしなきゃだめだとか嫌なんですけどー。僕ら魔力がないから仕方ないけどさ~」
槍の柄で突かれたっぽい。頭も同じく突かれて俺は気絶させられた。
気がつけば、足も手も鉄の枷で固定されて俯けに寝かせられている。状況が見えないし何もできない。嫌な悪寒しかない。
「起きたか。サラルだったかな?お前に家紋を入れるのはもう少し先にしようと思っていたが逃げる元気のある奴隷には早めに対処しないとならない。」
緑色の髪の男は嫌な笑みを浮かべると俺の頭を撫でる。
「私はテカ・サウーナ。大剣を持ったのが長男のイッカ。槍を持ったのがウカ。これからよろしくね。楽しませてくれ。
やれ。」
俺の前にわざわざ回ってきて自己紹介をしてくれたけどそんなもんいらねぇから。てか、何をやれって命令してんだこの人。
ジュウウウッッ!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!あ゛づいっ!いだい!止めろおおおお!!」
熱いどころじゃ済まない灼熱の熱さが皮膚を突き破るかと思うほど背中に押しつけられる。
一旦離されたかと思っていたらもう一度、もう一度と何回も激痛が襲いかかる。
冷や汗や汗、鼻水や涙など体中の水分が全て出て行っている気がする。自分の肉が焼ける音と臭い臭いが半端ない。躰の奥にまで熱が染みこむ。喘いで泣いて。でも苦痛の時間は止まらない。
何時間経ったのか。声を上げる気力もなくなり半分白目を剥いていたら。身体の中で何かがずれていく音が聴こえた。言うなれば、そう、硝子に少しづつひびが入っていくと言えばいいか。初めは小さく薄い筋がだんだんと太い線になって亀裂が入っていくような。もう一度、クソ熱いものを当てられた時には俺の中にある硝子みたいなものは完全に崩れ去っていった。
「よし!これで君の中にある魔力を貯める核は壊れたから今日から魔法、使えないからね。」
「……なんでこんなことすんだ。」
「なんでって、ねぇ?私の一族は魔力が少ないため魔法が使えないのに奴隷が魔法を使えるなんて滑稽じゃないか。鬱憤晴らしも兼ねているがね。」
気持ち悪い。この人物は壊れてる。あのクソ神と同レベルかもしれない。
「君にはこれから特訓を受けてもらうよ。明後日から試合に出てもらうからね。イッカ。ウカ。後は任せたよ。」
「「はっ。」」
訓練という名の拷問は最悪だった。こっちは武器を持ってないのに自分の持ち慣れた武器を使って攻撃をしてくる。全力で、だ。見る限りあいつらは俺を嬲ることを楽しんでいる。柄で叩き、鋼で貫き、斬る。
しかもあいつらは魔法が使えないから治癒魔法もしてくれない。自分でしようとしてみたけど魔法が使えない。
今まであった魔力は身体の中に確かにあるのに魔力を今までまとめていた器のようなものが壊れて魔力が全身に散らばってしまっているせいで魔力を外に出せなくなってる。
こんなことを人にする奴らも人でなしだけどこれを思いついて世間に広めた人も人でなしだ。
お陰で怪我を治すにも治せない。もちろん薬とかはもらえない。
俺の訓練だっていうのにあの二人の攻撃に反撃したらテカとかいうクソ野郎に散々鞭で叩かれた。意味が分かんねぇ。マジで俺、なんでこんな目に会わなきゃなんねぇの?
こんなことになるなら前から思ってたけど勇者とかなりたくなかった。そもそもクソ神に会いたくなかった。どうしようもなかったけど。
そして2日後、鉄臭い場所に連れて来られてライオン4頭と戦った。万全のコンディションならともかく蹴られたりなんなりされたせいで体の節々が痛い。
「流石は勇者。あっさりと倒してしまうね。次は1週間後だから楽しみにしているよ。」
1週間後の対戦相手は人だった。相手はマジで俺を殺しにかかってきてた。必死さと狂気じみた何かに圧倒されたけど気絶をさせて終わらせた。
屋敷に帰ったらテカに殴られて蹴られた。理由は、
「なぜ殺さないっ!つまらんではないか!」
狂っている。どいつもこいつも狂っている。初めは考えを口に出していたがそのうち出さないようにした。暴力をふるわれないように。でも鬱憤晴らしで殴られたり斬られたりはしょっちゅうした。
人を殺すのに慣れさせるためという理由でどこから捕まえてきたのか地下に押し込められていた捕虜を俺に一人づつ殺させた。抵抗したけどテカに俺の手を持たれて無理矢理そうさせられた。
前に王様が言ってたことを思い出す。人を殺せないならお前は危ういと。追手を減らすにはこの世に生きている命を減らさなければならないのに俺は気絶をさせるだけに留めていた。追手の騎士を殺していればこんなことにはならなかったのか。
1年経つと俺は暗殺を任された。政敵の貴族から気にくわない一般人まで。そいつらを殺さなければお前を殺す。俺はひたすら俺とは関係のない人達を殺し続けた。
この任務の間は街を出歩くことになり情報を集められた。人を殺したくない。でも死にたくない。あんな苦しい思いはごめんだ。
自分の何かが壊れていくのを感じながらも行為を続けた。暴力を受けながら自分は人を殺していく。
ある日、なぜか庭に呼び出された俺は真っ昼間から二人の兄弟に殴られていた。どうも学校で気にくわないことがあったらしい。しょうもない。
「お兄様方、使用人になんてことをしているのです!」
凛とした綺麗な声がしたかと思うと女の子が俺の前に立ってクズ兄弟との間に立ってくれた。
「そいつは使用人じゃねぇ。奴隷だ。奴隷は家畜だから好きにしてもいいんだよ!」
なるほど。奴隷は家畜か。ふざけんな。カスが。
「いいえ!彼は人間です!あらお父様、御機嫌よう。」
タイミングの悪いことにテカがやって来る。青筋を立てているところからして機嫌が最悪に悪いに違いない。
「お父様、ちょうど良かった。彼を私の従者にして下さらない?」
「ネロがそう言うなら好きにしてもいいよ。彼は優秀だから逃してはならない。それは守れるかい?」
「ええ。お父様、ありがとう!」
ギュッとテカに抱きつく女の子にテカはデレデレだ。機嫌の悪さなんてどこかへ行ってしまったらしい。
こうして3年目、俺は殺し合いをさせられる会場への出場と暗殺に加えてネロという女の子の従者もすることになった。当時お嬢さんは13歳。俺は17だった。
「貴方はどこの国から来たの?」
「キオワ国です。」
「どのような土地なのかしら?」
「この国よりも暖かく虫が多い国です。」
「貴方はどうしてこの家に仕えようと思ったの?」
「……出稼ぎです。」
誰がこんな腐った家に仕えたいと思うか!でもこの女の子の世話をする昼間は殺し合いをしなくても良くなったのでマシか。
ネロの従者になる時テカに命じられたことがある。任務や昼間にやっていた殺し合いの内容は絶対にネロには話さないということ。お嬢さんのことがよっぽど大事だとみえた。
「今日は馬に乗って湖に行きましょう!」
お嬢さんはたまに侍女達と俺を連れてゆっくりと近場にある湖に行く。もちろん侍女も奴隷で本当は侍女じゃない。
「お昼ご飯にしましょうか。」
草の上に布を敷いてお嬢さんが座る場所をセッティングしていると強い風が吹いてきてお嬢さんの帽子が飛ばされた。
「ああ!お気に入りの帽子だったのに!」
その言葉を聞いて俺達奴隷は青褪める。この後家に帰ったらテカや息子どもに何をされるかわかったもんじゃない。あいつらは常に俺達の失態を探しているから。
急いで取りに行こうとする侍女を止める。
「俺が取りに行く。あんた泳げないだろ。」
帽子は湖に落ちていた。濡れてしまっているけど乾かせば何とかなるだろう。
湖水の表面を歩いて行く。わざわざ泳がなくてもこれだと濡れずにすむ。水に沈みかけていた帽子を拾ってお嬢さんに渡すとお嬢さんはパアアッと顔を輝かせる。
「ありがとう。水の上を歩ける人なんて初めて見たわ!」
それからというもののお嬢さんは他の侍女達よりも俺に構いだすようになった。お菓子をくれようとしたりとかな。全部断ったけど。
ある昼下がり、街に買い物に行くと言ったお嬢さんに従者の格好をしながら護衛の役割をテカに命じられてついて行った。
「貴方はぜんぜん笑わないわね。」
「……」
服屋に入って服を仕立ててもらっている。貴族で金があるんだから店の人を家に呼べばいいのにわざわざ足を運ぶのはお嬢さんぐらいだと思う。
笑う気力があるならそれらは戦うために使わなければ身が持たない。夜の暗殺はどうやったらこうも気にくわない人間を作れるのか知らないがテカ達に命じられて不思議なほどほぼ毎日行っていた。
「うちを辞めたい?実は私、お父様やお兄様のしていることを知っているの。」
「……」
辞めようにも辞められない。奴隷に権限なんてものはなくてどうしようもない。言うなれば飼っている家畜。豚が人間に変わったようなもんだ。
お嬢さんは4着の服を作ることにして服を1週間後に取りに来ることになった。
「貴方もあの暴行を受けているうちの1人なんでしょう?お父様は元々暴力的な一面があったけれどお母様が従者と駆け落ちして行方しれずになってからこのように奴隷を集めて趣味の悪い大会にのめり込んだの。それと、貴方はサラルでしょう?」
街道を歩いて今度は宝石商の店に向かう。お嬢さんには名前を教えてなかったのに。そもそもこの4年間誰かに名前を呼ばれたことはなかった。奴隷間では喋る元気は皆の間にないし主人達からはお前、としか呼ばれない。
「どうして俺の名を?」
「学園で友人が読んでいた雑誌に貴方のことが似顔絵付きで載ってあったの。勇者で人を殺せない奴隷ですってね。」
「……」
俺は人を殺せないどころか連日殺人犯だ。お嬢さんはまだそこまでは知ってないらしい。
「こんな家、嫌でしょう?どうして貴方は逃げ出さないの。水の上だって走れるし乗馬だって完璧じゃない。」
どうしてと言われても。前に一回逃げた時があった。奴隷になって2年目の頃だったか。暗殺を命じられて対象者の家に夜行くと寝ていたのは双子の女の子達だけしかいなかった。この子達は昼間ただ遊んでいただけなのにこの子達が上げる声がうるさいから殺せということだった。
んな馬鹿らしいことしてられっか。それまでだって(数回でしかなかったが)何度も行為の後では吐いたし、俺に殺される人の顔も覚えている。もう繰り返したくない。その一心で双子を起こして隣国に逃げようとした。双子はビビっていたけど俺があのまま放っておいたらまた別の暗殺者が彼女たちの所に行くだけだ。
で。上手いこと逃げて隣国への国境についた。故郷のキオワには逃げてもすぐに捕まりそうだったので西の隣国に逃げた。関所について一人一人身体検査をして女の子達はちゃんと隣国に逃げられた。3大国のうちの1つである華ノ国とヨーゥイ帝国の間にある小国に行くことができたんだ。
でも俺は。奴隷紋のせいで行くことができなかった。家に連絡が行って拘束されていた俺は家に帰ると顔の原型が分からなくなるほど殴られた。
それからも何度も逃げたけどその度に捕まった。だから俺はここ数年逃げていない。どうせ逃げられない上にその後の狂行を考えれば逃げない方が得策だったから。
「また何も言わないのね。じゃあいいわ。私が誰かの家に嫁ぐ際に私についてきなさい。それから私が貴方を奴隷でなくしたら貴方は自由よね?だからそれまでは我慢して頂戴。」
何故か俺を奴隷から開放するとか言ってきた。ありがたいけど俺はこのお嬢さんのことを信用していない。どうしてかって?気の狂ったやつらの人間だからさ。もしも彼女がそうでなかったとしても。それはもしもの話だから本来のお嬢さんのことは分からない。この時点で俺は誰も信じていなかった。
サウーナ家に来てから4年目。お嬢さんは14歳になって隣の土地にいる貴族と結婚することになった。見目はいいとは思えないけどそんなに不細工なわけでもない。その分お嬢さんと話しているのを後ろの壁に立って聞いている限り性格は優しい人だと思う。本当はどうなのか知らないが。
式の1週間前、俺は腕の立つ奴隷と共同で暗殺をしろと命じられていた。彼女と数時間後に行う打ち合わせをしていて何か視線を感じると思えばお嬢さんが俺をじっと見ていた。
「何か御用ですか?」
声をかけるとお嬢さんは何も言わずに走り去っていった。
そのことはいまいち気にかかったが何の支障もなく任務を終えて夜帰り、割り当てられた藁の上に寝転がるとガチャンという音と共に体が動けなくなった。外そうともがいていると弟の方のウカが現れる。
ウカは兄のイッカと違って力任せの暴力ではないやり方でこちらを苦しめてくる。毒を飲み物や食べ物に入れたり、虫の沢山入った風呂に奴隷をぶち込んだり。俺はこの弟の方が嫌いだった。イッカはほとんど家に帰って来なかったし暴力を振るうのも彼の父であるテカがいる所だけだ。そのうえイッカは治療を影でしてくれたりするのでウカと比べるとイッカの方が好感を持てた。
「……何か御用でしょうか。」
「こんな夜中に女の奴隷とコソコソと戻って来て何をしていたのかな〜って思っただけ〜。」
「ご主人様の御命令を遂行しただけですが。」
すると無防備に晒されている俺の腹を蹴りやがった。ぐっと堪えて声を上げずにいるとウカはさらに蹴り続ける。蹴り続けて満足したらしいウカは息を切らして蹴るのをやめた。
「主人にそんな口きくんじゃないよ。じゃ、ネロにバトンタッチ。」
影から現れたお嬢さんはすごく暗い顔をしていた。特に目が。
「貴方、私と一緒にくるって言ったわよね。」
言ってない。お嬢さんが勝手に言ってただけだ。
「私から離れるのね?じゃあこうしてあげる。」
体の、一部が。切り離された。これには堪らず叫び声を上げる。
「隣に置いておいてあげるわ。明日から貴方は私の従者でなくてもいいわ。さようなら。」
気絶していたらしくいつの間にか体の拘束は取れていた。もぞもぞと誰かが俺の股の辺りを触る感触がしたので起き上がるとイッカがいた。止血をしてくれているらしい。
「すまない。もう一度、繋ぐことはできなかった。」
そうだろうよ。根本からぶった切られたんじゃ治しようもない。
「本当にすまない。妹はまともだと思っていたがあいつも狂っていたみたいだ。」
「あんたはどうなんだ?」
枕元に置かれた俺の一部だったものは紙で包まれている。使う気もさらさらなかったが自分の一部が切り離されたことに今更ながら涙が出てきた。
「俺は……父上を殺したい。協力してくれないか。」
「わかった。」
イッカはまともだと信じて。俺は男として生まれてきたが一度も使うこともなかったそれをその日、土の下に埋めた。
1週間後嫁いでいったお嬢さんの姿を見ることもなく、俺は従者をしなくなった分従者をする前の生活に戻った。昼間は殺し合いをして夜は暗殺。神様助けて。と祈る奴隷もいたけれど、俺があのクソ神に祈るわけがないのでそんなことはしない。
テカを殺したのは奴隷生活最後の年だ。俺が1人で全部やった。いつもの暗殺時の通り夜寝ている所を刺し殺した。
だがそれをたまたま目撃されていたようでウカに蹴られまくった。イッカが奴隷を全員解放してそれぞれに職を与えたが俺は違った。ウカがどうしても折れずに俺だけがよく分からない大会に出された。
その大会は何でもほしいものを1つ手に入れられるという条件があったので奴隷身分から抜けることができた。その後はロテカの店で働かせてもらって身なりを整えた後、父さんに会おうとこの国に来た。
俺の4年はこんなもんだ。




