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青の住人  作者: 濱野 十子
六章 青の在処
39/40

 カラカラと、乾いた音がする。

 頬に軽い刺激を覚え、カチは瞼を持ち上げた。しかし、明りのない部屋は暗く、何も見えない。

 暗闇の中、何が起こったのか確かめるため、体を起こそうとして、襲いかかる痛烈な痛みにカチは悲鳴を上げた。

 しかし、ここで痛みに負けては、二度と起き上がることができないような気がした。カチは身じろぐ度に体の芯をつんざく痛みを耐え、ゆっくりと上体を起こす。

「真朱さん、どこにいますか?」

 埃っぽい臭いを感じた。カラカラと音を立てているのは、瓦礫の落ちる音だろう。

 手を動かせば、ごつごつとしたものが指先に触れた。気を失う前に感じた浮遊感を思い出し、落ちたのだということに気づく。

「真朱さん、返事をしてください」

 返される声はない。小さな爆発音と、瓦礫の崩れる乾いた音が不気味に聞こえてくるだけだった。

 視界が効かないのなら、開いていても意味はない。カチは瞼を閉じて耳をそばだてる。真朱の息づかいを闇の中に探した。

「……っ、カチ」

 掠れた声を聞いて、カチは目を開けた。僅かな手がかりを逃さないようにと、声が聞こえてきた方角へ顔を向ける。

 相変わらず何も見えないが、カチは確かに真朱の気配を闇の中から感じ取っていた。

「今、行きますから!」

 全身を苛む痛みを忘れ、カチは声の聞こえた方角へと這いずっていく。尖った瓦礫に触れた肌は裂け、膝は擦れる。だが、構ってなどいられない。

 何も見えない闇は、何もないのに等しい。自分さえ消え去りそうな不安の中で、カチは確かな温もりに触れたかった。

「良かった、生きていた」

 伸ばした指先に柔らかいものが触れた瞬間、弱々しく握りしめられる。真朱の手だ。カチは嬉しくてたまらなくなり、ぎゅっと、握りかえした。

「無事か?」

「はい。なんとか、動けます」

「そうか」

 握りしめた真朱の手は冷え切っていた。カチは暖めようと両手で握りしめてやると、掠れた吐息が聞こえてくる。

 呼吸音の弱々しい反応は、今にも消えかける炎を思わせ、カチは不安に駆られた。胸騒ぎがしたのだ。

「早く、逃げましょう」

「シェルターは沈む」

 カチの言葉を押しのけ、真朱は大きく息を吸って続けた。

「いいや、爆発するかな。サブエンジンがやられて、そこから誘爆も起こっている。海に落ちるのが先か、メインエンジンに火が回って爆発するか、二つに一つ。どちらにしろ、時間はない」

「なら、早く逃げないと!」

 カチは握りしめた真朱の手を引っ張るが、動かない。

「――俺は、無理だ」

「どうして?」

 真朱はカチの手を振りほどいた。

 子供のように嫌々と首を振るカチの頭に手を置いて、乾いた笑い声で答える。

「俺は、行けない」

「どうして、そんなことを言うんですか!」

 カチは闇の中、そこにいるはずの真朱に向かって叫んだ。

 その声を聞きつけたのか。ぬるい風に乗ってアカシャのコミュニティーが、頭上に開いた大穴からぽつりぽつりと振ってきて、瓦礫に埋め尽くされた室内をぼんやりと照らした。

「お前だけでも、生きてくれよ」

 目の前で、真朱は仰向けに横たわっていた。

 力なく投げ出された四肢には埃が積もり、左手は幾つもの瓦礫によって潰されてしまっていた。服を染める赤い血の色が生々しく、銀色の光の中に浮かび上がる。

「そんな……」 

 カチはしゃくり上げたまま、呆然と死の淵にある真朱を見つめた。銀色の光に照らされる真朱の顔は窶れ、血色の悪い肌はまるで死人のようだった。

「わたし一人で逃げることなんて、できません!」

「お前はまだ、こんなとこで死ななくて良いんだよ」

「それは、真朱さんも一緒でしょう!」

カチは頭を撫でる真朱の手を取り、両手で抱きしめた。

「死ぬなんて、言わないで」

 カチは唇を噛みしめて泣いた。消えゆく炎を守るように、強く強く抱きしめる。

 真朱は、困ったような顔になり、小さく息を吐いた。

「死ぬことで、罪を償えるなんて、思っちゃいない」

 集まり始めたアカシャはアンピトリテの姿を成し、無感情の瞳でじっとカチと真朱を見つめている。

 炎に巻かれ、爆発に巻き込まれ、これまでに何人のアンピトリテが死んだだろうか。向けられる無言の圧力に、カチは押し潰されてしまいそうだった。

「そもそも、償いきれる罪なんて、この世には存在しないんだよ。今までやってきたことは、自己満足にしか過ぎないのは……わかってた。それでも俺は、贖罪がほしかった。そうしなければ生きてなんて、いられない」

 言葉を紡ぐ都度、息をつく度に、ガラスを含んだような掠れた音が混じる。

 カチにはそれが、命の刻まれてゆく音のように思えた。

 青ざめた顔から表情が消え、瞼が降りようとするのを見て取ったカチは、慌てて真朱にすがりついた。

 弛緩した体を揺り動かし、深い眠りに落ちようとする真朱の意識を、必死になって繋ぎとめる。

 回復が早いとはいえ、真朱は不死身というわけではない。シェルターの爆発に巻き込まれれば、幾千のアンピトリテと一緒に、塵となって消えてしまうだろう。

「俺はずっと、見殺しにしてきた。旧タワーに眠っていた母さん、暴動で死んだマーフォーク、シェルターのアンピトリテ、そして……リドフォール」

 僅かに開いた瞼の隙間から、涙が一筋、こぼれ落ちる。

「抱えているには重たすぎる。疲れたよ」

「真朱さんの罪じゃないでしょう!」

 すがりついた胸が小刻みに上下する。笑っているらしい真朱は、カチの背中をゆっくりと撫でた。

「俺の罪だよ。俺自身が思っているかぎりは、そうなんだ」

 体を起こし、カチはどこか安らいでいるようにも見える真朱を見下ろした。死によって罪は償えない。それでも、逃れることはできる。

 だが、それが果たして、真朱にとっての救いなのだろうか?

「せめてお前だけは生き残ってくれ」 

カチは真朱の瞳をじっと見つめる。銀色の光が映り込む漆黒の瞳は、今までの強さが全て虚勢であったかのように酷く弱々しく、別人のもののようだ。

「狡いですよ、真朱さん」

 カチは頭を振った。

「わたしだって、大切な人を見捨てたくないのに」

 真朱の体が強張るのを感じる。光を失いつつあった瞳が揺らぐのを、カチは見た。

「わたしだけ生き残れなんて、そんなこと言わないで!」

カチは打撲の痛みなど忘れ、真朱の右手を押し潰す瓦礫へと手を伸ばす。そのまま体を押しつけ、自分の体の倍以上は優にある瓦礫を退かそうと力を込めた。

「馬鹿か、お前! 退かせるわけないだろう!」

「真朱さんを置いて、一人だけ逃げられるわけ、ないでしょう!」

 カチは瓦礫にしがみついた。真朱の言うとおりだった。どれだけ力を入れようと、瓦礫はピクリとも動かない。

 動かせるわけなどない、だが、カチは止めるわけにはいかなかった。

「俺は、生きていちゃだめなんだよ」

瓦礫を押すカチの手を、真朱が掴んだ。

「みんな死んだのに、俺だけ惨めたらしく生き残る。辛いんだ、もう。嫌なんだよ」

 震えているのは出血のためか、それとも、恐怖のためか。

 ただ一つの光源でもあるアカシャたちが、何かを語りかけているのかもしれない。カチは瓦礫を押すのを止め、真朱へと向き直った。

 心の内を抉り取られるような、深く暗い衝動を感じた。

 それは、生きることへの罪悪感だ。実験材料として生かされている、そんな建前で隠し続けていた真朱の闇が、カチの心を震わせた。

 自分を殺さなければ生きていられなかった真朱は、今ようやく、自分を本当に殺してしまおうとしているのだとカチは知った。

「死ぬなんて、言わないで」

 生きろと言うのは酷なのかもしれない。それでも、カチは願わずにはいられなかった。

「何もかも、終わらせることはできるかもしれません。悲しいことも、辛いことも、全てが消えて無くなるでしょう。でも――」

 視界が涙で歪む。真朱の姿が見えなくなって、カチは目を擦った。

 擦っても擦っても、涙は止まってはくれない。溢れる思いを吐き出すように、止め処もなく流れ落ちる。

 刻々と迫りくる死への恐怖よりも、真朱を失うことがカチには恐ろしかった。

「それでも、お願いだから生きて! 真朱さんがいなくなるなんて、わたしには耐えられない!」

 血でごわついた真朱の上着をぎゅと握りしめ、カチは嗚咽を止めようと、強く唇を噛んだ。

「酷い顔しやがって」

 溜息をついて、真朱は困ったように微苦笑を浮かべた。

「だって、だって!」

 体温の低い真朱の手が頬に触れた。感情が高ぶり、上気した肌には心地よさを覚える感触だった。

「泣くなって。俺なんかのために泣いたって、何にもならない」

 カチの涙を、真朱は親指で乱暴に拭った。

「……まいったな」

 真朱は嘆息した。指を濡らす涙は、アカシャの光を反射してきらりと僅かに光る。真朱はそれを、じっと見つめた。

「見た目と違って、頑固で我が儘なやつだ。知ってるだろ、俺は死ににくい。一瞬で消えて無くなるような、こんなチャンスは、滅多にないんだぜ」 

 真朱は指を濡らす涙を舐めとって、カチを真っ直ぐに見つめてくる。視線の強さに、カチは自分の心臓が跳ね上がるのを感じた。

「責任は、とってくれるんだろうな」

 カチは涙を拭って微笑み、頷いた。

 シェルターを揺さぶる爆発音は、その間隔を段々と短くさせてきている。タイムリミット、すなわちメインエンジンの誘爆も時間の問題という段階かもしれない。

 だが、カチの胸中に恐怖はない。

 微笑み返してくる真朱を感じることができていれば、怖くなどなかった。

「目をつぶってろ」

 真朱は太腿に止めていたナイフへ手を伸ばし、鞘ごと引き抜いた。

「何をするんですか?」

「瓦礫はどかせない。なら、こうするしかないだろう」

 唇の端を僅かに持ち上げ、真朱はナイフを口に挟み、引き抜いた。小振りながらも鋭く研ぎ澄まされたナイフが解き放たれ、銀色のアカシャの輝きを反射して瞬いた。

 真朱は鞘を噛みしめたまま、瓦礫に挟まれている左手にナイフをあてがった。何をしようとしているかは、問うまでもない。

 ここから逃げ出すためには、瓦礫に挟まれている腕を切り落とす以外に、方法は存在しないだろう。

 カチは上手く力が入れられていない真朱の右手に、自分の手を添えた。

 真朱は動じないカチに肩をすくめる仕草をし、噛みしめた鞘に歯を立ててナイフを動かし始めた。

 生々しい肉の感触が、カチに伝わる。

 襲いかかる鋭い痛みは刺激をとうに通り越していて、灼熱の中に放り出されたかのように、爛れた熱さをカチの心に刻みつけてゆく。真朱の感じている痛みに、気が遠くなりそうだ。

 真朱の噛みしめている鞘が、きりきりと音を立てている。

 鞣し革が巻かれた丈夫な鞘を噛み砕きそうな強さで真朱は歯を食い込ませ、震える手でナイフを滑らせてゆく。

 苦悶に歪む顔には、びっしりと汗が滲んでいた。だが、黒い瞳の中にある意思の光は、全く消えることなく燃えさかっていた。

「ぐっ、あ……くぅ!」

 カツン。と、刃が床を滑り、湿った血臭が鼻をくすぐった。

 痛みを殺そうと上体を丸めたまま転がり込んでくる真朱を、カチは優しく受け止めた。

 目の眩むような鮮やかな血を滴らせる腕が目に入り、眩暈に襲われる。しかし、倒れているわけにはいかない。

 カチは唇を強く噛みしめて奮起し、自分の腕に巻かれた包帯を外す。鞘を噛んだまま、痛みを堪える真朱の腕に手早く巻き付け、強く締め付けた。

「……くそっ、痛てぇな!」

「真朱さん」

 覆い被さるようにして、カチは真朱を抱きしめた。痛みを享受できても、和らげることはできない。失った腕を治すこともできないだろう。

 なら、せめて。もう一度どうにか生きようと気を変えてくれたことに、カチは感謝したかった。愛おしい思いを伝えたかった。

「痛みがなけりゃ、生きている気になれないってのも、損な性分だ」

 自嘲の笑みを浮かべ、真朱は瓦礫に背を預けた。爆発による振動にふらつきながらゆっくりと立ち上がる姿に、弱々しさは微塵もなかった。

 埃にまみれ、血にまみれた姿ではあるが、どこか凛々しい。

 緊張がほどけ、口元が緩むのを感じながら、カチもまた立ち上がった。様子を窺うように視線を向けてくる、アカシャが見せるアンピトリテの幻影を、ぐるりと見回す。

「ごめんなさい。わたし、まだ生きていたい」

 幻影は答えない。

 ただじっと、見つめられている。彼等の瞳には感情は欠片もない。ガラス玉のような無機質な眼球が、アカシャの放つ光を写し取っているだけだ。

「だから、忘れません。わたしの罪を忘れたりはしません」

 罪悪感を拭うことはしない。

 カチは無機質な瞳をじっと見つめ返した。

 ――行きたければ、行きなさい。

 響いてくる声に、カチは息を飲んだ。

 幻影たちは、ゆっくりとそれぞれ片手を持ち上げ、一点を指さし示した。

「あそこから、出られるの?」

 返事の代わりと、幻影が指し示した場所へアカシャが瞬きながら集まってきた。美しい光によって照らし出されたのは、避難口であることを示すマークが描かれている扉だった。

 ――かえれないのなら、ひろがるだけ。

 ――しるために、わたしたちは、ちる。

 声を残し、アンピトリテの幻影は再び光の粒へと戻った。

 機能の大部分が停止した中、人工の明りのない暗い室内で瞬くアカシャは、満天の星空を思わせる。

「急げ、カチ。時間はない。俺も……そう長くは持たない」

「――はい」

 言葉のとおり、真朱の顔色は薄暗い中でさえ歴然とわかるほどに悪い。立っていることすら奇跡といってもいい状態だろう。カチは真朱に寄り添い、歩き始めた。

 アカシャの光に照らされているとはいえ、光量は充分ではなかった。大小の瓦礫が散乱している足元は酷く歩き辛いうえに、揺れは激しい。

 おぼつかない足取りで、カチと真朱は這いずるように進んだ。待ち構えていたようなタイミングで扉は開き、二人を招き入れる。

「ここ……知っています」

 扉が閉まり、電源が自動的に入る。シェルターとは独立した構造になっているのか、青白い光が灯り、室内を照らし出した。

 狭い部屋に置かれてあったのは、目に痛いほどに鮮やかな純白の救命ポッドだった。

 長い筒のような、二人乗りの小型機は全部で八機。うち一機は既に発進した後のようだ。

「わたし、これに乗って外へ出たんです」

 カチは真朱から離れ、操作台の前に立った。

 おぼろげな記憶を揺り動かし、カチはタッチパネルに指を乗せる。

 パネルは自動的にカチの指紋を読み取り、シェルターの住人であることを確認すると、ロックを外した。

 搭乗口を占領していた台座がスライドし、新たな救命ポッドが据え付けられる。ハッチが開き、パネルに準備完了の文字が浮かんだ。

 後は救命ポッドに乗ってハッチを閉めれば、自動的に地上へ帰還するはずだ。

「真朱さん」

「……ああ」

 血の滲む左腕を抱え、搭乗口の手摺りに寄りかかっていた真朱は冷や汗の滲む顔で頷いた。

 カチはふらつく真朱を助けながら、救命ポットに乗り込み、向かい合う格好で横になる。

 二つ分の生命反応を感知した救命ポッドは、サイレンを鳴らしてハッチを閉じた。

「真朱さん、手を。手を握っていてもいいですか?」 

 衝撃を吸収するための特殊な素材が膨張し、体を包んでゆく。カチは身動きできなくなってしまう前にと、真朱へ手を伸ばした。

「恐がりだな」

 真朱は、カチの手を握りしめた。

「いや、恐がりなのは、むしろ俺か」

「真朱さん?」

 握られた手ごと体を引き寄せられ、唇が触れ合った。

 吐息が混ざり、命が震える。カチは間近にある真朱の顔を、じっと見つめた。

体と体ではなく、命と命が直に触れあうような不思議な感触に胸が熱くなり、涙が知らずにこぼれ出す。苦しいほどの感情が、体の底から溢れ出て来るようだった。

「馬鹿だな。こういうときは、目を閉じるもんだろ」

「だ、だって……突然なんだもの」

 揶揄され、カチは熱を帯びる自分の体に戸惑った。きっと、顔は真っ赤になってしまっているに違いない。

 みっともないだろう顔を隠したくとも動かせるのは首だけで、手は真朱と握りあったまま固定されてしまっていた。

 やがて首も固定され、視線すらも逸らせなくなる。

「なあ、カチ」

「なんですか、真朱さん」

 救命ポッドの睡眠装置が作動し、急激な眠気を感じる。揺籃を思わせる振動は、救命ポッドが発射態勢に入ろうとしているのを知らせていた。

 カチは隠しようもない不安を払拭しようと、真朱の鼓動を繋いだ手から読み取る。弱く、たどたどしい鼓動でも、生きてここに存在していることを教えてくれていた。

「生きていて良いんだって……言って、くれないか?」

疲労と出血と、装置の作用で真朱の瞼は、ゆっくりと落ちる。

 カチは、閉じた真朱の瞼の隙間から涙が滲み、こぼれてゆくのを黙って見つめた。

「生きて、真朱さん」

 返事はない。微かな息遣いだけを聞きながら、カチも瞼を閉じた。

「生きるのに理由がいるのなら、わたしのために生きてください。……一緒に、生きましょう。この世界で、一緒に……」

 次に目覚めるときは海か、海岸か。どちらだって、構わない。もう一度、確かに生きて真朱に会えるのなら、どこであろうと構わなかった。

心地の良い微睡みに誘われるまま、カチはゆるく息をつく。

 救命ポッドが位置につき、虚空に発射される頃には、すでに意識は深いところまで沈みきっていた。

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