第二十一話 解析者の眼と変化する未来の銃
「これが……アナリスト専用装備」
「SF映画に出てくる銃みたいだね」
「……仁の専用装備、かっこよすぎるよ!」
僕達はそれぞれの感想をつぶやいていた。
宝箱に触れた瞬間の闇と光は宇宙の始まりを生み出したビッグバンを思わせる美しさだったし、大時計の秒針が動く音は“時”を司る銃なのだと思わされた。
《|Chrono Glass》か。宝箱から取り出して銃身を握ると手に吸い付き、これが僕の新しい相棒だ、と思える。
黒曜に輝く銃身も近代的な蒼い装飾のラインもコアの時計のような機構もすべてかっこいい。
「これからよろしくな。クロノグラス」
僕が期待を込めて呟くと銃身の蒼い線がひと際強く光る。
どうやらクロノグラスには意思があるようだ。
僕と“相棒”の冒険がここから始まろうとしていた。
**
「ご先祖様、クロノグラスの性能はどのようなものなのでしょうか?」
「そうですね。解析をすればわかりますが、折角なので私から説明しましょう」
ご先祖様が語ってくれた性能はこんな感じだ。
《観測照準》
•敵を“照準内”に収めるだけでステータス・スキル構成・行動傾向が即座に視界に表示
•観測時、HUDのように敵の周囲にデータが浮かぶ(弱点部位・使用スキル履歴など)
《未来断面》
•1〜2秒先の行動予測がクロノグラス内で視覚化される(=瞬間的な先読み能力)
•弱点突きや回避タイミングに使える
《記録再写》
•戦闘・解析・周辺状況を視覚データとして録画&再生
•攻略や考察、他キャラへの共有に使える(後衛的・知的戦闘サポート)
《補助機能》
•分析モード切替:戦闘・生物・構造物などの解析特化モードあり
•データ保存:解析結果は記憶容量内に保存。再解析不要(→スピードアップ)
•セーフティ機能:アナリスト以外が使おうとすると電撃 or 拒絶反応
どれもアナリストらしいいい機能だ。観測標準はこれからの戦闘に役立つね。記録再写は戦闘した後の反省に使えるだろう。他の人にどんな戦闘だったかを見せるのもいいね。補助機能も地味に使えるよ。
次は打てる弾のタイプだ。
①《攻撃弾》
純粋な火力用。魔力を圧縮して射出、対象を撃ち抜く。
威力は仁のINTとWISに比例
②《解析弾》
対象に命中 or 接触することで、詳細データを展開する解析支援弾。
•スキル履歴/感情変動/ステータス構成がリアルタイムで視覚化
•視界外でも“痕跡”を追える(足跡・残留魔力)
③《結界弾》
防御特化。着弾地点 or 使用者の周囲に“解析式結界”を展開する。
•ダメージ軽減+状態異常無効
•範囲は小さめ(仁+1人くらい)
•結界は一定時間
おまけ:弾の装填・発動方式
•言語式(口に出す)+内部UI切替
弾のタイプは三種類で分かりやすい。攻撃用のレッドバレット。情報補助用のブルーバレット。結界を貼るグリーンバレット。信号の標識みたいでわかりやすい。
「ご先祖様、クロノグラスに弾以外にも装填できる場所があるんですけど?」
『流石解析者ですね。そこには属性を持つ魔石を装填することができますよ』
「つまり、はめる属性によって違う弾が撃てるってことだね」
「すげえよ、仁、スパイ映画に出てくるスナイパーみたいじゃんか!」
クロノグラスは得意げに蒼色の線を明滅させていた。
僕専用装備ってなんか照れくさいね。
でもめちゃくちゃ嬉しい。
僕はアイテムボックスにクロノグラスと背負っていたバックパックを収納しようとする。
「アイテムボックス 収納」
すると、アナリスト専用のメモ帳が鈍く光る。メモ帳を広げてみると、持っているアイテムのリストが文字になっていた。
「なるほどね、そのメモ帳もアナリスト専用装備だから連動しているんだね」
「うーん、これで眼鏡かけたら、めちゃくちゃ似合うなあ。最後の宝箱も開けようぜ!」
「そうだね」
最後の宝箱を開けると……。
中身はまたしてもスキルオーブだった。
だがその中身は特殊だった。
《スキル解析》
【基本機能】
•敵や味方のスキル構成をリアルタイムで解析・可視化。
•発動条件、消費リソース、クールタイム、動作の癖まで読み取れる。
【応用機能】
•スキルの相性・弱点を解析(例:「火属性に弱い防御魔法」など)。
•スキル使用時の"隙"(硬直・ディレイ)を検出。
【記録・保存機能】
•一度解析したスキルデータはクロノグラスに保存可能。
•保存したスキルはいつでも閲覧・再解析できる。
【新機能:模倣・再現】
•一定条件下で解析したスキルを模倣し、発動できる。
•
【模倣条件】
①解析成功済みであること
②スキルの発動に必要なリソース(MPや特定属性)が満たされていること
相手のスキル構成が一瞬でわかるのは戦闘で有利だね。相性・弱点を解析できるのも好都合だ。
一番凄いのは解析したスキルを模倣し、再現できることだ。剣士にも魔法使いにもなれるかもしれない。
スキル内容を皆に言うと感嘆の声が上がる。
「スキル構成を見抜けるのは地味だがめちゃくちゃすごいよ。仁君がどんどんアナリストらしくなっていくね」
「俺のバトルマスターの能力も模倣できるのか? 何にせよすごいな!」
『解析者らしいスキルですね。これから精進しなさい』
「はい。この力で咲夜先輩と遥を守りますから」
決意を固めて、ご先祖様にそう言うと、咲夜先輩と遥は顔を赤らめる。
「(仁君ってかっこいいこと、さらっと言うよね)」
「(お、おれのことも守ってくれるのか)」
「僕たちは一生パーティーだからね」
「う、うみゅ」
「$%&#」
勇気を出して言った言葉が後々争いの火種になることはまだ僕は知る由もなかった。
こうして、僕たちは隠しフロア外層、第一フロアから脱出した。夕食は遥おすすめのいい場所があると言っていたのでそこに車で向かうことにした。
小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。




