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第十三話 隠しルート突入! 遥視点メインです

 

 僕達は、一つになっていた体を二つに戻した。

 お互いが何かを切り出そうとするも、なかなか切り出せない。

 二人でアワアワしているうちに、何か可笑しくなってきた。


「フフフフフ!」

「アハハハハハ!」


 二人で意味もなくお互いの顔を見て笑ってしまった。でもこの時間も心地よかった。

 笑いつくした後、咲夜先輩が喋りだす。


「仁君の言葉は本当に嬉しかった。だけど返事はまだ……ちょっとずるいんだけど」

「いいですよ。僕もまだ……付き合うとかは」


 まだまだ人生は長い。だからタイミングが来ればってね。


「さあ、隠しルートに進もうか。どうすればいいんだっけ?」

「うーん、とりあえず布の切れ端を出してみますか」


 五枚の布の切れ端を模様を合わせてジグソーパズルみたいに合わせようとすると……。

「浮いてる?」


 何と布の切れ端が壁の少し窪みがある所にはまりだした。

 そして僕と咲夜先輩に思念のような何かが伝わってくる。


『解析者と封印を守りし巫女よ。この先の道は修羅と知れ。それでもお主らはこの先に進むか?』


「はい、僕はこの先にあるものを“知りたい”」

「右に同じくだよ。仁君を放っておけないのもあるけどね」

『ならば、鍵を出せ。そしてするべきことは……分かるであろうな?』


 鍵? そんなものは……いや黒神所長から預かった筆か?

「これですか?」

 僕はバックパックから筆をとりだす。


『そうじゃ、何を為すべきかは”聞いて“おろう?』

「はい。では……“解”」

 僕は虚空に“解”と筆で書く。すると……空中に書かれた文字が光り輝き、古代の文様らしき緑色の光が宙を煌めく。


 ズズズと壁が門のように開くと闇の中に時折黒い靄が見える埃のこもった道が現れた。


『その先に進め。わしから言えるのは以上じゃ』


 僕達はその先の黒い空間に足を踏み入れるのであった。


 **


 火車 遥視点


 **


 本当はここに来るつもりはなかった。でもなんか気になって、やるせなくて……。


 俺は火車遥。こんな口ぶりだが女だ。仁と同じ十八歳だ。仁とはずっと仲が良かった……はずだった。

 ダンジョン職業診断テストの結果が出た後、仁は何か考え込んだ様子だった。


 俺にどのパーティーに入るのか聞いてきた後、とんでもないことを言い出した。


「遥はいいよな。バトルマスターっていうどこのパーティーに入っても活躍できる職業でさ」


 確かに仁は「ダンジョンアナリスト」っていうよくわかんねえ職業だった。


 俺には兄貴がいた。兄貴も記録士レコーダーっていうよくわかんねえ職業だった。

 お人好しで他人のために呼ばれれば、いつも笑顔でダンジョンの記録を取ってるやつだった。


 でも三年前にダンジョンのモンスターに殺されて帰ってこなかった。一緒のパーティーの人に聞いたらいつもは出ない階層に出た異常なモンスターに追われて死んだらしい。


 一番戦えない地味職のくせにしんがりを張ると言って、無事パーティーの人たちを統率しきって最後は笑顔で死んだらしい。モンスターの攻撃の後死体が見つからなかったらしいが。


 でも、残された俺はどうするんだ。兄貴とは仲が良かった。いつも気弱だけどやるときはやる兄貴だったんだ。親は事故で小さい時に亡くなった。親代わりでもあり大好きな兄貴だったんだ。


 だから仁には俺が一緒のパーティーになってやるからって言うつもりだった。それであんなことが起きないように守ってやって……。


 それなのに、地味職なのに、俺から離れていく仁が許せなかった。

 鬼電しても一切出ない。メールも無視。


 俺はモヤモヤした感覚を覚えながら、会場で一番対応が良かった女の人三人組のパーティーに入った。


 それなりに上手くやれてて楽しかったけどなんかモヤモヤするんだよ。


 だからこの前仁に、買取の窓口の所で数日ぶりに出会って驚いた。


 橘先輩を連れてるじゃねえか。橘先輩の家には親が亡くなってから良くしてもらってた。

 だから恩がある。でもなんで仁と仲良くしてるんだ?

 だから俺はついつい嫌なやつみたいに絡んじまった。


 でも許せなかったんだ。俺が隣にいるはずなのに橘先輩が仁を横取りしたようでよ。

 俺の枷になるからって? そんなもんになるもんか!

 なんだかんだで俺を助けてくれた高校の頃みたいにうまくやってくれるんだろ?

 なんで俺を置いていくんだ。兄貴みたいに。


 そして気になる声が聞こえた。隠しルートだと?


 兄貴が死ぬ前に言ってた。長良川ダンジョンの二階に気になる道があるって。

 そこを調査するんだって笑って言ってたんだ。


 仁はシルクハットの怪しい奴に言ってた。“知りたい”って。

 だからそこに行くつもりなんだろう。俺は隠しルートのことを聞いて早朝から探索者支援センターで待つことにした。パーティーには用事があるって言って。


 予想通り七時くらいに二人は来た。なんかいい雰囲気なのが許せない。


 俺はスキルの足音消し(サイレントステップ)を使って二人をダンジョンで追っていった。


 ちなみに俺のステータスはこんな感じだ。


 火車 遥 

 十八歳

 レベル18


 •HP:260 / 260

 •MP:120 / 120

 •STR(筋力):38(殴打・斬撃どちらも優秀)

 •DEX(敏捷):36(足音を消す、フェイント動作が得意)

 •VIT(耐久):28(やや低めだが回避&受け流しでカバー)

 •INT(知力):22(スキル戦術への理解がある)

 •WIS(判断):25(戦況判断・駆け引きに強い)

 •LUK(運):12(運頼りよりも安定重視)

 ________________________________________

 スキル

 《武装切替アームズ・スイッチ

 装備中のサブ武器に即時切り替え可能。クールタイムなし。

 → 剣・短剣・トンファー・ナックル等、状況に応じて変化!


 《戦術眼バトル・インサイト

 敵の行動パターンを一時的に“予測表示”する。

 → 使用後10秒間、回避・カウンター成功率が大幅UP(※クール60秒)


 《連撃コンボブレイカー

 通常攻撃3連続ヒット後、自動で追加打撃が発動。

 → 切り返しやゴリ押し突破時に強力。武器により属性変化もあり。


 《足音消し(サイレントステップ)》※隠密系

 移動音を完全に消し、敵の索敵を回避可能。

 → 使い所次第で“奇襲”や“背後突撃”が可能。


 《闘志爆発バーサークモード

 HPが半分以下の時、自動発動。STRとDEXが1.3倍に上昇。

 → 自制は効いてるため“暴走”ではなく“集中モード”に近い。


 俺は二人を追って長良川ダンジョンに入ったんだ。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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