地球最後の日を心配する妹
地球最後の日を心配をする妹
私の妹は可愛い。
故あって、私はジムに毎日通い、2ヶ月で10キロ落とすという過酷なダイエットをした。
妹は、ジムに通わずに結果にコミットすると宣言し、5ヶ月。
まじで結果にコミットした。
妹ちゃんは、8キロくらい痩せた。
すごい。
私は去年の春に手術をした。
毎晩、生存確認のために夜に妹ちゃんは電話をかけてくる。
彼女の家庭が崩壊しないか、心配になるほど私に電話が来る。
ビデオ通話の後ろにひっそり映る、妹ちゃんの旦那くん…。
「ちょ…さみしそうじゃん…!
旦那くんいる時、電話やめれ…!」
そう説得したが、次の日にはまた普通に電話がかかってくる。
旦那くんの背中が日に日に遠く、小さく、寂しそうになっていく…。
先日、コネコちゃんが腸炎になり、安静が必要なので、電話を控えてほしいとLINEした。
すると、すぐ電話で、
「で、コネコちゃん、どうなの?」
と安否確認してくる。
だから、電話しないでって…!笑
いちにちに1分でも、ビデオ通話したがる。
カラオケ屋さんに入店し、フードが運ばれてくるわずかな間さえも、電話がかかってくる。
電車に乗ってる間は、通話を繋ぎながら、LINEで会話している。
私だけ喋っていて、その返事は妹がLINEに打ち込む。
つまり、彼女は、アッネである私が好きすぎるのである。
「鰹節ちゃんがお姉ちゃんでよかった。」
「鰹節ちゃんは、妹の誇り。」
といつも言ってくれる。
私は長年婦人科疾患に苦しめられてきた。
療養休暇を繰り返し、とうとう今回は休職、腰を据えた治療をじっくりした。
手術後はゆるゆるした療養生活に入り、現在は復職に向けて動いている。
その復職を非常に心配していて、
「鰹節ちゃん、もう1年くらい休んでいいんだよ。」
「復職してダメだと思ったら、休んでいいんだからね。」
と、何度も何度も言ってくれる。
優しいのだ。
歌がめちゃくちゃ上手い。
まれに自分の歌を撮ってくれておいて、あとで送ってくれる。
私たちは違う県に住んでいて、なかなか気軽には会えないから。
歌で元気づけてくれる。
この前、妹からとあるニュースが送られてきた。
何年後か覚えてないが、地球に隕石が落ちる可能性が1パーセントくらいあるらしい。
落ちたら、人類は滅亡するらしい。
妹は、
「地球最後の日は、妹、鰹節ちゃんといっしょにいるー。」
と言ってきた。
一瞬、頭がフリーズしたが、
「…いや、旦那くんと一緒にいなよ!!!Σ(゜ロ゜;)」
と大声で返した。
しかし、旦那くんとは別にいいらしい。
私と一緒がいいらしい。
旦那くんの株の低さよ…!!
なぜなの…?!
これをシスコンと言わずして、なんと呼ぶのだろうか。
立派にシスコン道を貫いている、我が妹である。
今度妹とまた遊びに行く。
楽しみだ。
ただ、妹は、「のべつまくなし、とにかくずーっと喋っている」ため、そこそこのノイズキャンセル機能を発揮しないと、こっちが潰れる。
たぶん、まだ地球最後の日を心配してると思うので、会えたあかつきには、
「大丈夫、隕石たぶん落ちない!」
と言ってあげようと思う。