地獄からの脱出
投稿日 何曜日にする 迷いすぎ
結局今回 日曜日になる 作者 心の俳句
「やっと終わった…」
今は何時かと時計を見ると、もう地平線から太陽が顔を出してくるような時間だった
「今から寝ても、すぐに姉様に起こされるかお母様に叱られるか…」
最後にちゃんとした睡眠時間がとれたのはいつだっただろう
毎日のように、姉様が私に仕事を押し付けてくるか、両親が叱責するかだったので、まともに睡眠時間がとれた試しがない
覚えている限りだと、睡眠時間がちゃんととれたのはもう廿日も前だ
(眠い…眠ってしまいたい…)
視界がぼやけ、自然に瞼が下がって来る
(絶対に後で怒られる)
と思いながらも、私の意識は深い眠りに落ちていった
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「…やく…きなさい……起きなさい!早く起きなさい!!」
そんな大声と共に幸せな夢に浸かっていた私の意識は現実に引き戻された
声が飛んできた方を見るとお母様が立っていた
「なんでしょうか、お母様」
そう呼ぶと、私にお母様は嫌悪の眼差しを向ける
まるでそう呼んで欲しくないかのように
「お父様がお呼びです、早く執務室に行きなさい」
とお母様は言い、物置部屋になんかいたくないとでも言うかのように去っていった
早くしろとの事だったので、身支度を整えてから足早に執務室に向かった
「遅い!!いつまで待たせる気だ!!」
扉を開けて執務室に入ると、案の定お父様の怒声が飛んできた
私はすぐさま
「申し訳ありません」
と頭を下げ、この後飛んでくるであろう説教に身構えた
「まぁいい。たった今この時から、お前は我が一族の者ではなくなるのだからな」
思っていた事と違う言葉が飛んできて、私は呆然とする
(一族の者ではなくなる?…つまりこの家から出られるの?)
そんな私を見て、ショックを受けていると思ったのか、お父様はこう続ける
「神代家当主である私は、お前を勘当することにした!どこへでも行って勝手に野垂れ死ぬといい!」
「それは困りますね、神代殿」
後ろからそんな声が聞こえた
「たとえ落ちこぼれだとしても、『神折師』の血は絶やしてはならない。忘れた訳では無いでしょう」
彼はそう言いながら、執務室の扉を開き、中に入ってくる
彼の髪の色は太陽の光のような金色で、その瞳は燃えるような紅さだった
(綺麗…)
そう思えてしまうのも仕方ないことのように思えた
「なっ何故ここに!!お前のことは撒いたはず…」
お父様の言った言葉を、まるで聞こえなかったかのように無視して、彼は話し始める
「こんにちは、澪様。俺は貴女の護衛官に任じられました、榊と申します」
これからよろしくお願いします、と彼は言った
水曜にしよかと思てる