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神折り一族の落ちこぼれ

折り紙って良いですよね

「なんだこれは!!」

そう言って私は、お父様から淹れたばかりの熱いお茶をかけられた

「何故お前は簡単な依代1つも作ることが出来ないのだ!!」

「お前の姉は複雑な依代もすぐに折れるのに…」

お父様の隣ではお母様が私を軽蔑した目で見る

お茶をかけられる(こんな)ことなんて日常茶飯事で、慣れてしまった

「お前は我が一族の恥だ」

お父様が言ったそんな言葉も聞き慣れてしまった


お母様が言う、姉様が作った依代は本当は私が作ったものなのに


─────────────────────────


私の一族、神代家は代々、神が顕現する時の依代を折る『神折師(かみおりし)』を多数輩出している名家だ


私と姉様は、神折師の中でも優秀な両親を持っている

つまり期待が大きいのだ

だが、姉様は全くと言っていいほどに依代を折ることが出来なかった

その代わり、私の依代を折る才能はどんどん伸びて行った


姉様は私を恨み、何時からか、私の作った依代を自分のものとして両親に発表した

代わりに、私が姉様が作ったものを発表するようにして

そうなってから、私の扱いは家族のものですらなくなった


そんなことを思い出しながら屋敷の廊下を独り歩く

自分の部屋とは名ばかりの物置部屋の扉を開けると、そこには姉様がいた

「あら、遅かったじゃない、澪」

「遅くなって申し訳ありません、姉様」

「本当よ、あんたを探すためにこんな薄汚い部屋にまで入ることになったのよ」

と言う姉様


その手には依代を折るための特別な紙である、『依紙』があった

ああ、またかと思う

「これ折っといて、明日までに」

そう言って私の方に依紙を放る姉様

私は床に依紙が落ちないように、急いで風魔法を使い、集めた。

「ちゃんとやってないと殴るからね」

そう言い残し、姉は去っていった。


(やるしかないか)

そう思い、私は依紙を折り始めた。

きっと、今日は徹夜になると思いながら

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