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ゴミスキルだって、育てりゃ、けっこうお役立ちです!  作者: アイイロモンペ
第三章 女騎士(クッころさん)奮闘記
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第42話 初めてのレベルアップ!

 『生命の欠片』をどうやって手に入れたのかと問い、ジト目でおいらを見詰めるアルト。


「実は、少し前に『積載庫』を手に入れたんだ。

 それで、昨日倒したスッポンをチェックしてて、『生命の欠片』を見つけたの。」


「そう言えば、マロンは『スキルの実』の正しい食べ方をしてたわね。

 『スキルの実』って、完熟してから食べないと効果が大幅に低下するのよね。

 苦い『スキルの実』を幾ら我慢して食べても『積載庫』には至らないのよ。

 本当に無駄なの。

 でも、マロン、凄いわ。

 その幼さで、『積載庫』持ちになるなんて。

 恐らく人間で『積載庫』を持っているのはマロンだけよ。」


 そっか、苦い『スキルの実』は効果が落ちるんだ。

 どうりで、変だと思ったんだ。

 タロウの『クリティカル発生率アップ』の時の話、レベル一で一%アップと言うのもアレッと思ったけど。

 レベル十の予想が三百%アップって言うのも低いと思ったの、おいら、レベル九で二千%アップだったから。


「効果が低いって、同じレベルでも効果が違うということ?

 レベルの上がり方が遅いんじゃなくて?」


「そうよ、レベルは『スキルの実』を食べた数で勝手に上がって行っちゃうのよ。

 多くのスキルはレベル十で天井だから、完熟してないスキルの実を食べるのって本当に無駄なの。

 もっとも、あんまり厳密じゃなくて百個食べるうちの一、二個未熟なモノがあっても平気みたいだけど。」


 苦い『スキルの実』の効果って、十分の一くらいしか無いんだって。

 それなら、納得だよ。

 

「それで、『生命の欠片』を結晶化するにはどうしたら良いの?」


 おいらが本題に話を戻すと、アルトが教えてくれる。


「『積載庫』の中の『生命の欠片』が光っていたら『合成』可能なのよ。

 もし光っていたら、そのままジッと見詰めていなさい。

 そのうち、『結晶に合成しますか?』って聞いて来るから。

 そしたら、ハイと答えれば良いわ、あとは勝手にしてくれるから。」

 

 アルトの説明だと、『生命の欠片』は百個揃うと『結晶』に合成可能らしい。

 合成可能ならば、ピカピカ光ってるって。

 そう言えば、『生命の欠片』は光ってたね。


「じゃあ、おいら、やってみる!」


 おいらが『積載庫』の中を確認すると、『生命の欠片』はちゃんと光ってた。

 それをジッと見つめていると、例の女の人の声でアルトの言う通りに尋ねて来たんだ。


 おいら、思わず声に出して「ハイ!」って言っちゃったよ。


 すると、…。


    ********


「ねえ、アルト、合成したら『生命の欠片』が消えちゃったよ。

 いくら探しても『生命の欠片』もその『結晶』も見当たらないよ。」


 さっき、スッポンの生血を精力剤にした時は、生血が消えて精力剤が現れたのに。

 今回は、『生命の欠片』が消えても『結晶』が出て来ないの。


「おかしいわね、『生命の欠片(結晶)』ってのが残るはずだけど…。」


 おいらの言葉を聞いてアルトは首を傾げてたんだ。


「いくら探しても、『生命の欠片(結晶)』ってのは見当たらないよ。

 ねえ、それってどんなモノなの?」


「そうね、ちょうど良いことに、拾った『生命の欠片』が百個以上溜まってるわ。

 合成して見せてあげる。」


 そう言ったアルトは僅かばかりの合成時間の後、『生命の欠片(結晶)』を見せてくれたんだ。


「はい、これが『生命の欠片』の『結晶』よ。

 私は要らないから、マロンに上げるわ。」


「えっ、これって?」


 それなら、あるよ『積載庫』の中に腐るほど。でも…。


「うん? どうかした?」


「これなら、おいら、沢山持っているよ。

 おいら、こんな数を数えたこと無いから自信が無いけど。

 四百京くらい?

 でも、おいらの『積載庫』の中では、『金貨』って書いてあるの。」


「いったい、なんなの、その天文学的数字…。

 どこで、そんなに手に入れたのよ?」


「うーん、実は、ワイバーンをちょこちょこって。」


「この間のはぐれワイバーン、あれマロンが倒しちゃったの?

 呆れた…。

 まあ、良いわ、その話はあとでゆっくり聞かせてもらうわ。

 それで、マロンの『積載庫』では『金貨』になってるのね。

 何でかしら、バグってことはないと思うけど…。」


 取り敢えず、合成したら消えた理由は分かったよ、『金貨』の方に含まれちゃったんだ。

 数が余りに大きいんで、一桁目の数字なんて覚えてなかったよ。


「まあ、『金貨』となっている原因はあとで調べるとして。

 私があげた一枚、体に取り込みたいと念じてみて。」


 おいらは、アルトに言われた通り、『生命の欠片』の結晶を体に取り込みたいと念じてみたんだ。

 すると、おいらの体に溶け込むように消えていく『生命の欠片』の結晶。


 それと同時に、頭の中で鐘が鳴り響いたよ。

 不意を突かれたんで、ドキッとして、思わず硬直すると。


「その表情、頭の中で鐘の音が響いて驚いたんでしょう。

 レベルアップおめでとう。

 能力値を確認すると、レベルが一になっているはずよ。」


 言われた通り、レベルを確認すると確かに一になってたよ。

 レベルも、スキルと同じでレベル二に上げる時は『生命の欠片(結晶)』が三枚。

 レベル三に上げる時は九枚必要らしいの。


 いったい、四百京って、レベル幾つまで上がるんだろう?

 あのワイバーンってレベル幾つだったんだ、本当に…。

お読み頂き有り難うございます。

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