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第四話 コミュ障の俺、酒は面倒くさいことを知る

「もうっ、お二人とも、男の友情を育むのはいいですが、だからといって仲間外れは悲しいです!!」


「す、すまん・・・」


俺も片手を立てて日本式にスマンという意思を伝える。


なんだろう。怒られているはずなのにもっと怒らせたい。かわいい。

…これが美少女パワー?それとも俺がM?

…考えないようにしよ。


ぐいぐいとステータスを押し付けてくるので、とりあえずメリーに俺たちのステータスを手渡し、二人でメリーのステータスを見る。


が。


「…この称号、何?」


____________________________________________


名前:メリー・アキサメ


種族:人族(勇者)


MP:5000/5000

攻撃:300

防御:30

知力:120

器用:10

素早さ:70


スキル:破壊[10]暴君[8]駄々[5]崩壊[5]散漫[5]氷魔法[1]


称号:破壊者[1]おてんば娘[1]

____________________________________________


こんなかわいい子が破壊者??

ついでにおてんば娘って。

いや、おてんば娘まではまだわかるよ。

破壊者??


「えーと?メリー?…お前ゲームとかしてた?」


「?ええ。自分でキャラメイクができるオープンワールドRPG系のゲームやってましたよ?」


あ、氷空が言いたいことがわかった。

称号は十中八九性格とか、元いたところでの生き様とかが反映されてる。

氷空の仮面使いも、時と場合によって接し方を変えてたせいだろうとか言われたし。


…つまり、ゲーム世界も一応はその人を作っている何かしらの要素はあるわけで。


「…どんなキャラ作ってた?」


「あぁ〜、もうあちらへ帰ることもないでしょうし、伝えてもいいのかも。えっと、『Parallelwelt』っていうゲーム知ってますか?」


ああ、日本どころか世界で流行してたあのゲームね。

確かトッププレイヤーは日本人だったような。

しばしばネットニュースにもなってたし、その中でもあんまり目立たない生産職として俺ものんびりまったりゲームしてた。

一応情報とかは集めてたしな。


「あれのトッププレイヤーの「Merry」は私ですよ〜」


・・・。

爆弾発言、というか衝撃発言。

え、Merryといえばメイスと大槌がメイン武器で『破壊神』とか『戦乙女』とかすごい二つ名が出回った攻撃力に任せたゴリ押しで頂点にいたプレイヤーじゃないか。


…なんとなく理解できた。というか、似合うわ。破壊者。


「あ、うん。だからなのね、この称号」


もう威厳も何もあったもんじゃない顔をして氷空はようやく言葉を絞り出した。


「そうですよ〜。この世界で同じように武器を振り回せるのなら願ったり叶ったりです〜」


…怒らせちゃいけない子だ、この子。


「君たち面白い称号構成してるよね〜。まあ、噛み合えば強い組み合わせではあるよ」


イヴァはのほほんとお茶を飲みながら俺たちにいう。


「まあ、今日は明日からの予定を軽く確認したら後は用意させた部屋に行くといいよ。大部屋だけど、寝室は別だから、まあ、多少信頼関係を築いてみたら?早く仲良くなっとくに越したことはないしね」


そう言ってイヴァは明日からやることをつらつらと言い始めた。


簡潔にまとめると、座学、スキル育成、召喚術の座学、テイムモンスターを選ぶ、装備品の発注をする、らしい。

5〜8週間くらいかけてじっくりやるそうなので、今日はゆっくり休んでくれ、と言われた。


この世界に来ても勉強からは逃れられないらしい・・・。

勉強、苦手なんだけどな。

テスト赤点ギリギリだし。


ただし、会人が通っていた大学の赤点は70点である。

どんな教育だ、と物申したいところだが、良くも悪くも世間知らずなところがある会人は特に気にしていない。

ついでに、赤点70点なんて、会人が通っていた大学でもトップクラスの学生にしか課されない鬼畜メニューである。

本当に世間知らず。



イヴァの執務室を出て、メイドさんに案内されたのは、予想してたよりもだいぶ大きい大部屋だった。

高校の教室4つ分くらいある。

さらに、寝室がそれぞれ教室1個分くらいの大きさ。

安心して寝れる気がしない。


リビングらしい大部屋にはソファにテーブルが置いてあり、そのテーブルのそばには大量の料理と酒がワゴンに用意されている。

ちなみに、この世界の飲酒可能年齢は18歳らしく、メリーと俺は18歳なので全員お酒が飲めるということになる。


…まさか20行くまでに酒が飲める様になるとは……。


「とりあえず食べようぜ。会人は無理に会話しなくてもいい。YesかNoか分かればいいよ」


なんだこのイケメン。

めっちゃ申し訳ないけどめっちゃありがたい。


流れで氷空が取り分けてくれたので、その料理をいつも通りマスクを付けたままモゴモゴと食べる。


しばらく食べて、皿の上の料理がなくなり、自分で取ろうと正面を向いたら、二人がこちらをガン見していた。


え、何??怖い。

何が何だかわからないのでとりあえず首をかしげる。

すると、二人が恨めしげに俺の口元…というかマスクだな、それを睨み始めた。


え、何?怖い(本日2回目)。


「…お前、マスクとらねぇの?」


え、怖い。瞳孔開いてる。

とりあえず返事がわりにぶんぶんと首を振る。取らないよ。めんどくさい。


「…絶対とったらイケメンなのに」


あら、メリーさん?獲物を狩る獣の様な目をしてらっしゃいませんこと??

え、女子怖い………。


てか、二人とも酒飲んでるね!

酔ってますね!!

うわーやだ。

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