早すぎた再遭遇
切りのいいところで終わらせたら前回よりも短くなりました。
「日が傾いてきたな、少しでも金を手に入れなきゃヤバイな」
まだ太陽は出ているが人通りが減ってきている。なのに、ここまで何も進展はなくどこに泊まるかすら決まっていない。そもそも何をするにしても金が必要になるし、今日だけだとしても流石に宿無しはキツイ。と、いうわけで期待はできないけどカバンの中のものを売って一日をやり過ごすしかないので、急いで日が暮れて店が閉まる前に店と宿を探すことにした。
「最後に見た店まで戻るのはちょっと遠いんだけど仕方がないよなぁ」
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弱音を吐きながらも早足で店に向かっている途中、突然後ろから声が聞こえた。
「そこの者、少しよいか?」
どうやら、誰かを呼び止める声のようだ。普段から認知されてない俺は当然知らない人に声をかけられたこともほとんどないうえに知り合いもいないため、どうせ自分のことではないだろうと特に気にしないことにした。そんなことよりもこっちは一刻を争う状況なのだ。そう考えながら黙々と道を進んでいると再び声が聞こえてきた。
「無視するでない。わしが呼んでいるのは珍しい服装の早足で歩いているお主じゃ」
この場でその条件に合った存在は周りを見ても自分だけだと思いこれ以上は無視することはできないので立ち止まり振り返ることにした。そして、振り返った先にいたのはフードを被った背の小さい人がいた。一瞬分からなかったがすぐに少し前に路地裏で暴漢を連行していったあの人物だと気づいた。
「もしかして俺のことでしょうか」
「うむ、お主昼頃にわしが絡まれているところを隠れて目撃していたじゃろ」
バレテーラ、どうしようか・・・一回だけとぼけてみて、様子を見よう。
「昼頃って何かあったんですか?」
「とぼけても無駄じゃぞ、お主の気配は覚えておるからな。それに別に罰しようとはしておらぬからとぼけなくてもよいぞ」
「すいませんでした」
あっさりバレたのですぐさま謝った。落ち着いてもう一度観察してみるとフードから覗く顔立ちや声から女性であると気づいた。気配とか分かる人か~、隠れてみてた時も思ったけど絶対強い横の人。
「ところで声をかけたのは一体・・・」
「おお、そうじゃった。お主の気配を覚えたとは言ったが、その気配がわしにとってもかすかなもので歩き方も足音がほとんどなかったから気になったのじゃよ。それに服装もここら辺では見ないものじゃからの」
「はぁ」
「実はの、声をかける少し前からつけておったのじゃが持ち合わせがなく路頭に迷っているようじゃのう。そこでわしの家に来るというのはどうかの?」
「え~っとそれはあなたの家に泊めてくれるということでしょうか」
「うむ」
泊めてくれるのは助かるけど信じていいんだろうか。でも路地裏の光景しか見てないけど悪い人ではなさそうだからついていってみようかな。後、実力的に考えて目をつけられた時点で選択肢はないだろう。
「分かりました。その話を受け入れます」
「よし決まりじゃ。そうと決まれば早速行くぞ、ついてくるがよい」
こうして俺は一応宿を確保することができたのだった。