表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4話 気づかれない男

「くっくくく……」


 デパート西側、5階と6階の間にある階段の踊り場で一人の男が笑っていた。


 日曜の昼二時頃。

 家族連れを中心に多くの人がいきかっているが、誰一人として彼を見る者はなかった。


 男は、ゴーグル、夜戦服、タクティカルベストといった姿をしており、配色は黒で統一されていた。

 アサルトライフルやハンドガンも所持していて、一見すれば特殊部隊の隊員である。


 あきらかに場違いの異様な格好をしているのだが、皆、男の前を素通りしていく。

 一番興味を引きそうな男子児童でさえも。


 その異常さ、自分に気づかないでいる人々に、男は笑っていた。


 こんなにも堂々といしているのに……。


 立ったまま壁にもたれかかるようして腕を組んでいた男は、すっと体勢を直し歩き出した。


「さて、はじめるか……」


 これから始まるパーティーに期待を膨らませ、男は笑みを浮かべた。


 階段を上がり6階を見回す。


 子供服や玩具、書籍などを扱うフロアは老若男女を問わず、笑顔で溢れている。


 この光を、これから俺が潰す。


 おもむろに右手を上げると、男はグローブごしに指を鳴らした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ