百鬼 諦念此処に在らず
昔から一度決めたことは
最後までやらないと
気が済まない性格だった。
両親はそんな僕を見て
「偉い」とか
「うちの子は!」とか言う。
褒めてもらって
悪い気はしないというのも事実。
でもどうして褒められているかなんて
わからなかった。
そこで自分でも深く考えておけば
良かったんだろう。
結果だけを言ってしまえば
諦めることも時には大切だと言うことだろう。
今こうして素色のベッドに横たわり
舌触りすらも贅沢のない食事を
決まった時間に出される生活を送っている。
僕は何を諦めればよかったんだ。
そして今もこうして熟考し続けているあたり
本当に諦めが悪い。
流石に自らが滑稽だ。
であれば僕を苦しめているのは
癌や脳梗塞や疲労骨折ではなく、
気持ちの話なのだろう。
来世ではもっと腰を重くしよう。
諦鯰といこう。