転生しました。 孤児院での生活 ~魔法という存在と軍への徴兵~
オギャアオギャア
(なんだこれは……)
孤児院職員「いい子ですね~イーグ」
(はっ?…なんだこれは…)
俺は赤ん坊の姿になっていた。
(イーグ?…)
俺はそう呼ばれている。
どうやらこれが俺の名前らしい。
それから俺は何もすることがなかった。
動けず。しゃべることもできない。
ただミルクを飲ませれ寝るだけであった。
赤ん坊というのは実に不便だ…思うようにも動けない。暇である
時は流れ俺は三歳になった。
気になることと言えば時々やって来ては、
自分の前で手のひらから炎を出して見せびらかしてくる
スンという同じ年の女の子がいる。
その子を見てわかったのだがどうやら
この世界には、魔法があるらしい…。
スン「えへへすごいでしょ」ボッ
そう言って炎を手のひらから発生させる
「おっ、おーー……」
はじめのうちは驚いていたが何度もみていると
さすがに対応にもこまってしまう…
そうして数年がたち俺は12歳になった。
俺が過ごしているこの施設は孤児院であった。
おかしいとはおもっていた。
親らしきものをみなかったのはどうやら
そういった理由らしい。
まぁとにかくこの年になると、
軍から魔法力の調査が来る。
そこで、魔法適正のあるものは15を越えると
軍へ徴兵されるということだ。
調査官1「それでは、これより魔法力の
調査を始める。」
調査官2「職員は調査対象を整列させ
速やかに調査が完了するよう
つとめてくれたまえ」
毎年のようだが孤児院という環境により
あまりいい結果が出ないものが多い。
だが、誰も気にかけるものがいないと
思われてる孤児院の子は少しでも適正あり
と判定されると軍への徴兵が決定される
魔法力というのは全部で
S A+ A- B+ B- と大体五段階評価である。
だが魔法力がほとんどないものには、
CやDといった判定がたまに下される
大体一般人はB-やB+といったものが
ほとんどである。A-以上は極稀である。
調査官1「調査対象者番号121番対象者名スン」
スン 「はい。」
調査官2「これを頭につけなさい」
専用の機械を通すとその子の魔力が流れ
側にある計測器が反応をおこし
それで魔法力がわかるそうだ
調査官2「おっ…!」
「なんだ、これは魔力が
凄い勢いで上がっていく
A-いやA+はある…」
調査官1「本当ですか…」
まわりにいた孤児院の職員もざわつき始めている。
調査官2「将来的にはSの可能性も十分あり得
る。」
まさかスンの魔力がここまでだったとは
驚きだった。昔から俺にみせびらかひて
いたとはいえここまでとは…
ちなみに俺はどうだったかっていうと
B-だった人並みとはいえもう一声はほしかった
……
だがこれでスンの徴兵は確定だろう…
スンは複雑そうな、顔をしていた。
たしかに7歳にはむずかしいことだろう。
軍に入れるということは
この国でも名誉なことらしいが、
いざ戦争が始まれば死ぬ確率は
格段にあがるだろう
ましては魔法を使えるものとなれば
前線で酷使されるに決まっている…
スン「エヘヘすごいでしょ
私A+もあるんだよ…」
スンはひきった笑顔をしていた。
だが俺は何も言えなかった。
前世では、仲間を多く失い
守るべき者さえ守れず見殺しにしてしまった
せめてものつぐないで
何かこの子にいってあげられることは
ないのだろうか…
俺にできることが何かあるかもしれない
だが、俺はあいつに
声をかけてやることができなかった