表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム攻略者とゲームの世界  作者: Fis
序章 ゲーム開始と初めての仲間
8/293

8 次の依頼と初めての冒険

目が覚めた。目の前にはベッドが設置されており、俺はその横で横たわっている。


その状況を確認した俺は、心の中で溜息をつく。


・・・あぁ、夢じゃないんだな。


しかしここでこうして項垂れていても仕方がない。

俺はゆっくりと体を起こす。

硬い床で寝ていたせいか、身体のあちこちが痛い。

俺は立ち上がり、軽くストレッチをする。効果はないかもしれないが、やらないよりかは幾分気が楽だ。


俺が目覚めて数分後、ベッドの上で寝息を立てていたノアが目を覚ました。


「ん、おはよう。タクミ。」

彼女はこちらを見るなりそう、朝の挨拶を言ってくる。

朝、目が覚めたばかりで女性に挨拶をされるというシチュエーションには、心踊るところがあるな。

こうして見ると、ノアは結構、と言うかかなり美人なんだがな。

俺はそんなことを考えながらも、ノアに挨拶を返す。


「ああ、おはよう。よく眠れたみたいじゃないか。」

そんなつもりは無かったのだが、スッキリしている彼女の顔を見ると、自然と嫌味な言葉が出てしまった。


これでは性格が悪い人みたいだ。俺はそう思い、今後出来るだけないようにしようと心がける。


しかし、そんな俺の心中など、ノアには関係ないみたいで、

「よし、じゃあ、目も覚めたことだし早速冒険に行こうよ!!」


と、そう提案してくる。どうやら寝起きに強いタイプみたいだ。

俺もそのことに異論はない。

そうと決まれば早速準備に取り掛かる。と言っても、置いてある木の剣を装備するだけだが、、


「よし、じゃあ行こうか。」


「出発だね。」


俺たちは借りた鍵を返して冒険者ギルドに向かう。

道中、俺はノアに気になっていたことを聞いてみた。


「そう言えば、ノアは何でゴブリンなんかに追われていたんだ?冒険者だって言うならあれくらい1人で倒せるだろう?」


「いや、本当に油断してただけなんだよ。まさかあそこでMPが底をつくなんて思っていなくてね。」


成る程。そう言えばノアはその見た目からも分かるように魔法使いだ。

MPがきれてしまっては戦えないだろう。


通常は何があってもいいように魔法使いはMPを限界ギリギリまで温存するのだが、今までの彼女の行動から言ってそんな配慮はしていないだろう。



ノアが追われていた理由がわかった俺たちは、その後は他愛もない話をしながらギルドまで歩いた。


そして俺たちは依頼が貼られている掲示板を見ていた。

その内容は昨日見たものと変わっているような感じはない。

1つだけ挙げるとするならば、薬草採取の依頼が無いことくらいだ。1人の時はそれを見て慌てただろうが、今日はノアがいる。


彼女がいるなら、討伐系の依頼を受けてもいいかもしれない。


「ノア、どれか受けたいのはあるか?」

俺は彼女に希望はないかと聞いて見る。すると、


「んー?ボクは今日はゴブリン討伐に行きたいかな?昨日の借りが返したいんだ。」

そう言ってゴブリン討伐の依頼を指差した。

俺は依頼内容を確認する。


なになに?街の南門近くの平原にゴブリンが多数出没するとの情報が入った。直ちにこれを排除してもらいたい。

報酬は、、1匹につき200G


ふむ、悪くない内容だな。討伐数に規定がないということは危なくなったら無理せずに逃げればいいということだ。

それに、いくら倒してもいいということでもある。

それに報酬は1匹につき200Gだから、5匹倒せば宿代は確保できる。


「分かった。じゃあ今日はそれを受けることにしよう。」

俺はそう言って依頼書を掲示板から剥がし、受付まで持っていき、受注する。

その際に倒した数はどうやって証明するのか聞いてみた。

オーソドックスなのは魔物の規定の部位を持っていくことだが、この世界の魔物は倒すと魔石を残して灰になるのは昨日確認した通りだ。


魔石は何かの素材になるだろうから、提出などはしたくない。

そう思ってのことだったが、どうやらその心配は杞憂だったみたいだ。


聞いたところによると、倒した魔物の履歴を見るアイテムがギルドにはあるらしいので、報告時にそれを使ってくれとのこと。


随分と不思議なものもあるんだな。

俺はそれだけを聞き、少し離れたところで待っていたノアに声をかける。


「よし、じゃあ冒険に行くぞ。」


「うん!初めてのパーティでの冒険、ボク楽しみだよ。」


俺たちはギルドを出て、街の東に向かって歩き出した。

思えば、昨日はチュートリアルのような1日だったな。


俺の、俺たちの冒険はここから始まるのだ。そう思うと少し高揚感がある。

ノアほどでは無いが、俺も少しはしゃぎながら、初めての冒険に向けて歩を進めた。


どんなに状況が悪くても、俺はゲーマーであり、ここは俺のホーム。

楽しむべきゲームの世界なのだな。


俺はこの世界に来てから、初めて明るい気持ちになったことでそのことに気づいた。


そして思う。


ーーーーーーだったら、とことん楽しんで、最後には攻略してやるーーーーーー



これで序章は終了となります。

まだまだ続きますので、よろしくお願いします。


あと、ブックマークやポイント評価をして下さると、作者のモチベーション的に大変助かります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ