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ゲーム攻略者とゲームの世界  作者: Fis
序章 ゲーム開始と初めての仲間
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5 薬草採取と追われている女性

街の外に出た俺はまずは一本の草を注視する。

するといつものようにウィンドウが現れる。


名前 雑草

効果 食べればおなかが少しだけ膨れる?かも

説明 どこにでもある草


「ま、いきなり当たりなんて出るわけねえよな。」

当たり前の結果にため息をつきながらも、俺は歩き始める。


確か、ギルドの受付嬢が地図で示した場所はもう少し先にあったはずだ。

そこまでは気楽に歩いていることにしよう。太陽の位置を確認すると、まだ太陽は登り切っていない。

ということは今は午前だということだ。

それならば、多少ゆっくりしていても問題ないだろう。


俺はこれからどうするかを考えながら、薬草を探しに行くのだった。






「ふむ、ここが薬草が生えているという場所だな。」

俺がそう呟きながら地面を注視する。そこであらわれるのはいつものウィンドウだ。


名前 薬草

効果 小さな傷をいやす。

説明 切り傷程度しかいやせないが、値段もそこそこ安く庶民に親しまれている。


お、これか。見た目は雑草とほとんど変わらないんだな。

俺はそこら中に生えている薬草を片っ端から抜こうと考えて、やめる。

ここで大量に抜いて生態系が崩れると今後何か問題があるかもしれないと考えたからだ。


基本的にゲームではそんなことは起こらないが、可能性が全くないということではない。

このゲームは半ば現実に足を突っ込んでしまっている。

ここで生態系を破壊してしまったら、今後薬草採取の依頼ができなくなってしまう。


俺は薬草を少しだけ採取して帰ることにした。

依頼では薬草を十束持ってこいと書かれていたので、その分とあとは何かのために使うかもしれないと、自分用に十束それだけだ。

これはその場にある薬草の1%にも満たない量なので、問題はないだろう。


というか、薬草依頼の依頼2回分の量で生態系が壊れたら、それはそれで驚きだ。


俺は必要数をとったことを確認して、その場を後にする。

街を出た時は午前中だったが、太陽を見る限り今は午後、大体3時くらいか?

今から帰れば暗くなる前に戻ることができるだろうな。

俺はそのことに少し安心しながら、街に向かって歩き出した。




街まであと4分の1まで歩いたところか?急に何かがこちらに向かってくる気配がある。

というか、こっちに向かってくる声が聞こえる。


「ぁぁぁぁぁあああああああああああ!!もうこっちくんなよおおお!!」


お前がこっちにくんなよ!!


俺はそう思いながら声のほうを向いた。

その方向には一人の女性とゴブリン二体が追いかけっこしていた。

そして追いかけられている女性がこちらに気づいたのだろう。必死の形相で俺のほうを向いて助けを求めてくる。


「あ!!そこの人、ちょっとこいつら何とかしてくれない!?」


俺を見てどうしてそんなことを言えるのだろうか?

どうやら相当焦っているみたいだな。俺のこともよく目に入っていないらしい。

見た目は布の服を着て木の剣を持っている近所の餓鬼状態なんだが・・・


そんなことを考えているとどんどんそいつらはこちらに近づいてくる。

いや、実際は俺に向かって走っているのは女性のほうだけで、ゴブリンたちはそれを追っているだけなのだろけど。


さて、どうするかな。

そもそも、掲示板を見ていた時、俺が受けられそうな依頼は薬草採取のほかにもいろいろあった。

しかしその大半があそこにいるようなゴブリンを倒してこいだの、ウルフを倒してこいだの言う内容のものばかりだったのだ。

その中で俺が薬草採取の依頼を受けたのはちゃんとした理由がある。


ぶっちゃけ、戦闘をしたくなかったのだ。


戦闘をしなくていいならそれに越したことはない。俺が防具の値段を薬草採取換算で計算していたのも、それが理由だ。

たとえ相手がゴブリンであったとしても、万全の態勢で挑みたい。そう思っていたのだ。


そして俺は目の前まで迫っているいるゴブリンたちを見て考える。

ちなみに、女性のほうはもうすでに俺を盾にしている。そして、


「ほら、早くなんとかして!!」


とかなんとか言っている。

ゴブリンたちは俺を少しだけ警戒しているのか、こちらをじろじろ確認するように見ている。

そして俺の存在を問題ないと判断したのだろう。


少しずつ、じりじりと距離を詰めてくる。


先ほどまで自分を追いかけてきたゴブリンが近づいてくるのが怖かったのだろう。

俺を盾にしていた女性は俺の背中を少しだけ前に押したと思うと、


「ここはあんたに任せて先に行くね!!」


といって街のほうに向かって走って行ってしまった。


おぉい!?何してんのあんた!?


勝手に赤の他人に死亡フラグをおったてるとは、とんでもないやつだ。

いや、たぶん自分で言ったわけではないから、ノーカンだよね?


俺はそう思いながらも、ゴブリンから目を離さない。

下手に目をそらすと一瞬でグサリとか笑えないからだ。


そして逃げる女性をを見たゴブリンの片方がそれを追いかけるように走り始める。


うん、まぁ、一応は任されたから何とかするけどさあ。


俺は俺の横を通り抜けて走って逃げている女性を追いかけようとするゴブリンの横っ腹を強く殴打した。


「ギャア!?」


ゴブリンはその一撃をもろに食らったからか悲鳴を上げてうずくまる。

そして仲間を攻撃されたもう一体が俺のほうに向かって全力ダッシュしてくる。しかし、ゴブリンは手足が短いためかその速度はさほどではない。


俺はゴブリンに向けて剣を構え直し、落ち着いてその頭に向けて剣を振り下ろした。


先ほども言ったが、ゴブリンは手足が短い。

それはリーチの短さを意味する。ちなみに、今対峙しているゴブリンが持っているのはさび付いた剣だ。


あれなら当たっても1、2発くらいなら耐えられるだろう。


俺の先制攻撃はむなしく空を切り裂く。

さすがに、正面からの大振りの一撃は回避されてしまったみたいだ。

しかし、そこで安心したゴブリンの体は次の瞬間に吹き飛ばされていた。

俺の振った剣が回避した瞬間に跳ね上がったからだ。


完璧に油断したときの一撃、それを受けたゴブリンは一体目同様にその場にうずくまる。


この状態なら、抵抗はできないだろう。


俺は先に攻撃を加えて、そろそろ復活しそうなゴブリンの頭を木の剣で大きくぶったたく。


脳を大きく揺さぶられたゴブリンはその場に倒れ伏す。

そして、それを確認した俺はそのまま今なおうずくまっている二体目の頭も同様にたたく。


全く抵抗を見せない相手を叩くというのは心がいた――――――まないな別に、さっきまで人を襲っていたんだし。

そう思いながら倒れたゴブリンを見ていると、その体は灰になった。その中には一つの宝石のようなものが落ちている。

俺はそれを拾い上げ、もはや慣れ始めたアイテム詳細ウィンドウを開く。


名前 ゴブリンの魔石

効果 特になし

説明 これだけでは使うことのできないただの綺麗な石である。


なるほど、つまりこれは組み合わせて使うタイプか。

おそらく、魔道具やら装備品やらの材料になるんだろうな。

俺は先に倒したほうのゴブリンにも目を向ける。そこでは、灰が散らばっていた。


少し時間がたったためか、大半が風に飛ばされてしまっているな。


そんなことを思いながらその場所に向かう。そこにはちゃんと魔石が落ちていた。

そして俺はそれを拾い上げる。他に入れる場所もないため、俺はそれを腰につけている薬草が入っている袋(ゲーム開始時からついていた)に入れる。


薬草はそこそことったし魔石もそこそこ大きめの石だ。

もう俺の袋はパンパンだ。

まぁ、そもそも小さな袋っていうのもあるのだけれど・・・


そして魔石を回収し終えた俺は先ほど俺をおとりにしようとした女性に文句を言ってやろうと思い、少しだけ小走り気味に街に向かうのであった。


違和感があったのでアイテム詳細を開いた時の能力の項目を効果に変更しました。

内容に変化はありません。


ブックマークしてくださった方、ありがとうございます!!これからも頑張りますのでついてきてくださると助かります。

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