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ゲーム攻略者とゲームの世界  作者: Fis
第2章 不安な悪魔と曲がらない考え
31/293

31 新しいクラスとオーク再び


「さて、じゃあ早速あれをやるか。」

「あれ?あれって何?」

「あれだね。ボクも楽しみにしてたんだ。」


ギルドの机を三人で囲む俺たちは、そんなことを言い合っている。


あれ、というのは言うまでもない。クラスチェンジだ。俺はステータスウィンドウを開く。


名前 天川 匠

クラス  戦士

レベル      30(クラスチェンジ可能)

HP      1024/1024

MP      40/40

力      112

魔力      35

体力     100

物理防御力  108

魔法防御力   41

敏捷      55

スキルポイント  0

状態      正常


そう、リアーゼとの戦闘中、ずっと気になっていたレベルの隣にある文字だ。

レベルが一定数を超えたからだろう。クラスチェンジが可能と書いてある。


あ、ちなみにスキルポイントがなくなっているのは、ノアに木の剣を補充してもらっている間に筋力強化(並)と光属性付与をとったからだ。

力が少し上がっているのはそのおかげだ。


「そういえば、クラスチェンジってどうやってやればいいんだ?」

なんやかんやで結構知識を蓄えているノアに聞いてみる。


「うん?確かクラスチェンジします!!っていう意思をもって触ってみればいいっていう話だよ?どのクラスになるかは人によるらしいけどね。」


「へえ~、転職先は選べないんだな。それはまた不便そうな・・・」


「そういう仕様だからね。仕方ないね。」

何やら、メタい言葉が飛び交ったような気がするが、気のせいだろう。


「じゃあ、いっくよー!!」

ノアがステータスウィンドウを開き、レベルの項目に触れる。その瞬間、彼女のステータスウィンドウが光を放った。

「わ、まぶしい・・・」

間近でそれを直視していたノアが、とっさに目をそらす。



そして数秒後―――光が収まる。

そこに表示されていたのは、



名前  エイリノア


クラス 召喚士


レベル  1

HP  528/528

MP 1412/1412

力       33

魔力     132

体力      46

物理防御力   51

魔法防御力  133

敏捷      44

スキルポイント  8

状態      正常


そこには新しくなったノアのステータスがあった。

魔法使いだったはずのクラスは、召喚士となっており、レベルは1に戻っている。


「わ!!召喚士だって!!」

彼女は飛び跳ねながら喜んでいる。本当にうれしいのだろう。俺やリアーゼに自慢してくる。


「じゃあ、次は俺の番だな。」

俺もゆっくりと手を伸ばす。どこに触れても構わないらしいが、俺もノアにならってレベルの項目を触ることにする。


それは先ほど同様に、光を放つ。

それを知っていた俺は、慌てず光が収まるまで目を背ける。



光はすぐに収まった。


そしてそこに映し出されるのは、新しくなった俺のステータス。

俺はゆっくりとそれを確認する。



名前 天川 匠


クラス  魔闘士


レベル      1

HP     1311/1311

MP     155/155

力      112

魔力      60

体力     106

物理防御力  122

魔法防御力   72

敏捷      88

スキルポイント  5

状態      正常


ほう、魔闘士とな・・・・


「なあ、ノア、魔闘士ってどんなクラスかわかるか?」

見当はつくが、一応聞いておく。

俺の予想が間違っていたら後で何か問題が発生するかもしれないからな。


「タクミは魔闘士なんだね。確か武器や体に魔力を纏って戦うクラスだよ!!」

なるほど、大体俺の読み通りだな。


俺のステータスは戦士だったころと比べて、かなり上昇していた。成長しにくかった魔力やMPが一気に上昇しているのだ。

それなのに元々高かったステータスはそのまま、体力に至っては少しだが伸びている。

スキルポイントも少しだけ補充されているのがわかる。


クラスチェンジによる恩恵は、かなりのものになったみたいだ。


「そうか・・・早速色々試してみたいんだけど、二人は今日行きたいところとかあるか?」

俺は浮ついた気分で、そう聞いた。













街の南門を抜けてしばらく歩き続けた場所に、そいつはいた。

今日はいつもみたいな大群ではなく、たったの4体しか見えない。


「さて、今日の目標はあれだな。」

遠くに見えるその魔物を見ながら、俺はそう口にする。

その視線の先には、いつぞや見た巨体が見える。そう、オークだ。


「そうだねー、あれからどれだけ強くなったかいい指標になると思うよ!!」

ノアがそう言葉を返してくる。

「あれと、戦うんですね?私、頑張ります!!」

その後ろからは、大きなカバンを背負ったリアーゼの姿。


みんな色々新しくなったから張り切っているのだろう。遠くに見える醜悪な顔をした魔物を目にしても、一歩も引く気はない。


「まずは俺から行かせてもらうぞ。」

俺はそいつめがけて、走り始める。


「あ!!ずるいよタクミ!!最初はボクがやるって言ったじゃない!!」


・・・そんなこと言われた覚えはない。俺は引き留めようとするノアの声を無視して、そのままオークに向かって走っていく。


「グッ?ブモモ!!」

走ってくる俺に気づいたみたいだ。


オークたちは、すぐさま戦闘態勢をとる。だが、俺はそれにかまわず進む。

そして新しく習得したスキルを発動させた。


俺の剣が、光を帯びる。


その剣は相変わらずの資金不足によって木の剣だったが、光を帯びたその剣は、非常に心強く見えてきた。

新しいスキルの名前は《純闘気》といい、纏っている部位を強化してくれるらしい。もちろん、武器二も適応可能だ。


俺は勢いのまま、オークに斬りかかる。


「ブモ!?っっ!!」

俺の剣は、その皮膚を大きく切り裂いた。

オークの体は大きく、その一撃で致命傷になることはなかったが、《斬鉄》を使っていないことを考えると、かなりの効果を得たことになるだろう。


俺はそれだけを確認して、大きく後ろに飛びのいた。


一度は負けかけた敵だ。油断はしない。


俺が離脱した直後、後方からひとつの火の玉がオークに向かっていった。

あれがノアが新しく手に入れたスキルか?


実はお互い何を習得したか教えていない為、何ができるのかいまいち把握していない。


ノアの放った火の玉は、まるで自分の意志があるかのように宙を漂い、いずれオーク集団の中で爆発した。

「ブモオオオオオオオオオオ!!?」

それを受けたオークたちが悲鳴を上げる。そのうちの一体、俺が最初に傷をつけた奴に至っては、絶命してその身を灰に変える。


――――――ああ、あれは多分ウィルオウィスプだな。


人魂とか呼ばれている奴だ。下級悪魔だという話もあったから、召喚士が召喚できても不思議ではないだろう。


俺はその火の玉の正体を、そう結論付ける。


「わー、ノアおねえちゃんすごい!!」

リアーゼの声が聞こえる。初めて会った時とは違い、ずいぶんと砕けた口調だ。

「うん!!おねえちゃんはすごいでしょ!!もっと褒めてくれていいんだよ!!」


「すっごーい!!」


・・・・まだオークを倒しきっていないんだが、いや、むしろまだ動けるオークのほうが多いのだが、二人は手放しで喜んでいる。


というか・・・あの二人はいつの間にあんなに仲良くなったのだろう。



流石にあれに水を差すようなことは、俺にはできないな。


俺は残りのオークを処理するべく、1人さみしく奮闘するのだった。

作者のくせにキャラの名前を間違って覚えるというミス・・・修正しておきました。

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