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285 補充と安息


「まずは服を揃えるところだな。」


「あ!!じゃあボクあの服を着て見たい!!」

金が入ったため今必要なものを揃えるために俺たちは1日買い物をして回った。

まず始めに向かったのは服屋だ。

昨日の戦いでボロボロになった服はすぐにでもどうにかしなければいけなかった。

リアーゼがいないから呼びのものに着替えることもできないしな。


そこでノアが購入したのは神国にはいってみるようになった和服だった。

店内で少し悩んだ末、彼女は明色の着物を購入した。

ただそれだけでは動きづらいだろうと思った俺はノアように普通の洋服もいくつか購入しておいた。


ちなみに、エンドルシアもノアに触発されたのか着物を買っていた。


そして2人揃って言うのだ。


「タクミ!着方がわからないから着させて!!」


「タクミ、着させて。」


・・・まぁ、こうなることは予想ができていたよ?

だってつまるところこいつらは日本に観光に来た外国人状態だろ?着物の着方なんてわかるはずねえよな。

と言うか俺もそんなに自信がないんだけど。


仕方ないから俺たちは服屋の店員さんに教わりながらノアたちを着替えさせた。

うろ覚えだった部分はここで確認できたから次からは俺1人でもできるぜ!!




そして次に向かったのは防具屋だ。

ノアとエンドルシアの衣服は服屋で購入したからいいのだが、俺のは防具屋で買うことにしている。

というのも、2人が購入したみたいな「服」というアイテムは基本的に『布の服』として扱われてほとんど防御力がないのだ。

2人はそれでいいのかもしれないが、できれば俺は防御力が欲しい。


ということで防具屋だ。


「えーっと、動きやすくて普段使いに使える防具はーーーーーこれが一番いいかな?」

俺が見つけたのは見た目は普通の服だが性能は申し分ないものだった。



名前 究明者の服

効果 物理防御力+15 魔法防御力+25

説明 ある研究者が実験中に好んで着ていた服を模したもの。

値段 30、000G


値段も安いし効果も高い。

これを4枚に加えて俺は軽鎧を1つ購入した。鎧の方はいらないような気もしたが、こういうのは気分だ。

鎧は動きを阻害しない最低限であるし、俺の身を守ることに貢献してくれるだろう。


俺は昨日の戦いでボロボロになってしまった服を脱いでその場で『究明者の服』に着替えた。

思えば、『探検家の服』はずいぶん長い間お世話になっていたな。

今脱いだ服が始めに買った物か?と問われると否なのだが、どうしても愛着と利便性の関係からやめられなかった。


だが、完全上位互換である『究明者の服』が手に入ってしまってここで『探検家の服』はお別れだ。今までありがとう『探検家の服』!正直言って普段着としてしか見てなくて防具としてはそこまでいいものではなかったけど、君のことは忘れないよ。


まぁ、ぶっちゃけて言えばこの『究明者の服』も普段着としてしか見ていないし、なんとなくで買った『ライトアーマー』もファッションとしてしか見ていないけど。


だってそうだろう?

俺の物理防御は500をゆうに超えている。別に防御がなくても結構硬いのだ。

でも10や20でもないよりは断然いいからつけるけど。





防具屋の次は消耗品の補充だ。

回復アイテムなんかが底をついているからな。


「えっと、これは絶対いるっていうのは回復薬と魔力回復薬だろ?・・・他に何かあったっけ?」


「え〜っと、、聖水?」


「そんなものより解毒薬とか、持ってたほうがいい。」


「念人は念を、か。ノア、エンドルシア、これはお前らが持っておいてくれ。」


「ん?タクミの分はいいの?」


「俺には状態異常が効かないからな。」


「あー、そうだったね。」


薬屋では3人で意見を出し合いながら買い物をした。

正直、体力と魔力を回復させるアイテムがあればと思っていたがラインナップを見ている限りいろんな商品置いているんだな。


中には回復アイテムではなく攻撃アイテムである『毒薬』なんてものもあった。

リアーゼがいつも毒物をどこから調達しているのか少し疑問だったが、普通に売っているんだなと思った。




そうして最低限必要なアイテムを揃えて回っているといつのまにか昼になっていた。


「おひるだね!」


「昼食だな。」


「昼食。」

昼食はどこがいいとかはわからないからとりあえずノアに選ばせてみた。

彼女はお腹が空いていたのだろう。

一番近くにあった店にまっすぐ向かった。


「いらっしゃい!」

店に入ると元気な声が響いた。

昼時とあって少し騒がしい店内でもその声ははっきりと通りよく聞き取れた。


「3人だけど、席空いているかな?」


「はい、問題ありません!こちらへどうぞ!!」

そう言ってキビキビと店員である青年が俺たちを席に案内する。

店の構造は真ん中に大きく料理スペースを取り、客はその周りを囲うように作られたカウンタースペースに座すスタイルだった。

俺たちは空いている3つの席に座らされる。


俺が真ん中で両脇にノアとエンドルシアが座る形になる。


「それで?ご注文はどうなさいますか?」


「えっと、、、、、タクミ、どんなのがあるの?」

俺に聞くなよ目の前に俺より詳しい奴がいるだろうが。そう思いはしたが口にはしなかった。


「そうだな。えっと、何かオススメってあります?」


「あ、そういえばお客様は初めてですね。この店では新鮮な魚を使った料理がうりでして、、、えっと今日でしたらーーーーー鯛めし定食とかどうですか?」


「おっ、鯛めしあんのか。じゃあそれでお願いします。お前たちはどうする?」


「ボクもタクミとおんなじので!!」


「私も。」


「かしこまりました。すぐにご用意しますね。」

そうして店員は去っていったーーーーといっても、中央の料理人に伝えに行っただけだから目の前にいるけど。

それにしても、やっぱこの世界、食文化は進んでいるなー







「はー!お腹いっぱいだよ!」

「そうだなー。」


昼食を終えて店を出た。

鯛めし定食は一食300Gとかなりお手軽な値段だった。

それでいてボリュームも申し分なし。なかなかに客が入っていた理由がよくわかる内容だったな。


「さて、買い物も午前で終わった。腹ごしらえも終わったことだし・・・」

これで今日やるべきことはあと1つになったな。


「ことだし?」

ノアはこれから何をするべきかいまいちよくわかっていないみたいだ。

だから俺は自信満々にこれからの予定を発表した。

「温泉にでも行こうか。さっき買い物している途中に見つけたんだ。」

冒険者ギルドから服屋に行く途中で見つけたんだ。それを見つけた時、ちょっとウキウキしてしまった。

そして心の中で決めていたのだ。今日やることが全部終わったら温泉行こうって。


この完璧な提案は2人も納得のものになるはずだ。

「「温泉?」」


しかし2人の反応は思っていたほど良くはない。

あれ?


「どうした?街の端っこの方に1つあるのを確認したんだ。みんなで行こうぜ!!」

どうせ今から暇だろ俺たち。なら昨日の汚れも残っていることだしそれを洗い流しに行くのもいいと思うんだ。

昼なら人もそこまでいないだろうしな。

「タクミ、、、温泉って何?」


あ、知らなかったのね。orz


ともあれ今日最後の予定は温泉に行くことだから!お前らが何を言おうがこれは決定事項。

なぜならお湯は日本人の魂だから!!


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