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ゲーム攻略者とゲームの世界  作者: Fis
第6章 偽の正義と熾烈な戦い
250/293

250 世界の作り方


【エンドルシア視点】


結局今は何が起こっているの?

ふと心の中に湧いて出た疑問を払拭するべく私は状況を整理する。


まず、初めは謎な終戦式をやるところからだった。

それでえっと、、、そうだ。唯一王国側で勝利した人たちのリーダーが呼ばれたんだった。


それで確か、そこからおかしくて。


王国の王様?が長めの箱から剣を取り出してそれをその人に向かって振り下ろしたんだった。

その人はとっさに防御することでなんとか首だけは守っていたけど、深手を負っていたように見える。


だけど今は仲間に治療されてなんとか戦っているみたいだ。

そしてそのあとは、王国のーーーーえっと私が戦った人がその人に問答を行なって、そしてその流れで王様?の体が落ちて骨骨になっちゃったんだよね。


えっと確かーーーー禁忌の魔王?とか言ってた。

そして同時に帝国の女王も自分を禁忌の魔女王と名乗ったんだよね。


「やっぱり・・・あなた達はグル?人族の王に成り代わっていた?」

私は獣王の攻撃を捌きながら問いかける。

獣王ーーーーではないんだろうなと思いながら。


「・・・・」


しかし答えは帰ってこなかった。

目の前の獅子面は黙々とその剛腕を振り回すだけだ。

それにしても、王様に成り代わっていた連中はそこそこ強い?


「この感じ、、、昔倒した魔王に似ている?なんて名前だっけ?えっと、、、?」

確かこれと同じくらいの魔王が以前どこかで召喚されて、それを私が討伐したことがあったはずだ。


その時の魔王は定期的に出てくるようなよわっちい魔王じゃなくって、魔王って言ってもいいくらいには強かったことを思い出した。

私の目の前にいるのは、ちょうどのそんくらいの強さだ。


私は独り言のつもりでつぶやいていたんだけど、それに反応するかのように攻撃が激しくなった。


「・・・もしかして、お仲間だった?」

獣は答えない。

まぁ、それならそれでいいや。


答えないなら、教えてくれないなら放っておけばいい。知らなくても困らないことは世界にはいっぱいなのだ。


「とりあえず、パパッと倒して他のところに行ったほうがいいよね?」

そうと決まればゆっくりしている理由もない。私は世界を作ることを考え、その設定をどうしようか考える。


う〜ん、『無力の世界』は仲間も動けなくなるしやめたほうがいいかな?

なら『魔を払う世界』?


あ、人間側に何か魔の気配があるし、これもやめたほうがいいかも。


それなら、『獣が忌み嫌われる世界』かな?


色々な意見が出るけど、まずは私の前の障害を排除するべきと思った。

自分の身を守れないものは、人の身を守る資格はないのだ。

そうと決まれば私は世界を作る。


「いざ『獣の生が認められない世界』へ。」

私を中心に元のものとは全く違う法則が働く世界が作り出される。

それと同時に、目の前の獣が体を爛れさせ始めた。


『獣が忌み嫌われる世界』その力は四足獣やそれに由来した物が生きられない世界。

もしこの世界に入ってくる獣がいれば、それは例外なく世界に殺されるのだ。


「、、、ぐぅ、、、第二段階、終了。我は離脱する。」

目の前の獣は苦しみながらも服の中に手を入れて1つの水晶を取り出した。


「それは『世界を駆ける水晶アクセスクリスタル』?随分と珍しいものを持っている。・・・逃げる気?」


「ああ、今回の我の仕事はここまでだ。正直貴様はこの手で殺してやりたいほどだが、そう思っているのはあいつらも同じ。少々癪だが今回は譲ってやるとするよ。」

獣はその身を破壊されながらも手の内の水晶を砕く。

すると直後、私の目の前からその姿を消し去っていた。


チッ、逃げられたか。

世界を駆ける水晶アクセスクリスタル』を持っているのは想定外だった。

あれは通常の手段では手に入らない・・・というか入手方法がわかっていない伝説級のアイテムだ。


人類の歴史の中でもたった2つしか確認されていない代物だったはずだ。

その能力は単純に一度だけ転移を行うというもの。


少々価値に見合わない効果に思えるが、誰でも使えるという点と使用時に条件や危険がないというアイテムでもある。



はぁ、失敗した。


私は作り上げた世界を消し去りながら、そう考えた。

敵に逃げられたのはどうでもよかったのだが、これでは『世界』の無駄打ちだ。

この力は他のものに比べて協力ではあるが、絶対ではない。


一応ながら弱点もある。


もし仮に、『魔術師』の能力が無限に作り出す手数の力だとしたら、『世界』の能力はその対極、たった一度で全てを終わらせるほどの力。


当然、燃費がかなり悪い。


まだ1つ、好きな世界を作り出す程度の力はあるけど、2つは無理だろう。

一応魔力回復役は持っているが、その回復もすぐにというわけではなく所詮自動回復のお手伝い。


そう考えるとこれから先は少し慎重に行動しないといけないかも。


「はぁ、、とりあえず悪魔とその子供がやっている危ない戦場の手助けをやったほうがいいかな」

本丸はすぐに落とす必要はない。

白い方の魔王は『正義』『運命』『愚者』の3人組が相手している。


彼らならすぐにやられることはないだろう。勝利もできるはずだ。


骨の方の魔王は一応ではあるが王国の人が足止めしている。

放っておけば十中八九負けるだろうけど、それまでに他の戦場を全て倒しきれば大丈夫のはず。


それに、そっちはここから少しだけ遠い。

そういえば、どこの客席からでも同じくらい近くで見られるようにと、闘技場を広々と使って式をやるって言ってたっけ?


あれは今思えば・・・・あらかじめ分断されていたのかな?

わからない。わからないならそれでいい。



とりあえずやることは決まっているのだ。

私は悪魔を追いかけた。


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