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ゲーム攻略者とゲームの世界  作者: Fis
序章 ゲーム開始と初めての仲間
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2 職業選択

ゲームの中の世界、それは空想上の物語の中で嫌という程見てきた設定でもある。


本来、ゲームは電子データであり、ゲームの中の世界なんて物は存在しない。


筈なのだが、


「現実は小説より奇なり、とはよく言ったものだよ…」


「はい?何かおっしゃいましたか?」


「いや、何でもありません。続けてください。」


「はい。では、そうさせていただきますね。」


はあ、どうしてこうなった。

俺は何度目か分からないため息をつき、現実から目を背けるように、目の前の女性の言葉に耳を傾ける。


普通ならこの訳のわからない状況に飛ばされれば、困惑したかも知れないが、匠にその様子はない。


やっぱり、説明書を読む心がけは必要だよな。

匠は女性の話を聞きながら、そう考える。


説明書によると、物語は主人公であるプレイヤーが、冒険者になるところから始まるらしい。


そして今はクラスについての説明をしている最中だ。


それぞれのクラスについてザックリとした説明がなされている。

本当、ザックリしすぎて情報が殆ど入ってこない。

例えば、戦士のクラスの説明なら


「戦士のクラスはみんなの前で戦います。」


これだけだ。

よくこの程度の内容を自信満々に説明出来るものだな。

そう思いながら説明を聞く。


どんなに価値が低くても、一応は知らない世界の情報だ。

いつ、何時に必要になるか分からない。


よくゲームをやっている時に、会話を決定ボタン連打で読み飛ばす人が居るのだが、俺はあれを良しとしない。

初見でやるゲームなら尚更だ。


と、ここでクラスの説明が終わったようだ。


「これで初級職の説明が全て終了しました。と言っても、分からない事が多いと思いますので、詳しいことはこれをお読みください。」


目の前の女性(いや、状況から察するに受付嬢だな )が、俺に1つの冊子を手渡した。


個人的にはそう言うのは先に渡して欲しいところだが、まあ、誤差の範囲だろうな。


そう思いつつも俺はその冊子を開く。

そしてその様子を見た受付嬢が、


「では、どのクラスに就くかがお決まりになられましたら私にお申し付けください。」


と言って手元にあった書類を片付け始める。

これなら遠慮せずに熟読出来そうだ。


俺は1ページ目から順に読み進める。


まず初めは戦士だ。先程の説明では前衛職いう事しか分からなかったが、実際はどうなのだろう。


戦士


武器攻撃職の1つ。

体力 物理防御力に大きく補正が掛かる。

その反面、魔力 魔法防御力にマイナス補正が掛かる。


ふむ、一般的な戦士だな。

というか、この本の内容凄くメタいな。

いや、こういう説明に慣れてるから助かるんだけどさあ、、


気を取り直して次だ次、



魔法使い


魔法によって相手を攻撃するクラス。

魔力 魔法防御力に大きな補正が掛かる。

その反面、体力に大きなマイナス補正が掛かる。



うん、魔法使いだな。

特にこれといっていう事もないだろう。

気になる点があるとするならば、マイナス補正が大きいということくらいか?



ローグ


武器攻撃職の1つ。

物理攻撃力と敏捷に大きな補正が掛かる。

物理防御力にマイナス補正が掛かる。



ローグ、ってことは盗賊だな。同じ武器攻撃職でも、戦士より少し攻撃に比重を置いているみたいだ。

マイナス補正が掛かる能力値は物理防御だけだが、近接攻撃をするであろうクラスの為、悩みどころではあるな。


えっと、次が最後か?思ったより少なかったな。

そう思い俺は次のページに目を落とした。


ノービス


補正が一切かからないクラス。

魔法も使えるが、本職のそれには劣る。



これはよくある初期職か?ノービスと言われて思い浮かべるのは、ゲームで自分の職業を決める前のなんの能力もない状態だった。

補正がかからないという事は得手不得手がないということか。


それに加えて魔法が使えるときたか。

これだけ見ると、優良物件のように見えてしまうな。


俺はそこまで思考した後に、手元の冊子を閉じて、先程の受付嬢に話しかけた。


するとこちらに気がついた受付嬢が返事をしてくる。


「お決まりになられたようですね。では、何になるかを教えてくれますか?」


何になるか何て、この状況では殆ど決まっているようなものだろうな。


「ああ、俺が選んだクラスは・・・」

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