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ゲーム攻略者とゲームの世界  作者: Fis
第4章   魔王の願いと蠱毒の少女
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138 お返し相談と計画


「色々考えたのですが、タクミ様にはやはりこれだと思いまして。」

シュラウドはそれを受け取った俺の反応を見て満足した様子を見せる。俺は今回は説明を聞くより早くアイテム詳細ウィンドウを開いてその剣の詳細を見る。


前回ヴィクレアが購入したものとは見た目が違う。

あれは刀身が鈍色だったが今回俺が受け取ったものは真っ黒、中二心をくすぐられる色だ。

それは窓から入ってくる光を反射してうっすらと光っているように見える。


名前 黒牙の剣

効果 武器攻撃力+29 防御力無視20%

説明 何物をも破壊する竜の素材を使った剣。


ぱっと見のステータスは前回の竜爪の剣には劣っているがこっちは特殊能力付きか。

その特殊能力もとがったものとかじゃなくて汎用性に富んだもの、使いやすそうである。


「おお、ありがとうシュラウド。すごく嬉しい、大切に使わせてもらうよ。」

以前俺がドラゴンの素材を使った武器を使いたがっていたのを覚えていてくれたんだな。

正直自分でも忘れていたことだけど、それ故に数割増しで嬉しいような気がする。


「はい、よろしくお願いします。」


「それにしてもこうやって贈り物をするのなら別に俺が返ってきた後に宿で渡すとかでもよかったのじゃないか?」

何も強制召喚まで使用してやるようなことなんだろうか?

その分嬉しいのはあるが少しわからない。


「いや、ボクもそう言ったんだけどね。リリスが・・・」

リリスがどうしたというのだろうか?


「仕方ないじゃない。知っていると思うけど血液って放置すると黒くなって見栄えが悪いのよ。」

想像以上にどうでもいい理由だった。

いや、どうでもよくはないけどそれ以上に思うのがあのリリスの血液ってさっき抜いたものだったのか。


うーん、・・・思うところは歩けどそれはいいか。


「とりあえず、みんなありがとな。大事にするよ。」


「うん!!いっぱい使ってあげてよね!!それ、準備するのに結構かかったんだから!!」

それ、というのはノアがくれた魔法の杖だろう。

そういえばこれ、一日三回魔法を使えるということだったんだけどどんな魔法が使えるかはまだ聞いていなかった。


例によって調べれば分かるんだけど聞いてみるとしよう。


「なぁノア、この魔法の杖ってどういう効果があるんだ?っていうかどうやって使うんだ?」


「あー、言ってなかったね。それを身に着けたまま強く物体を睨みつけるとそこが爆発するよ!!」

ン?今とんでもないことを言わなかったか?


「身に着けたままってことは今のこの状態でも大丈夫なのか?」


「そうだね!タクミは前で戦うからいちいち抜いている暇はないと思うからそういうものにしてみたよ!!」

その配慮はありがたい。


「ってそういうものにしてみたってこれ、店で買ったものとかじゃないのか?」


「うん、そこはシュラウドにお願いして作ってもらったよ!!あ、ちゃんと素材集めはボクがやったから安心して!!」

そこに安心する要素があるかどうかはわからないが、この杖はハンドメイドということだな。

武器だけかと思ったら魔法の杖も作れたのか。


そういえば思えば少し前から店の商品に魔法使い用の杖が並ぶことが増えたような気もする。


「あれ?それで思い出したんだけどノア、お前杖は?いつから持ってなかったっけ?」

初めのころは持っていたと思ったんだけど、気づいたらなくなっていた。

えーっと、最後に見たのはいつだったっけか?


「それはタクミと出会った街を出る時だね。召喚士は杖が必要ないからおいてきちゃった。」


「あー、杖って魔法の威力強化が基本だから召喚士にはたいして必要ないのか。」


「だよー。」

召喚士はあくまで呼び出すだけだからな。

MP消費軽減とかが付いた杖があれば話は別だろうが、基本的に自分で攻撃魔法などを唱えないノアなら必要ないだろう。

むしろかさばるから邪魔になるまでありそうだ。


「ちなみに爆発の規模ってどのくらいなんだ?」


「えっと、シュラウド、どのくらいにしてたっけ?確かそこそこ強かったと思うけど・・・」


「はい、かなりのものが出来上がりました。そのせいで使用制限とかがついてしまいましたが・・・」

うーむ、これはうかつに使えないということだろうな。

何かの間違いで勝手に起爆したりしたら困るから、基本的に街中では持っていないほうがいいかもしれない。

爆発の規模とかは後で実験でもして調べたほうがいいかもしれない。

いざという時にどのくらいの効果があるか知っているか知らないかではかなりの差になりそうだ。


「感謝してよね!!それ、結構前から集め始めたんだから!!」


「へぇ、ちなみに結構前ってどのくらい?」


「えっと確かドラゴン退治にボクたちだけで行った時に話が持ち上がったから・・・まぁ、そのくらいだね!!」

結構前からだな。

その間俺とノアたちが別行動をする時が時たまあったのでその時だろう。

多分この中で準備に一番手間がかかったのはノアだろうな。


シュラウドのくれた剣はなんやかんや言ってここ数日で作ったものだろう。

その証拠になるかはわからないが、確かヴィクレアが置いていった素材やら報奨金やらがなくなっている。

こいつが俺の相談なしに色々やっているのは珍しい。

一番容易に時間がかかっていないのはリリスだろうな。

今準備したみたいだし。


まぁでもこういうのは気持ちが大切だからな。時間ではないのだ。


「そうか。俺も今度何かお返しをさせてもらうよ。何か欲しいものとかあるかな?」


貰ったら返す。

これは基本だ。


「自分は特にはありません。」


「私も特にないわね。別に無理に返す必要はないのよ。そもそもそれ、日ごろのお返しだし。」


「私もないです。」

う~ん、こういう時は何が欲しいか言ってもらったほうが助かるんだけど、仕方ない。

何か考えておくとしよう。


「あ!!ならボクは久しぶりにダンジョンに連れていってほしいかも!!最近どこにも言ってなかったし。」

そうそう、こうやって望みを言ってくれるほうが助かるのだ。


「ダンジョンか。どこか希望の場所はあるか?あ、一応言っておくけど俺たちで何とか攻略できそうなところな。」

行くにしても安全第一だ。

ある程度マージンはとれている場所じゃないといけない。


「えーっと、、、そこらへんはタクミに任せる!!」

そこは投げるんだな。

希望するから何かいい場所でも知っているかと思ったよ。それならそれでどこがいいか調べる必要がありそうだ。


明日にでも図書館に行って調べてみるとしよう。


「わかった。期待していてくれ。」


「うん!!」

ノアは満面の笑みでそう笑った。






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