第五話 お昼です!
どうも、吸血種の真祖の両親の間に産まれたのですが。
なんか母体の頃からと産まれてからの培養液にいれられていろいろと調整をさせられたアンジェです。
吸血種に天使化計画のおかげで耳の聞こえはよくなり、夜に眠る必要もなくなりました。
暖かいのか冷たいのかもわからなくなっている、食事もあんまりはいらないし好き嫌いは元からなかったかな。
「やっぱりここか」
「ウル兄」
屋上でたたずんでいると一応血縁にあたるウルフェンス。
なんでもケモナー好きに連れていかれてケモナー要素を付け加えらえたらしい。
いろいろ苦労しているんだなぁと思ったのはわたしだけじゃないと思う。
「探しました!」
そう言ったのは私用のごはんと自分用のごはんを持った珠城ちゃん。
彼女は九尾の遺伝子の中で玉藻の前の遺伝子をいれられたらしい。
妲己と同じ千年りこせいの遺伝子をいれられた瑞穂ちゃんもいる。
同じ狐だけど、仲が良いみたい。
喧嘩してもウル兄が注意してくれるからしぶしぶやめるみたい。
さすが兄貴分だよね!!
そんなことを考えていると同じ家に住むメンバー全員が隣に座りだす。
みんな、気にしなくていいのにね。
「ほら、日傘」
ウル兄は世話焼きすぎだと思うんですが?
まあ、こんな感じで学園での食事は屋上ですごしております。
え、一般の人は仲いいな~くらいにしか思ってないと思うよ。
最初はみんな戸惑いとかいろいろあったし大変だったけど、知識はちゃくちゃくと得てきた。
これも保護してくれたあの人たちのおかげなんだと思う。
いつか、恩返しができたらいいな~と思うのはここにいる全員だと思う。
いつか、お仕事を手伝わせてくれないかな~。
ウル兄に聞いたら、いつかお願いしてみようぜと言われた。
さすが、わたしの一応の血のつながりのある人だよね。
よくわかってくれているひとだよ。
いつもどおりの日々をすごし、また屋根の上で音楽を聴きながら月を眺める。
「今日もよい月」
ぽつりと、わたしはつぶやいた。
そんなことを思っていると血の匂いを感じた。
まだ、吸血種の因子があるからわかるのかもしれない。
「…………だれか怪我しているのかな? でも、むやみに出歩くのもな~」
う~んと腕を組んで悩みながら匂いの探知は怠らない。
アンジェ「吸血種の真祖の血をもち、天使化の実験をされた少女」人ではないが獣人でもない。