第一話 とある少女の視点
気づいたらとある家にいた。
ぼんやりとしていると、目がはっきりしてきたので起き上がる。
ふと、思い出したかのように両手と両足を見るが手枷も足かせもないことを確認する。
「そういえば、自分で切り裂いたんだっけ」
ぽつりと白い髪の少女がつぶやいた。
なんでもないように独り言のように言う。
そう、彼女は自らの手足を斬り、そこから逃げ出したのだ。
また、再生もするのだから気にする気分もなにもない感じである。
「あんたね、むやみに両手や両足を切り裂くもんじゃないよ」
呆れたようにはいってきた女性はタオルをもっていて、それで顔や体を拭いてくれた。
ずいぶんと汚れていたのか、タオルは真っ黒である。
ちなみにわたしはすっきりなのだが………。
「すまないね、助けにくるのが遅くなって」
そう言って頭を撫でてくれるこの女性は誰だろう。
あ、そうだ。 あの時に来てくれた人だ!
「他の子も拭き終わったわよ~」
「そうかい、問題はこれからどうするか、だね」
「まあ、全員まとめて面倒みるしかないんじゃない?」
また、人数が増えた。
いったいなんの話をしているんだろう。
「ねえ、あなたはなんのじっけんされたの?」
パピヨンの犬耳にふさふさパピヨンの犬尻尾の少女が聞いてきた。
「ん~、なんか天使化って言ってた気がする」
「そっかあ、お互いひどい目にあったんだね」
そう答えると隣に話しかけてきた少女が座る。
なんか、触りたいなぁ………。
そんなことを考えていると話がまとまったのかこちらを向いてるひとたち。
「今日からあんたらはうちの家族だ。 だから、遠慮せずに甘えてくれていいからね」
と、姉御肌ふうな女性がそう言ってきた。
話を聞いてるとおなかの鳴る音が響いた。
たぶん、おそらく自分たちだろうことはわかる。
「まずはごはんね~」
そういうとキッチンへと向かった。
さっきの子がしっぽを振りながらついっていってるかわいい。
「あの、ここはなんていう場所なんですか?」
「ここは極悪非道な行いの犠牲になった子たちが住まう家さ。 まあ、学校に通うことになると思うけどね。 まずは服の調達とごはんが先になるけど」
わたしの問いにさきほどの女性が答えてくれた。
「はんばーぐうま~!」
「犬っ娘だから気を付けないといけない食材はあるけど。 調理の仕方次第で美味しくなるからね」
美味しそうに食べているが、こぼしているよ。
わたしはパンとスープをもらったので食べるのだが、吐いてしまい。
それを見た女性がなにやらかちゃかちゃと料理してスープとパンをもってくる。
今度はそれは食べれたけど、なんか嬉しそうにみられていると恥ずかしいかも。