ばかみさま
恋の神様って、凄いですよね。
恋愛ものだったらなんでも読む私は、神様を凄く尊敬します。
「俺、実は神なんだ!」
唐突に言われた言葉に、私は一瞬かたまった。
「は・・・?あんた急に何言い出してんの?」
「だからー、俺は神様なんだって。しかも恋の神様。すごいだろ?」
はぁ・・・。馬鹿なのかこいつは?まぁ、こいつが馬鹿なのは今に始まったわけではない。生まれた時からずっと一緒にいるからこういうのは慣れているつもりだ。
だが、今回のこいつは明らかに馬鹿だ!と納得してしまった。
何故なら、いきなり自分のことを「神だ!」などと云う奴は、誰がどう見てもただの馬鹿としか思えないからだ。
「あんたって昔から馬鹿だとは思っていたけど、まさかここまで馬鹿だとは思わなかったわ。
あんたといるのもこれきりにしようかしら?」
「ま、待て待てっっ、確かに唐突過ぎた。しかし嘘ではないんだ。
お前なら分かるだろ?俺が嘘を吐いていないってことぐらい・・・」
「まぁ、ね。」
「それでこそお前だっ、ありがとう」
何泣いてんのよ、こいつは。
「で、俺が神様だって事。信じてくれる?」
無理だな絶対。
「無理。あー、でも・・・あんたが自分のことを馬鹿だって認めたら信じてあげても良いけど・・・?」
駄目元で聞いた言葉に、こいつは
「分かった。俺は馬鹿だ。」
と即答した。
「は・・・?あんたって本当馬鹿なの?」
「あぁ馬鹿だ。だから俺と・・・付き合ってくれっっ」
唖然・・・。
何を言い出すんだこいつは。
「ずっとお前が好きだったんだ。だから付き合ってくれ」
これは・・・夢なのか?
私だってずっと前からこいつが好きだったんだ。
正直、こいつが自分を恋の神様と云った時には、馬鹿意外に本当に恋の神様ならいいな、とも思ってしまった。
しかし、こいつは神だ。
人間の私とは生きる長さが違う。だったら、
「それは・・無理かも。」
「なっ「だって、私と神様は生きる長さが違うじゃないっ」
いつのまにか涙が出ていた。
「あんたはっ神様だから分からないでしょうけどっ、私はあんたと一緒にいたいのよっ でもっ、あんたが神様なら、ずっと一緒にいれないでしょぉ」
泣き出してしまった私に、こいつは戸惑いを感じつつも頭を撫でて
「なら、俺の神社の巫女になれ。そうすればいつでも迎えに行ってやるから」
そう優しく笑ったのだ。
「本・・当?嘘じゃない?」
「嘘じゃない。俺は嘘は吐かない、そうだろ?」
それは、本当の事だ。保証できる。
「うん・・。」
「じゃ、よろしくな。巫女・・・いや、柚華」
「うん。馬鹿な神様の柊くん」
こうして私の巫女修行が始まるのだった。
あ、でも、柊くんとの仲は今も良好である。馬鹿な神様なのにね。
最近見てたアニメで、自称神様の話を見てました。
その神様、なんだか可愛良い神様でした。