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『平等』ニ―――死ヲ
僕は死神
『平等』という
幻想の霧に覆われた
君の瞳を抉り出す者
優美な響きに浸る
君の耳を引き千切る者
蠱惑の香りに誘われる
君の鼻を削ぎ落とす者
甘美な毒に痺れる
君の舌を引き抜く者
偽りの希望に伸ばす
君の腕を切り落とす者
在り得ぬ世界に駆ける
君の脚を払い消す者
――――君から全てを奪う者
欲しいんだろう?
望んでいるんだろう?
『平等』な世界を
ならば僕を受け入れろ
さすれば君に与えてあげよう
――――万物に『平等』な死を
唄え、僕の名を
さすれば君を招こう
――――全てが『平等』の終焉に
さぁ、声を上げて喜べよ
今、君は望む物を手にする
ほら、感じろよ
その体を奪おう
その魂を曝してやろう
だから君の全てで感じろよ
等しき『平等』を
――――死の恐怖をね
後悔しろよ
『平等』な世界で泣き叫べ
愚かな過去を呪えよ
「あんな事を願うんじゃ無かった」
無駄な事だけどね
さぁ、君の愚かさに
――――僕の鎌を振り下ろそう
僕は死神
君の願いを叶える者
君に『平等』を与える者
君を終わりへ導く者
君へ断罪を下す者
――――君の命を刈り取る者
さぁ、次に『平等』を唄うのは誰だ?
感想等、宜しくお願いします