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独白  作者: 山田さん
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片耳

前置きはキチンと読みましたか?

読んだ方のみが読んでいってください。

特に隠していることではないんですが、僕は片耳が聞こえません。

これは小さい頃におたふく風邪で鼓膜が傷ついてしまい、「難聴」という扱いになっています。

だからといって、全く聞こえないというわけではなく「難聴」という文字通り、「聞き難い」だけです。

ですが、聞き難いというのにも人それぞれあるんでしょうが、僕の場合はほとんど聞こえません。耳元で叫ばれてもなんともないくらい聞こえません。

じゃあ全然聞こえないんじゃん、と思うかもしれませんが、ヘッドホンで聞くときの重低音やなんかは聞こえます。まぁ何言ってるかとかはわかんないんですけどね。

なので、実際に聞こえない方の耳側(右耳)から話しかけられると、反対側の耳(左耳)から聞こえてくる音で判断しなければならないため、とても聞き取りにくいです。そのせいで「聞いてんの?」と聞かれる時もありますが、その時は素直に「聞いてなかった」とか「え? 何? もう一回言って?」とか聞き返してます。それで腹を立てられたりもしたこともありますが、それはそれでちゃんと謝ってますし、それで仲悪くなったりしたらそれまでかなーと自分を諦めさせています。

代わりに左耳がすごい聞こえるとかっていうのはなく、単純に他の人よりも聞こえる量が半分なだけです。

そして目が良いのかと言われると、そうでもないです。僕、メガネっ子ですし。


しかし。

僕自身はそこまで不便に思っていません。

まだ片耳が聞こえるだけマシだと思ってます。

世の中には両耳が聞こえない人だっているわけだし、耳どころか目が見えない人だっているし、目も耳も聞こえずに喋れもしない人だっているんです。

そう考えたら、たかが片耳が聞こえないぐらい何とも思いません。

家族でさえ忘れてる時があって、

「聞いてんの?」

「こっちの耳聞こえないっての」

「あ、そうだった」

というやりとりを何度もしたりしているぐらい普通に過ごせています。

弟はなんか気を使ってくれてるみたいで、そういうのはあんまりないですが、妹と母親はしょっちゅうですね。

僕には親友がいるんですが、そいつにいたっては、飲みに行った時カウンターに座って、平然と右耳側に座ってくるので、僕が耳を指差して思い出させるというやりとりを毎回のようにやったりもしています。

だから気を使う方がバカらしくなってくるし、その度に謝られていると、こっちの気が変になってくるってもんです。


で、なんでまたこんな話を書こうかと思ったかと言うと、僕が読んでいる漫画で耳が聞こえないヒロインが出てくるんです。

主人公からしてみたらその子が何考えてるかわかんないし、どんなイタズラをしても「ありがとう」「ごめんなさい」の繰り返し。

この子をいじめていた小学校時代があり、ヒロインが転校、そして高校生になり、そのヒロインの子に恩返し……というわけではないですけど、償いをしていくんです。

その中で、主人公がヒロインに償いをし、なんやかんやあったりして救われたり救ったりしていくんです。

それでも本当にヒロインが考えていることがわからず、理解もできない。


……だからどうしたって感じるかもしれませんが、半分ぐらいは理解できるようなところがあるんです。

有名になってる漫画なんでわかる人はわかっちゃって、ちょっとステマみたいな感じになってますが、ご了承ください。笑

僕だって両耳が聞こえたらいいな、と思ったことは何度もあります。

物心ついた時から片耳が聞こえないと、いろいろ不便なこともありました。

車道で鳴らされたクラクションの方を見たら反対側で轢かれそうになったり、サッカーをやっていたんですが声がどこから聞こえてきているかわからなくてキョロキョロしたり、学校生活では隣の席の人とのコソコソ話が大変だったり、長電話が大変だったりなどなど。

まぁサッカーはそれ以前に下手っぴだったんでなんとも言えませんけどね。

だからといって不便なことばかりではないです。

電話してる時は片耳を抑えなくてもよく聞こえるし、左耳を隠せば音がほとんどシャットアウトできるし、イヤホンの片耳が壊れても問題ないし。

不便なことばかりではないんです。


でも不便なことのほうが圧倒的に多いのは確かですね。

だからといって過度に気を使われたり心配されるのが僕は苦手です。

普通に疲れてる時に心配されるのは問題ないんですが、耳のことで気を使われるのは苦手です。

それで周りの雰囲気を壊したくもないし、「山田さんって片耳聞こえないから……」なんてコソコソ話されてたりでもしたら、苦笑いと共に去りたくなります。

「じゃあどうして欲しいのさ」って思うかもしれません。

だから僕は感づかれない限りは周りに言わないようにしています。

すごい仲の良い人じゃない限りは自分から言わないし、今知っているのも家族と親友ぐらいです。

言わなければ気を使われないし、周りではただの「人の話をあんまり聞いてないやつ」と認識している人も少なくないと思います。

僕の友好関係が狭いのも、それがあるせいかと思ってます。

常にこのことを隠しながら喋っていたりすると、他人に本性を見せていないように思われているようで、「山田さんって、心開いてない感じがする」とか言われたりもします。

親友には「心のバリアが分厚すぎる」と言われたりもします。

片耳が聞こえないのを騙し騙し生活をしていると、自然と「他人としゃべる」よりも「他人の話を聞く」ということに徹してしまう傾向があります。多人数だとなおさらで、聞くのに徹する時の方が多い時があります。

でも2人で喋る時だと、聞いて喋っての繰り返しなので、よく喋る人だと思われます。


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