69.一方その頃
前回のあらすじ:アイウーズ市での揉め事が一段落したバアル達は酒盛りの末、親睦を深め合った。そしてマキシマの紹介状を受け取ったバアル達は更に北のガンザードを目指す。バアル達が新たな目標に向かっている頃、とある場所で物語の歯車が少しずつ動き出そうとしていた(今更)。
*今回の話はバアル達の視点ではありません。
『完善なる神』を信仰する者達、彼らの国の首都にして聖都の名前を『天輪の都・シャハル』と言う。
シャハルの中心には宮殿にも見紛う白く荘厳な宮殿が鎮座しており、多くの信徒達から畏敬の念を集めていた。
その大神殿の中でも奥まった一室、その場所は世界でも有数の神聖な場所であり、そして数多くの信者を導く者達が集う場所でもあった。
円形の部屋の真ん中には大理石で作られた大きな円卓があり、それを囲むように壮麗な柱が立っている。天井は蜘蛛の巣のような幾何学的な模様に金属の骨組みが走り、その間は硝子で覆われている。その奥からは自然の光ではない、しかし自然と心を落ち着かせる柔らかな光が零れ出ていた。
今そこには十人の司祭服を着た者達が着席しており、その一番奥の最も豪奢な椅子に腰掛けているのは白く長い髭を伸ばした老人だった。その老人が着ている服は他の者達の服より一層豪華で金糸銀糸で精緻な刺繍が施されており、その頭上には白銀と宝石で彩られた宝冠が被せられていた。
この老人こそ『完善なる神』の教えを最も体現し、全ての信者を導く教皇ハロルド・アズラケイン一世であった。
他の司祭服を着た者達は司祭の上位者である高司祭であり、教皇の側近達であった。
彼らは一様に柔和な表情をして、円卓から少し離れた所で膝を着いている一人の若者を見ていた。純白のマントを羽織り浅緑色の詰襟服と同色のズボンを履き、恭しく頭を垂れるその姿は一級の騎士の姿を彷彿とさせる。その端麗な顔は見る者を安心させる不思議な魅力があった。
世の人々は彼の事をこう言う。『勇者』と。
そんな勇者に、円卓に座っていた司祭の中で教皇の右隣にいた壮年の高司祭が勇者に声をかける。
「勇者ヴァイリン、ヴァイリン・フォースウォールよ。長き苦難の戦いの末『魔王バアル』の討伐を果たした事、本当によくやってくれました。我らの悲願である『救世』の為の大きな一歩です。私達は貴方と、貴方の一族、協力した同胞達に最大限の感謝を表し祝福しましょう」
その高司祭が拍手を始めると、他の高司祭達も大きく拍手を始めた。彼らの放つ雰囲気は実に穏やかなもので、本心から勇者の偉業を祝福しているのが分かった。不気味な程に。
拍手をしていない教皇も相貌を崩し、笑みを浮かべていた。
勇者は黙ってその拍手を受け入れる。まだ言葉を発してよいとは思えないのか、それとも他の意図があるのか、ただ瞑目して頭を垂れ続ける。
拍手を主導した高司祭は軽く腕を振って拍手を止めると、今度は教皇の方に顔を向ける。
「教皇様、どうぞ我らが英雄にお褒めの言葉をおかけ下さい」
高司祭に促されて教皇は顔を勇者に向ける。ふるふると震えているのは感動の現れであろうか、しばしの間を開け、教皇は厳かな声を響かせる。
「ご、ご飯はまだかいのぅ…」
明らかに場にそぐわない発言だったにも関わらず、誰一人それを指摘しなければ空気の変質も無かった。勇者を含め他の高司祭たちも全く雰囲気を変化させない。それが最も場にふさわしい言葉であったかのように一切の違和感を感じていない様子だった。
教皇の右に居た高司祭は柔らかな笑みを崩さず、重ねて教皇に語りかけた。
「教皇様、お食事は後二時間程後になります。今は、教皇様の最も親しきご友人の孫であり、今代の『勇者』の活躍をお褒め下さい」
『勇者』の単語に反応したように、教皇が目を見開き、ヴァイリンを見据える。
「おおおっ! ヴァイリンか、でっかくなったのう。こっちにおいで、小遣いをやろうじゃないか。それとも大好きな氷飴がいいか? ……ありゃ、どこやったかのぅ。コンチェル高司祭長や、わしの飴はどこかい?」
教皇は懐を探って何かを探しているが、見つからないのかあっちこっちを弄ったり布をひっくり返したりする。横に居たコンチェル高司祭長はそれを優しく止め、服の乱れを直すと今度は勇者に語りかける。
「教皇様、飴は御部屋の方に用意しております。勇者ヴァイリンよ、教皇様は貴方とのご歓談を行いたいようであられる。どうかお部屋までお連れして差し上げて下さい」
その声に応えてヴァイリンは立ち上がり、大きく回りこんで教皇の隣に立つ。そして教皇の手を取ると、後方の出入り口まで誘導する。その間も教皇は好々爺という風情でしきりにヴァイリンの成長を喜び、彼の祖父の昔話を話していた。
教皇と勇者が退室すると、コンチェル高司祭長は教皇の座っていた椅子の位置を直し、自身の席に着席する。そして脇に置いていた書類を取り出す。それに倣って他の高司祭たちも自身の書類を取り出して円卓の上に置いた。
準備が整ったと判断したコンチェル高司祭長は一枚目の書類に目を落としながら話し始めた。
「では元魔王領の教化政策の状況報告と魔王軍残党に対する対応についての会議を始める。我らが、我が神の悲願まであと少しとは言え、油断せぬよういつも通り真剣な議論を期待する」
コンチェル高司祭長の宣言に伴いピンと部屋の空気が引き締まった。その様子には一丸となって目標に向かう者達と全く同一で、些かの乱れも無かった。
「教化政策はやはり一旦停止して復興を優先した方が……」
「確かに反抗者の続出は治安悪化や劣悪な生活環境によるところが大きい。ここは急がば回れの考えで……」
「奥地に篭った残党軍についての対処もまずは反撃を防ぐ為に防衛を優先し、体制を整え……」
「ここは焦って行動せず慎重に…」
会議は静かに、しかしある種の熱意を持って行われていた。
『狂信』という熱狂を持って。
……
ヴァイリンは細い通路を教皇を伴って進んでいた。この通路は教皇の自室に繋がる唯一の通路であった。外壁側は採光の為、ふんだんに硝子が使われており、よく晴れた日中の為明るさは全く問題無い。内壁側には絵画や武具などが展示されていた。絵画は歴代の教皇と勇者が描かれ、武具の類は以前の勇者達が使っていた物で、いずれも使い込まれた印象を受ける。
その通路を歩く二人は静かにゆっくりと歩いていた。懐かしむように絵画や武具を見るでなく、ヴァイリンが教皇を気遣うように歩いている為だ。高齢の教皇は微かに震えながら勇者に手を引かれてゆっくりゆっくり歩いている。そして通路の一番奥、教皇の自室まで辿り着いた。
勇者は扉を開けると、教皇を促す。教皇は震える足で自室に入り勇者もそれに続いて入室する。
教皇の自室はどちらかと言えば簡素なもので、四m四方ほどの広さの中で隅の方に机と椅子、ベッドとクローゼットがあり、中央には絨毯が敷かれて小さいテーブルと椅子が二脚あった。それ以外には本棚一つとチェスとが一つあるだけで、白く塗られた壁には一切の装飾も無かった。
勇者が扉を閉めた瞬間、教皇の背がピンと伸びてしっかりとした足取りで中央のテーブルに向かう。教皇はテーブルに置かれていた小瓶の蓋を開けると、中から氷のように固まった砂糖の塊を取り出す。
「ご苦労だったな、ヴァイリン。ほら食え、お前の好きな飴だぞ」
そして手に持った氷飴を行儀悪くヴァイリンに投げつける。ヴァイリンは慣れた様子で飴を掴むと、懐からハンカチを取り出して丁寧に包み、ポケットに戻す。
「なんだ折角やったのに食わないのか?」
どっかりと音を立てて椅子に座った教皇はもう一つ氷飴を取り出して自分の口に放り込む。ヴァイリンは済ました顔で教皇の対面にある椅子に腰掛けた。
「後で頂きますよ、ハロルド爺さん。いつも言ってますけど犬じゃないんだから飴を投げないで下さいよ」
「ガキの頃は投げたら犬みたいに取りに行ってたじゃないか。あの頃は可愛げがあったのになぁ、今じゃ取り繕った顔が上手くなりやがって」
ゴリゴリ氷飴を齧るその様子からは、円卓で見せた呆けた老人の姿は想像できなかった。ヴァイリンはハロルドに指摘されて気付いたのか、自分の顔を二、三回叩いて表情を崩す。
崩れた表情の下からは、粗野な印象を受ける疲れた顔が浮かび上がった。勇者はテーブルに突っ伏すと大きく溜息を吐いた。
「はあ~~~、…疲れた。ようやく終わりましたよ魔王の『避難』。僕の代で遂行出来てよかった…」
「お疲れさん。これで一先ず作戦第一段階は終了だなロシェの野郎の無念もちょっとは報われるってもんだ」
「祖父の供養にはまだまだ足りませんよ。『神』を排除するまではね」
組んだ両腕に顔を埋めながら勇者は変わらぬ調子で話す。ハロルドは法衣の上着を脱ぐとベッドに放り投げ、椅子を後ろに傾け伸びをする。
「ああぁ…、高司祭共を騙すのも面倒だな。わざわざプルプル震えるのもきついわい。そういやどうだったバアルの奴は? 昔と変わらずふざけた野郎だったか」
「ロシェ爺さんとハロルド爺さんのパーティーがバアルと対決した時は僕まだ生まれてませんよ。…まあ爺さん達が言ってた通り人をおちょくってくる人物でしたね」
ハロルドは喝々と笑いヴァイリンの肩を叩く。
「お前もようやく体験できたなぁ、魔王との対決を。しかも今回は落書きされずに返ってきたんだ、あの世に行ったら爺さん連中に自慢出来るぞ」
「ハロルド爺さんも落書きされたんだっけ?」
「おう、ほれ」
ハロルドが顔を引っ張って顔面の皺を伸ばすと、そこには消えかけた渦巻きの図形があった。ヴァイリンはぼんやりと言葉を紡ぐ。
「なんで落書きなんでしょうね? 殺さないのは不思議だ」
「ありゃあ脅しをかけてるんだよ。『お前達の英雄でも敵わずに落書きされて開放されるだけの存在でしかない、分かったら襲ってくるな』、てな。後は俺達に屈辱を与えて二度と向かって来ないように、て考えもあったんだろうな」
「つくづく腹立つ野郎だなぁ。確かに滅茶苦茶強いけど」
「だからこそ計画に組み込んだんだ。あんな甘ちゃんな脅しをかけるんだから、これから俺達が説得に向かっても多少話し合う余地くらい持ってるだろう」
ハロルドはそこで壁際の机に目を向ける。そこには小さな肖像画があり、描かれているのはヴァイリンに良く似た若者と、若きハロルドの姿だった。
「長かったな……。『神』の本質を知ってからの数十年、お前とお前の親父にも悪い事をした…。俺達がもっと上手くやってればお前の親父も……」
「止めて下さい、ハロルド爺さん。親父の事は仕方なかったんです…」
「『ダンディー』なんて書かれなかったろうに…」
「そっちか糞爺。人のトラウマを掘り起こすな」
鋭い眼光を放ちながら唸るヴァイリンを見てハロルドはまた喝々と笑う。
「謝罪ならあの世に行ってからお前の親父に直接言うわい。その辛気臭い顔を止めんか、折角の初勝利なんだからな」
ハロルドの言葉を聞いたヴァイリンは途端に顔を伏せ、ぐぬぅと呻く。それを見たハロルドは笑みを引っ込め、一転して厳しい表情を見せる。前のめりに顔をヴァイリンに近づけると何があったか問いただす。
「何か問題があったのか? まさか感づかれたか?」
「いえ………、その~、なんて言うか」
歯切れ悪く答えるヴァイリンをハロルドは苛立たしげに見つめる。ヴァイリンはその視線に怯んでまた沈黙しかけたが、覚悟を決めて言葉を搾り出す。
「バアル……、予定の次元に到着してません……」
「……最近わしは耳が遠くなってな、もちっと大きい声で言ってくれ」
ダンッと音を立ててヴァイリンは立ち上がりハロルドの額に頭突きするように顔を近づけた。
「だからバアルの四天王の魔術師がいらん事して別の次元に入ったみたいなんで現在捜索中ですって言ってるんです!」
「そこまで言っとらんかったろうが!! わしの耳は誤魔化せんぞ!!」
「状況によって聞こえ方が可変するその耳便利ですねぇ! 僕にも一個下さいよ!!」
二人は互いに頬と耳を掴んで見苦しく言い争う。ゼェゼェと荒い息を吐く二人は同時に手を離すと椅子に座りなおす。
ハロルドはテーブルに肘を突いてしばらく額を押さえていたが、顔を上げてヴァイリンを見据える。
「詳しく話せ。計画に変更が必要か?」
ヴァイリンも乱れた服を直すと、努めて冷静に状況を話す。
「観測によると予定の次元界にバアルの反応は見られないと気付いたのが半月前。その後調査は続行してますがバアルが落ちた次元はまだ特定に至ってません。バアルの側近の四天王に魔術に秀でた者が居ましたし、蔵書の確認なども行ったところ次元移動に関してのある程度の知識と技術を習得していた可能性は高いと考え、先ほど言った結論に至りました。計画への影響に関してはまだ何とも言えません。計画第二段階の開始に関しても、第一段階の終了から少なくとも一年は後の事ですし、その間に発見出来れば計画の修正は必要ありません」
「だが計画変更後の準備まで考えれば、もっと早い段階で見切りをつける必要があるだろう? どれ位の時間が必要なんだ」
「……一年あれば樹海に落とした一枚の銅貨は見つかりますよね?」
「街中なら誰かが持って帰っとるかも知れんが、樹海なら何とか……なるわけなかろうが!?」
大声を張り上げたハロルドはそのまま頭を抱える。
「一年、一年か……。神の眼をかわしつつ探索を続けられるか?」
「逆に考えましょう。元々はこちらの情勢が落ち着いてから、別次元に送った魔王を完全に討伐するという名目で次元移動する予定だったんですから、それを少し早めて探索をすればいいかと。それに一年より早く見つかる可能性もまだあります」
「だが余りに早くては不自然だろう? それに見つからないなら放っておけ、と言われれば次元移動を行うことも出来ん。お膳立てした次元は結局使えなくなったしな」
「あそこはわざわざ目印置いておきましたからね。こっちで結界を張ってバアル達が帰って来るのを防いでる間に上層部を説得して、結界が破られる前の討伐という名目でバアルの居る次元に向かう。そして向こうで『神』の干渉を受けずに協力を依頼する。これが計画第二段階の要諦でした。…そうですね、バアル側の魔術師が次元移動を行える可能性を早期に言って根回しをしておきましょう。実際に観測できない位置にバアルが移動したのは確かですし」
「見えないものこそ人は恐れる、か。まずはお前の言う方向でやってみよう。…一応作戦の最初から確認だ」
ハロルドは指を一本ずつ立てながら作戦を確認していく。
「まず第一段階、神が全世界教化の妨げになるバアルを本格的に殺しにかかる前に、討伐が難しいという名目でバアルを別次元に避難させる。これは終了」
「第二段階、バアルとの協力関係を取り付ける。その際、こちらの世界で可能な限り魔王軍残党を残しておき、後の戦力確保と説得材料にする。ここが今一番の問題だが…、残党軍に関してはどうなんだ?」
「意外に良く纏まってます。ですが懸念した通り各地で反乱も起こってますので領地の大幅な減少と戦力の低下は発生しますね。特に吸血鬼の領地は既に元の体制に戻りかけてます。仮初めとは言え政情の安定はこっちが攻めあぐねる材料になるのでいいのですが、今後内政の建て直しの時に苦慮しそうです。一つ朗報として魔王軍残党に強力な守護者が付いたので教会側からの手出しは当分先になります」
「何だ? 誰が付いたんだ」
「火竜王アバドンです。魔王城のある首都からすぐ隣の山岳都市の出入り口を見張っていて、我が軍の進行を止めました。手痛い反撃を食らって追撃隊が相当な被害を受けたそうです」
「朗報なのか凶報なのか分からんな。被害は小さいに越したことは無いんだが…。しかし何でまた火竜王が残党軍に付いたんだ? 竜王達はファフニールを除いて人間世界には不干渉を要求してたし、向こうもそうしてた筈だが」
「そのファフニールとの縁らしいですよ。強敵を勝手に別次元に送った僕達への制裁だそうです」
面倒くさい事になったなと表情で語りつつハロルドは続ける。
「第三段階、バアルをこちらの世界に連れ戻してここシャハルを強襲させる。その時に必ず聖堂を破壊してもらう」
「バアルの地震を起こす力で崩れますかね」
「崩れるまでやってもらうだけだ、あいつの馬鹿力とファフニールが組めば崩せるだろう。あれが無くなれば大部分の人々を『教化』から開放して正気に戻すことが可能になる。後はバアル達と協力して天使達の相手をしながら各地の聖堂を壊し、人々を解放する」
「そして第四段階……」
二人はごくりと唾を飲み込む。かつて決死に覚悟で決意を表明した時と同様に。
「「『聖地』にて、神を討つ」」
……
晴天の空の下、山間の小さな平地に長閑な村が一つあった。その場所は始まりの地。『完善なる神』の信仰が初めて産まれた土地である。最初はこの村だけの小さな宗教だったが、その規模は数百年の長い年月をかけて徐々に広まっていった。
教義は極単純なもの。人に親切にしなさい、悪を憎みなさい、許しなさい、共に発展していきなさい、この世を楽園にしましょう、それらは尊い行いです、教義書にはそんな事を小難しい言葉に変えて記されている。
単純だからこそ受け入れやすかったのか、村人から行商人へ、行商人から町人へ、まるで伝染病のように広まっていった。その過程で既存の宗教に弾圧される事もあった。しかし何故か人々は信仰を捨てず、深く静かに信仰は広まり、彼らの作る共同体は効率的な運営を行っていった。
富めるものは貧しき者達に施しを与え、貧しき者達は希望を持って新たな生産活動を考え出して自活の術を見つけ出す。それが出来ない者達も共同で支え、貧しきものは貧しく無くなり、富める者はなお一層富んだ。格差はあれど、皆が幸福に生きていた。
人々の理想郷がそこにあった。……気味が悪くなる程の完成度を以って。
その始まりの土地は始まった当初と変わらず人々が暮らしていた。村人は大昔と変わらず村を運営していた。彼らは『完善なる神』の最初の信者の子孫として尊敬を集めていたが、だからと言って他の信者達を導く立場に立つ事を良しとせず、素朴な昔ながらの信仰を守ることを優先した。今日も彼らは農作業の傍ら、近くの森にある洞窟の奥に鎮座する『完善なる神』の祠に向かって祈りを捧げている。
そして彼らの何よりの使命、『完善なる神』の祠を守ること、それを今日も明日もこの先永遠に、ただひたすら果たし続けるのだった。
彼ら村人の背には羽があった。人々は彼らの事をこう言う、『天使』と。
勇者再登場です。今回の話は顔見せ的なものでしてまたしばらく空気になります。次に登場する時は本編でなく幕間とかで描写するかも知れません。本格的に絡んでくるのはもっと先です。
次回は来週火曜日あたりを目標に頑張ります。




