57.剣の行き先湯けむりの先に
前回のあらすじ:エミリーを犠牲にする事でクローディアとの晩餐会をつつが無く終えたバアル達。だが宿の風呂は女性しか使えず、バアル達は公衆浴場に向う。だが風呂に入っている間にマグナダインの『いくさ丸』が居なくなってしまったのだった。
マグナダインの開けた棚をバアル達は揃って凝視するが、いつまで見ても『いくさ丸』は影も形も表さなかった。
「棚を間違えてはいないよな?」
「ほれ」
マグナダインは鍵に付いている木の札に書かれた番号をみせる。その番号は今まさに開けてる棚の番号と一致した。
「た、大変じゃないですか、盗まれたならすぐに衛士隊に知らせないと!」
スコットが焦ってそう言うのをマグナダインが制した。
「待て待て、まだ慌てる必要はねぇよ」
「然様、少し落ち着かれよスコット殿」
スコットの腰から小声で『魔人剣』の声が響く。スコットは頭上に疑問符を浮かべながらバアル達を見ると、バアルとファフニールも特に焦ってる様子は見られなかった。
「何故皆さんはそんなに落ち着いているんですか?」
スコットの疑問に、バアルは横目でスコットを見ながら答える。
「ブリジットが何の抵抗もせずに誰かに連れ去られたとは思えんし、ブリジットをどうにか出来るような者がこの界隈に居る事も少々考えにくい。となると、ブリジットが自分の意志でついて行ったと考えるのが妥当だと思ってな」
「…あれでも元四天王だ。マグナダインには負けたが彼女も相当な使い手だぞ」
バアルに追従してファフニールも同様の意見も漏らす。魔王達の心情としては強引に連れて行かれたのは有り得ないと結論づけられているらしい。
「問題は、何で無抵抗で付いていったか、あるいは自分で外に出ていったか、って事だが。亭主に愛想尽かしたかね?」
「「「それは無いな」」」
マグナダインの冗談混じりの推論を、バアル、ファフニール、スコットは綺麗に揃って否定した。
「認めるのは癪だが我もそれは無いと思う。マグナダイン殿に勝る使い手に握られたなら別かも知れんがな。…我ならそんな事はしないぞ? 持ってみないか?」
ここぞとばかりに『魔人剣』がアピールしてくるが、マグナダインは完全にスルーした。
手で顎をなぞりながらマグナダインはしばし考え込んでいたが、埒が開かないと思ったのか棚の扉を締めると、受付の方に向かう。
それに付いて行きながらバアルはマグナダインに問いかけた。
「どうするつもりだ?」
バアルの問いかけにマグナダインは肩を竦めながら答える。
「ブリジットがどこ行ったかは分かんねぇけど、何となく探すふりだけでもしとかないと怒られそうだからな、一応聞き込みしてみるわ」
そう言うとマグナダインは受付の店員に話しかける。
入るときはそんなに気に留めなかったが、改めて見ると何だか柄が悪そうな店員である。店員は中年の男性だが、突き出た腹とは裏腹に半袖から除く腕はがっしりとした筋肉が付いており、顔には何箇所か裂傷痕がある。
マグナダインは受付台越しに店員に話しかけた。
「悪いけどちょっといいかな、俺の棚の中の荷物が無くなったんだ。これ位の長さの両手剣なんだが、誰か持ち出す奴を見なかったか?」
店員はマグナダインをギロリと睨むと不愉快そうにそっぽを向く。
「知らないな。ちゃんと鍵かけてなかったんじゃないのか? そんなら盗られても仕方ねぇよ」
取り付く島も無い物言いだが、マグナダインは冷静さを保ったまま話を続ける。
「まあまあ、そう邪険にしないでくれよ。…こいつで何とか思い出して貰えないかね?」
そう言ってマグナダインは銀貨三枚を受付台に置く。店員はチラリと銀貨を見るとフンと鼻を鳴らす。
「知らんね。商売の邪魔だから他を当たりな」
マグナダインはおやっ、と言う顔をすると、そうかいと言って銀貨を回収し、バアル達を促してその場を離れる。
受付をある程度離れた所でマグナダインは口火を切る。
「多分だが、『いくさ丸』は盗まれたんじゃないかと思う。さっき冒険者ギルドで窃盗団の賞金首に関する話をしただろ? もしかしたら手癖の悪い奴が『いくさ丸』を盗もうとした、ブリジットはそいつが窃盗団の一員と考えてそいつに本拠地まで案内させようと敢えて何もしなかった、そんなところじゃないかな」
「何故そう思うのですか?」
スコットの質問を受け、マグナダインは立てた親指で後ろ手に受付を指す。
「受付の野郎が金を受け取ろうとしなかっただろ? 多分あいつもグルだ。もしかするとここの店員全部かもな。よく見るとどうもカタギじゃない臭いがするしな」
バアル達が他の店員を盗み見ると、いずれも体つきが逞しい者ばかりで、服の端から見える肌には刺青が施されている者も居た。また眼光も一般人と比べて鋭さが垣間見える。
「治安が悪いとは聞いていましたが、とんだ事に巻き込まれましたね。どうしますか?」
スコットは呆れたように愚痴った後、バアルに今後の行動を問うた。バアルは意見を求めるようにマグナダインに視線を向ける。マグナダインは大きく溜息を吐きながら頭を乱暴に掻く。
「何もしねぇとブリジットがむくれそうだしなぁ……。一応『話し合い』してみるか」
含みのある言い方をしながらマグナダインはバアル達にここに残るように言って、再度受付の方に戻っていった。
受付の男はまた来たかと面倒臭そうにマグナダインを見る。そして煩わしいとマグナダインを追い払うように手を振る。
「しつこいぞアンタ。俺は何も知らねぇからあっち行ってくれ。とっとと衛士隊にでも報告したらどうだ?」
マグナダインはニヤリと歯を剥き出しにして笑いながら受付に寄りかかり、声を潜めて受付に囁く。
「なぁ……、ゲイルの旦那は元気かい?」
その言葉を聞いた店員は表情を消してマグナダインの方を向き、薄目でマグナダインの目を見る。
「お客さん、そんな名前の人間はこの界隈には幾らでも居ますよ。どのゲイルですかい?」
とぼけた答えを返す店員の目を見返しながら、マグナダインは続ける。
「そりゃあもう、お前さん達の頭のゲイルだよ。…その刺青が証だ」
そう言ってマグナダインは受付の店員の袖から少しだけ見えてる刺青を指差す。金貨を咥えるカラスの刺青が二の腕に彫られていた。…そしてそれはこの公衆浴場の店員達全員の腕にも刻まれていた。
マグナダインの指摘を受けた店員はほんの一瞬顔色を変えるが、何事も無かったかの様に煙管を取り出すと、火を着けるでもなく手に持ち、タン! と音を響かせて受付台に打ち付ける。
「お客さん、さっきからやたらと絡むねぇ……。そんなに文句があるなら場所を移しましょうか」
店員がさっきとは打って変わった落ち着いた声音でマグナダインに語りかける。マグナダインはニィっと口の端を吊り上げると、周りを見渡しながら店員に聞く。
「へぇ、案内はこの兄さん方がしてくれるんで?」
いつの間にかマグナダインの周りは他の店員に囲まれている。また二階からは更に屈強な男達が現れて、一階に降りようとしていた。剣呑な雰囲気に、脱衣所に居た一般客はそそくさと外に出るか、風呂場に避難していった。
「ああ、ついでにアンタのお仲間も来るといい。茶の一杯位出してやるよ」
そう言う店員の顔は獰猛な笑みに彩られていた。
……
バアル達は二階にある事務室とやらに通されていた。バアル達が座っているソファーは大分くたびれており、所々に穴が開いており、クッション材なのだろう、豆が溢れていたりした。
バアル達の向かい会う先にはこの浴場の責任者であるアゼルと名乗った男と、受付の男が居る。そして周囲は十人前後の男達が立ってバアル達を睨みつけていた。
「で、お客さんは剣を盗られたんだって? 確かに棚についてはうちらの管轄だが、お客さんが鍵を掛けてなかったなら面倒見切れないねぇ。それにうちが窃盗団と関わりがあるみたいな事を言ってたらしいけど、言っていい事と悪い事があるんじゃないかねぇ?」
アゼルは表面上は丁寧にバアル達、特にマグナダインに語りかけた。アゼルは禿頭の大男で、適当に伸ばされた髭を蓄えた中年の男だった。他の店員と同様の半袖のチュニックにズボンという姿だが、黒い上着を肩にかけるように羽織っている。その体は脂肪の下に分厚い筋肉を想像させる逞しさを感じさせ、静かな、それでいて強力な威圧感を放つ目は並みの人間ならば縮み上がるだろう。
それを正面に見据えながら、マグナダインはどこ吹く風と混ぜっ返す。
「いやぁ、俺はあんた達の頭のゲイルさんが元気か、って聞いただけさ。窃盗団なんて一言も言ってないぜ」
「だが、ゲイルって言えば今巷で噂の窃盗団の事って考えるのが普通じゃないかい?」
「そっちの店員さんはゲイルなんてどこにでも居る名前って言って、分からなかったみたいだが?」
マグナダインがチラリと受付の店員を見ながらそう言うと、受付の男は気まずそうに目を逸らし、アゼルは微かに舌打ちする。
そうした睨み合いが続いている中に、別の部屋から他の店員がお茶の入ったポットとカップを持ってきた。それらをアゼルの前に置くと、アゼルが自らの手でお茶をカップに注ぎ始めた。それが人数分揃うと、アゼルはマグナダインに向けてカップを差し出そうとする。マグナダインがそれを受け取ろうと前のめりになった瞬間、
ブンッ!
と音をたててカップを持ったアゼルの腕が振られた。本来ならば熱いお茶がマグナダインの顔にかかって火傷したかも知れない。
だがカップからは一滴の茶も溢れなかった。
「なん…、冷てえ!?」
アゼルはカップを取り落とす。床に落ちて割れたカップからは凍ったお茶が転がり出てきた。
「…ナイス、バアル」
「虫の知らせでな。何となく嫌な予感がしたんだ」
「虫が知らせたのですか…!?」「ファフニール殿、意味が違います」
マグナダインとバアルは顔を見合わせながらニヤリと笑みを交わす。その横では虫の単語に反応して興奮気味のファフニールをスコットが押さえていた。
アゼルは奇妙な現象に目を白黒させていたが、もうなり振り構うのが面倒になったようで、バアル達との間にあった長机をバンと叩くと大声を張り上げる。
「てめえらこっちが穏便に済ませてやろうとしてりゃあ調子に乗りやがって! 魔術まで使って人をおちょくるとはいい度胸だ、お前ら、こいつらにちょっと痛い目見してやれ!!」
アゼルの指示に答えてバアル達を囲んでいた店員達は野卑た怒声を上げながらバアル達目掛けて拳を振り下ろそうとする。しかし……
『GURURU……。』
地の底から響く地揺れの鳴動の如き唸り声が部屋に木霊する。その唸り声を聞いた瞬間、アゼル含め全ての店員達の体から汗を吹き出し本能のままに壁際まで後ろに下がる。バアル達は平然としているが、よく見るとスコットだけ彫像の様に固まり、アゼル達と同様滝の様な汗を流していた。
アゼル達の視線は唸り声の元であるファフニールに向けられていた。運の悪い事に正面に居たアゼルは、ファフニールの紅玉の瞳をまともに見てしまい、失神寸前で失禁していた。
「あ……、あ……」
壊れたオルゴールの様に単音しか発しなくなったアゼルを見て、バアルはしまったと顔を歪める。
「恐怖で意識が飛んでしまったか…。駄目だぞファフニール、ちゃんと視線をはずしておかないと」
「申し訳ありません、バアル様…」
バアルに叱られてシュンと落ち込むファフニールだったが、そんな様子を見ても周りの荒くれ者達の恐怖は薄れなかった。根源まで届く恐怖を一瞬で植え付けられ、いや呼び覚まされて、全く動けなかったのだ。
壊れたアゼルの横で、視線をアゼルとバアル達の間で往復させていた受付に向かって、遙々復活したスコットがどもりながらも説得を試みる。
「ま、まあまあ皆さんそう興奮しないで下さい。ここは一つ穏便に行きましょう。窃盗犯が行きそうな場所を教えて頂ければそのまま退散しますし、衛士隊に報告したりもしませんので、どうか教えて頂けないでしょうか?」
スコットの落ち着いた声音での説得も、受付はもとより周りの荒くれ者達の口が開くことは無かった。ファフニールへの恐怖と、それとは別の何かが葛藤を生み出し、じっとりと荒くれ者達の内圧を高めていく。
それを知ってか知らずか、マグナダインが乱暴に頭を掻きむしりながら口を開いた。
「あーもう面倒臭え! 『いくさ丸』は勝手に居なくなるし、カマかけしたらマジでゲイルの窃盗団に当たるし、厄日か今日は! もう俺はとっとと帰って寝てぇんだ。いいからキリキリ吐け!」
マグナダインの威圧的な口調が、荒くれ者達の心に苛立ちという火花を生み、高まっていたジレンマと言う火薬に火を付けた。
「ぬあああああ、巫山戯やがっててめぇ!! ぶっ殺してやらああああ!!!」
顔を真っ赤にして汗と唾を撒き散らしつつ、受付の男は狂乱状態でマグナダインに殴りかかって行き、それに触発されたのか、壁際に居た男達も手近な棒や置物を手に殴りかかって来る。
「うるせえええええ!! 腹たってるのはこっちじゃああああ!!」
それをキレたマグナダインが迎え撃った。
まず向かって来た受付の男の顎を拳で打ち、脳を揺らして意識を刈り取ると、そのまま襟首を掴んで突進してきた勢いを利用して後方に投げる。投げた先には二人の男が居て、物凄い勢いで向かってくる受付の男に驚いてたたらを踏み、思わず二人掛りで飛んできた男を受け止めたせいで止まってしまう。
その間にマグナダインは既に別の連中を相手にしていた。流れる様な動きで一番近くまで来ていた男の腹に拳を叩き込むと、くずおれれる男が持っていた棒を奪い取り更に後方へ向かう。
その次に居た男は棒で足を払われて転び、そいつの持っていた鈍器代わりの小ぶりな銅像は、高速で振るわれた棒に弾かれナイフを持っていた別の男の顔に命中する。足を払われた男はマグナダインの蹴りを腹に貰って悶絶し、銅像が顔に命中した男は鼻血をまき散らしながら仰向けに倒れる。
一瞬で四人の仲間が無力化された事で我に返ったのか、残りの男達は出口に向かって逃げ出す。
ブン!
何か大きくて重そうな物が空を切る音が聞こえ、出口に向かう男達の最後尾にいた男はチラッと後ろを見る。
そこには空中をこちらに向かって飛んでくる、長机(ティーセット付き)の姿があった。
ドゴォ!!
轟音と共に机は男達を薙ぎ倒し、出口を塞いでしまう。
その頃にようやく受付の男を受け止めた二人の荒くれ者は、受付の男を床に下ろして状況を確認出来た。
自分達以外やられてしまったと言う事実を。
「まだやるか?」
イライラしながら苦虫を噛み潰した様な顔をしながら、棒で肩を叩くマグナダインを見て、二人の男達は諸手を上げて降参した。
……
降参した男達は、自分達がゲイル窃盗団の一員である事、ここがゲイル窃盗団が盗品売買で得た資金の保管場所の一つである事、衛士隊内のシンパと賄賂の受け渡しに使う場所である事、更に色街の奥にある盗品の一時保管所の場所まで洗いざらい吐いた。
「かー! やっぱ当たりかよ。半分以上冗談でゲイルの名前出したのに、何でピンポイントで該当してんだよ、舐めてんのか!」
「マグナダイン、その辺にしとけ。さすがにその八つ当たりは可哀想だ」
マグナダインに怒鳴られれてビクビクしている男達に同情しながら、バアルはマグナダインを宥める。
そんな二人の脇では、スコットが男達から聞き出して探し出した、賄賂の取引記録や贈与指示が書かれた書類を精査していた。
「うわー、下級衛士だけじゃなくて、東大門の警備責任者にも賄賂が贈られてるのか。書類を見る限りでは責任者が入れ替わっても同じ様に賄賂を贈るよう指示されてますね。窃盗団と衛士隊の癒着が常態化してるのか…。これは捕まらないわけだ。この書類貰っちゃ駄目ですかね? もうちょっと調べれば外交カードに出来るかも…」
「駄目だ。一応保管はするが、俺達やクローディア殿等に迷惑がかかりそうになった場合の切り札だからな。場合によってはアンディ殿の知り合いの市議会議員とやらに提出する事になるかも知れん」
「ですよねー……」
ちょっと残念そうにうな垂れながら、スコットは書類を綺麗にまとめてバアルに渡す。バアルはそれを受け取ると大事に懐に収めた。
「じゃあマグナダインは『いくさ丸』が連れて行かれたと思われる一時保管所まで行ってこい。俺達は帰る」
「えぇ、付いてきてくれないのかよ!?」
ファフニールとスコットを促して出口に向かっていたバアルをマグナダインは慌てて止めに入る。バアルは首を回してマグナダインに視線を合わせると、淡々と言葉を連ねた。
「一人で行くのが心細いと言う年でも無いだろう。それにブリジットを迎えに行くのにマグナダイン以外がゾロゾロ付いて行くとそれだけでブリジットの機嫌が悪くなりかねんぞ。女房の面倒は自分で見ろ」
「薄情者~~~!!」
マグナダインの叫びを無視して、バアルは戸口を塞いでいた長机を退けると、ファフニール、そして申し訳なさそうにマグナダインに頭を下げるスコットを伴って帰っていった。
取り残されたマグナダインは風呂の熱気漂う部屋に居るのに、妙に寒々しい気分になった。でもこれからどうなるのか分からずにマグナダインを見上げる、店員の男達二名の心はずっと寒かった。
……
「遅いですわねぇ」
色街の外れの入り組んだ共同住宅街の一角にある、ゲイル窃盗団盗品一時保管所、その中でブリジットは椅子に座って待ちくたびれていた。
ブリジットの周りには大きなたん瘤を頭に生やした盗人が何人も倒れ、縛り上げられていた。ブリジットの傍らには、たん瘤製造機になった『いくさ丸』がある。盗人達は、盗品保管庫で実体を現したブリジットに奇襲され、何も分からぬまま無力化されていた。
「…あら、また来ましたのね」
何者かの接近を感じ取ったブリジットは、そう言うと面倒臭そうに出入り口の脇に立つ。しばらくすると、音も立てずに扉が開き、
パコーン!
快音を響かせて、仕事帰りの盗人の頭に『いくさ丸』でたん瘤を作り出すブリジット。うつ伏せに倒れた男の懐からは他人の財布と思しき袋から何枚も貨幣が転がりでる。
「あん、もう。また拾わなきゃいけないじゃない」
ブリジットはぶつくさ言いながら気絶した盗人を縛り上げ、懐から回収した袋に拾った硬貨を放り込む。
「もう帰っちゃおうかしら。でもマグナダイン様が迎えに来るかも知れないし……。ああこんな事なら何かメッセージを残しておけば良かったわ…。それよりこの盗人達を脅して、救出されるお姫様ごっことかしても面白かったかしら?」
ブリジットはマグナダインが来るまでのしばしの間、盗賊達に囚われた自分を盗人達をなぎ倒しながら救出に来るマグナダインの姿、その勇姿を妄想して楽しんでいた。
バアルの想像通り、マグナダイン一人が迎えに来た事でブリジットの機嫌は大変良くなったそうな。
マグナダインの疲労度は若干上がったが。
本編の制作が難航しており、突発的に短編や本筋外の話が掲載されるかも知れません。
…はい、時間稼ぎです。ごめんなさい。一応次回の投稿は土曜日か日曜日を予定してます。




