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悪魔辞典

作中で登場した悪魔をまとめてみました。ただそれだけの設定資料集です。

若干ネタバレも含みますので、お暇な方とネタバレ上等な方のみお読み下さい。

本稿は作中内で登場した悪魔について記した紹介記事です。ネタバレも含みますので、ご注意下さい。



1.概要


本作での『悪魔』とは、バアル達が追放された世界において過去にその世界の人類と敵対した種族である。『悪魔』の総大将はバアル達とはまた別の次元から来訪した『魔王』であり、バアルと区別して『悪魔王』と呼ばれる事もある。


悪魔に共通の特徴として、見た目が酷くグロテスクである事が挙げられる。また、幾つかの個体は他の生物の精神を汚染する能力も持つ。


それ以外では類似する特徴は少なく、見た目(グロテスクさ以外)も能力も多様性に富んでいる。


では作中内で登場した悪魔を述べていく。



2.作中内登場悪魔


作中内での名称、登場話、定義された名称、作中内での描写、解説、という流れで記述する。

解説部分にはネタバレや本編で記載されていない作者が考えただけの設定も含むので注意。



1:『霧の髑髏』 登場話:22.魔王の力


~森の奥からは、まず白いもやが地を這うように現れた。風向きに明らかに逆らって進むそれは濃厚な粥のように見通しが悪く、あっという間に地面を隠して周りを雪原のようにしてしまう。

 もやに遅れて現れたのは巨大な髑髏だった。大きさが三m程の髑髏は薄緑色の霧で構成されており、その眼窩には仄暗い光が灯っていた。よく見ると、内部に人の上半身の様なものが見え隠れしている。だがその頭部は人でなく、鳥のそれに酷似しており、長い嘴があった。~


解説:樹人トレントの森を襲った悪魔。元々封印されていたが、バアルが岩巨人ハガーと岩投げ対決をした際に、投げた岩が封印を破って復活した。そして樹人の依頼によってバアル達が倒した。(なんと言うマッチポンプ)。


濃密な霧を生み出し、その霧に触れた植物を枯死させ、生物を衰弱させる。小型の髑髏を生み出して敵を襲わせることも出来る。

他の生物に取り憑いて支配し、その者の持つ力や魔力を操って戦うことも出来る。どんどん強い相手に乗り換えていき、最終的にはかなり強力な悪魔になる。バアル達と出会った時には長期の封印によって消滅寸前であったため、強力な存在(バアル達)を求めて襲い掛かってきた。相手が悪かったな。



2:卵の悪魔  登場話:82.君の名は…?  名称:『福音を告げる者』、『悪臭漂う啓発』


~大きさは成人男性ほど。人の形に類似しているが、その体には一切の毛が生えておらず、体色は緑から青、赤に常に変化している。しかもその色はいずれもどす黒く、様々な汚物が蠢いているようにも見える。

そしてその背には体の倍はある大きさの、瘤のような卵のような塊が生えている。霧はその塊から発生し、霧と同等の成分が少しずつその塊から流れ出し、水路に流れ落ちている。腐敗した血の色をしたその液体は水に溶けると透明になり、見た目は普通の水と変わらなくなる。だが、臭気が最も強い部分は液体が流れ落ちている箇所だった。~


解説:少々分かり難い描写だが、男の上に載っているのが悪魔の本体。作中では『悪魔崇拝者』の男と融合した状態で登場。後述の赤子悪魔を生み出す他に精神汚染によって他者の心に語りかけ、その者の秘めた欲望を悪魔に都合が良いように解釈させて、悪魔の望む形で行動させる能力を持つ。仮に精神汚染に耐えたとしても、心の動揺の隙を突いて肉体を直接操る力も持ち合わせている。

また毒液のような液体を排出し、それを媒介に他者を精神汚染する事もできる。この場合は精神を掻き乱される影響で体調不良になる。



3:赤子悪魔  登場話:83.水路の奥に潜む悪


~塊の中から飛び出して来たのは、汚らわしい緑の体色をした頭部の無い赤子、それらが明らかに収まりきれない程の数、飛び出してきた。赤子悪魔達は猫のような俊敏さで水路の足場を蹴って、バアル達の方に向かってくる。赤子悪魔の蹴りを受けた足場は僅かに軋み、場合によってはヒビも入った事から、見た目に見合わぬ膂力りょりょくを秘めている事が窺える。~


解説:上記、卵の悪魔から生み出される悪魔。特段変わった能力は持たず、その外見に見合わぬ筋力と数で敵を攻撃する。卵の悪魔の、一種の防衛機構。卵の悪魔から吐き出される瘴気の中でしか活動出来ず、瘴気が無くなると活動を停止してただの水に変わる。



4:アレンダ女王(偽) 登場話:幕間其の15・小話29 女王と人形のお話


~「『部品』の手入れも貴方の仕事。特に代えのきかないモノはね。……じゃあそろそろ『彼女』に換わるわ、後は宜しくね」~


解説:水晶玉などのくだりから多分皆分かってると思うのでぶっちゃけます。アレンダ女王は悪魔に取り憑かれてます。シルヴェ・アールヴ内で女王の権威を高める為に裏工作を行ったのも全部こいつの仕業。敵対派閥を悪魔崇拝者に仕立て上げたのは、こいつと他の悪魔の合作。何と見事な自作自演。目的はシルヴェ・アールヴを悪魔側に有利になるように操作するため。弟のギルヴェンだけが彼女が悪魔である事を知っている。

尚、話の中でアレンダ女王(偽)が水晶玉で通信を送っているのは『悪魔王マリアベール』であり、悪魔王は女型です。その上で『彼』と呼称してるのは、ギルヴェンに創造主の性別をミスリードさせようとしている為だったりする。(言えない……今更間違いだったとか言えない……)



5:かすみ 登場話:108.旅の再開(+1名) 名称:『霧の悪魔』『虚ろの濃霧』『朧の君』


~外見:霧、あるいは霞のような形状をしている。風などで吹き散らされること無く、一定の範囲を常に霧で覆っている。内部に本体、あるいは中心となる部分があるかは不明。

特徴:遭遇事例は多い割りに、評価がバラバラである。何もしてこなかった、という報告もあれば、酸のような霧で溶かされかけた、という報告もある。異なる悪魔と混在している可能性が指摘されている。

一番の特徴は、その存在の感知の難しさである。霧として現れる事もあれば、薄い靄もやや陽炎として存在する場合もあり、また魔術による感知をほとんど受け付けない。現在でもその姿が時々見つかり、かつ被害報告が無い悪魔でもある。~


解説:数ある悪魔の中でも斥候を担当する悪魔。霞そのものが本体であり、中核となるものは無い。上記特徴にも書いてあるが、魔術による感知をほぼ受け付けない。攻撃能力は自身の組織を変性させて酸の霧にする事ができるが、自分の体積を消耗するので実質自爆と変わらない。

製作者曰く、『今一つなデザイン』と少々不評。



6:『御前』 登場話:111.ガルザック到着


~『御前』の顔に当たる部分、その中の片目の部位に、微かに光る水晶球が埋め込まれている。やがて光は消え、『御前』は緊張から解かれたように首を振る。~

~微かに舌打ちしたのは、人ならざる姿をした影。頭からは髪の代わりに何本もの触手が伸び、蠢いている。

 だが無軌道に動いていた触手は本体の落胆に同調するように、しんなりと垂れ下がった。~


解説:詳しく外見を描写している記述が見当たらないが、成人男性の頭部の髪を触手に変えて、片目に水晶玉が埋め込まれて、顔を多少ゾンビっぽく爛れた感じの外見にすれば大体合ってます。

外見は完全な化け物だが、中身は結構人間に近い。ガルザック内部に潜む悪魔達の作戦司令官。創造主への忠誠は崇拝と同義な程に強い。と言うより、裏切ることなど出来ないように造ってあるんだが。

数百年単位でガンザード中に工作活動を行い、ドワーフ種族主義団体の創設や情報撹乱操作なども行った。竜大戦時は密かにドワーフ側に技術提供を行い、悪魔の屍骸=魔石をゴーレムの動力源とさせる事で天使側との離間工作も行った。

頑張って悪魔の最終兵器『魔神像』なんかも作ったが、全部バアル達に台無しにされた。無念の内に死んでしまったが、悪魔王は『御前』の奮闘に感謝し、その気高い忠誠を讃えた。態々(わざわざ)ガルザックに出向く程に。

ちなみに、『御前』と呼ばれるのは、彼が『悪魔王』と直接連絡を取り合える地位に居るから(『御前に立てる』から)。



7:汚泥の悪魔 登場話:118.才能の開花


~闇そのもの。それは、黒く濁った汚泥の塊か、あらゆる廃棄物を混ぜたスープか。蠢くその姿の中に在るは、古びた剣や槍、人骨や動物の骨、光を放つ水晶。 悪魔と人との戦の残骸。それらが余さず含まれているようだった。過去の残骸をその身に湛えた存在あくまは、言ってしまえば単なるスライムだ。 大きさが、広場の四分の一を占める程である事を除けば。~


解説:正確には悪魔では無く、そのなれの果てである。カルニウェアンの開発した悪魔誘引波によって活性化され動き出した、『悪魔のアンデット』みたいなものである。

溶けた悪魔の肉や血液と生物の屍骸などが合わさり、酷い悪臭を放つスライムになっている。元の悪魔の能力などは持たず、巨体で押し潰すか、内部の生物の屍骸をアンデット化させ(主にスケルトン)、攻撃させる。原形の製作者曰く『姿は変わっちゃったけど、まあまあかな』らしい。



8:いわおの悪魔 登場話:119.ニューメンバー・動物王国


~バアルの降伏勧告を拒絶したのは元ドワーフ。彼の体は内側から膨れ上がり、皮膚を突き破ってごつごつした鱗のようなものが生え始めている。鱗が全身を覆えば、岩で出来た大男に見えるのでは無かろうか。~


解説:ドワーフから変化した悪魔。生半可な武器では傷も付かない表皮と、ゴリラサイズのマルガラルドに拮抗するほどの筋力を持つ。それだけと言えばそれだけだが、攻撃力据え置きで防御力で鉄ゴーレムを上回る悪魔と考えれば結構厄介。

悪魔化の技術は、大本は勿論悪魔王だが『御前』がアレンジを加えて秘匿性を増している。変身前ならば天使の探知能力にも引っ掛からないが、逆に変身前の段階では一般人と能力的には変わらなくなる。

技術提供者的には『あの子のセンスって、少し私からずれてるのよね』と、デザインに物言いを付けたい様子。



9:蛸の悪魔 登場話:119.ニューメンバー・動物王国


~元人だったものは、四肢が細く長く柔軟に成っていき、触手のように蠢き始める。皮膚は薄緑色に変色し、顔は蛸のそれに近く変化していた。~


解説:人から変化した悪魔。触手モノ。外見はともかく、内面は魔力の増強と魔術への適性が強化され、高度な魔術を使ってバアル達を攻撃した。魔術による敵の分析を行い、仲間を援護する役割を担う。

『御前』が造り出した悪魔化の能力は遊びの要素が少なく、実用性を重視している面が強い。その為、外見は割りと大人しめなグロテスクさに成っている。『………』やっぱり外見が不評。



10:恐竜の悪魔 登場話:119.ニューメンバー・動物王国


~犬獣人の体は一度巨大な狼男の様に膨張し、その後全ての体毛が抜け、皮膚は硬化し鱗のように変化し始める。骨格も恐ろしく変わり、伸びた口には牙が生え、変化が止まった時には古代の恐竜を連想させる姿に化けていた。~


解説:犬獣人から変化した悪魔。爪と牙から毒が分泌され、傷つけた相手を確実に弱らせ殺す様に出来ている。素早さも高く、巖の悪魔が重戦士タイプに対してこちらは軽戦士タイプ。この悪魔も含めて、大体の悪魔は搦め手から攻める事が多い。毒を持っていたり、精神攻撃をしてきたり、相手を衰弱させる瘴気を出したりとえげつない。



11:サム 登場話:121.狼煙


~何かを嚥下した音と共に、左横に居た襲撃者の黒衣から幾つもの節がある長大な腕がファフニールを絡めとろうと伸びてくる。~

~伸びてきたのは、瀕死のサムが伸ばしたもう片方の腕だった。浅い呼吸を繰り返し、壁際から動けないながら、極端に縦に長く変形した顔を晒した人間のサムは、血走った目をファフニールに向けてくる。~


解説:バルドロメア王城にカチコミをかけた、種族主義団体の一員サムさんの変わり果てた姿。変化直後は節があるが、全身を軟体化させることが可能。相手の攻撃を柔軟な動きで避け、鞭のようにしなり伸びる腕で攻撃する。悪魔化した者の中では、比較的大人しく地味な能力。しかも強力過ぎるファフニールの力には全く歯が立たなかった。『御前』は「悪魔化しても大して強くならない奴も居るんだな…」と嘆いていた。



12:ゴーラ 登場話:121.狼煙


~だが巨大な雄山羊のような声と共に、ファフニールより二回りは大きい球体が、ファフニールに突撃してくる。~

~球体は膨れ上がった肉の塊であり、その表面には汚らしい汁を垂れ流す疣いぼが無数に生えている。滴り落ちた汁は、床にどす黒い染みを作り、異臭を放つ煙を発生させている。~


解説:種族主義団体の一員その二、ゴーラ。酸を体から分泌し、巨体で押し潰すように攻撃したり酸まみれの拳で殴りつけたりする。接触すればどちらにしろダメージは避けられず、斬り付けたり殴りつけたりすると酸が飛び散ってダメージを受ける。接近戦要員の天敵。遠距離攻撃出来れば然程脅威ではない。ゴロゴロ転がって突撃されないよう、十分距離と地形に注意しよう。なお、悪魔化能力者の中では珍しく技術提供元の評価は高い。『あのいぼがイイネ!』



13:ベロス 登場話:121.狼煙

~アインはスコット達に向かう男を茨の鞭で牽制しようとするが、それより早くベロスがアインに襲い掛かる。アインは上下から繰り出された斬撃の一方を茨で、もう一方を魔人剣で受け止める。

 アインの眼前には、二体のベロスが居た。~

~台座に横たわっているのは、ドワーフ同程度の身長を持ったガリガリに痩せた小男だった。その頭部は髪も髭も一本も無く、顔のパーツが目以外、極端に小さくかつ中央によっており、目そのものは通常の二倍以上の大きさになっている。~


解説:種族主義団体の一員その三、ベロス。実体を持つ分身を出現させ、敵を奇襲する。最大二体までの分身を出せるが、分身するごとに性能が劣化する。また分身そのものも時間経過で消え去る。利点としては、装備も一部コピーできる(魔術武器などは不可)こと。これもまた地味な能力だが、接近戦においては工夫次第で結構使える能力でもある。『御前』は悪魔化能力者それぞれに適合する能力を付与しているが、必ずしも強力な能力を与えられない事に難儀していた。純正悪魔は元の体から調整できるので、幅広く、個性的な能力を持つ事が出来るのである。



14:ナメクジの悪魔 登場話:124.邂逅


~細長い棒状だったそれは空中で広がると、人間の形に変化しながら着地する。全身がナメクジの表皮を思わせる皮膚に覆われたその悪魔は、ナメクジそのままの頭部をグレーテルに向けると、眼に憎悪を滾らせて突っ込んでくる。~


解説:ガルザックの地下坑道、その奥にある悪魔達の本部に居た悪魔。体を柔軟に変化させる点は上記のサムに似ている。サムと同じ様に格闘戦に秀でる他、自爆能力を持っており敵に絡み付いて自爆し相手を殺す仕様。それをいなしたグレーテルは流石、天使軍の隊長格である。ロリ体型だけど。



15:隠密系の悪魔 登場話:124.邂逅


~「隠れている悪魔が二体居るわね。どちらも隠密系の悪魔で、部屋の隅と机の陰に透明化して潜んでいるわ。他に目立った特殊能力は無し、武装は多分毒の塗られた短剣くらいでしょうね」~


解説:上の文章にあるように、透明化して姿を隠せる以外に特殊能力が無い悪魔。本当の姿は、内臓だけ見えてそれ以外が透明の人間、のような生物。グロイ。製作者曰く『ちょっとスランプの時期にできた子』。



16:『魔神像』 登場話:116.王と王 (動き出したのは、125.産声 から)


~ 作戦室の窓から見えるのは、忙しなく動く百人以上の人影、そしてそれらの影が群がる一つの巨大な人の像だった。生皮を剥がれた人体の各所から、腫瘍のように水晶の様な塊が突出し、それぞれ七色に明滅しながら巨人を照らしている。水晶以外の場所は隆々たる赤黒い筋肉に覆われ、微かに脈動している。その顔面に目は無く、虚ろな眼窩の奥には闇が広がり、口からは鋭い牙が無秩序に生えている。そのおぞましさは常人が見れば恐怖か、或いは吐き気によって目を逸らさざるを得ないだろう。~


解説:ガルザックに潜んでいた悪魔達が造り上げた、対天使及び黄金竜用決戦兵器。ガルザックの地下に豊富に存在する悪魔の屍骸や悪魔自体を素材に造り上げた兵器である。その巨体は、実は格闘戦をあまり想定していない。体の各部位から無数の悪魔が出現し、魔術によって敵を圧倒する移動砲台として造られている。また本編中ではバアルにした使っていないが、広域に精神汚染を行う能力などもある。また毒やら瘴気やらを吐き出す悪魔も体内に居り、必要に応じて体外に出現し、敵を迎撃する。


本編中ではカルニウェアンの開発した悪魔誘引波、もとい悪魔活性化波によって暴走状態になり、十分な性能を発揮できず破壊された。

しかしその遺体は悪魔王の力によって再構成され、ミスリルゴーレムの肉と成ってガルザックに災厄をもたらした。



17:花の悪魔 登場話:137.ウォークライ・動物王国 & エルフの友達


~全体の大きさは鉄ゴーレム二、三体分ほどであろうか。その胴体はナメクジで出来ているが、頭部は大輪の花である。花の内部はまるで内臓器官のようである。中央の雌しべ部分は柱頭の先端が口になっていて、歯の隙間からは長い舌が出たり入ったりしている。雌しべの周りに放射状に展開する雄しべの部分、その先端は兵士達の頭部に付いていたのと同じ肉塊が付いており、触手を蠢かせている。~


解説:ガルザックを襲った悪魔の内の一体。もう二体同じ仲間が居る。頭部が美しい大輪の花になった巨大なナメクジであり、その花の中の雄しべの先端にある肉塊を死体にくっ付ける事で死体を操る。雄しべの肉塊は再生する。死体が大量生産されたガルザックにおいては容易に戦力を拡充できた後方支援系悪魔。また肉塊そのものも一回程度は攻撃魔術が使え、斥候役や緊急時の攻撃役として機能。製作者は『美とグロテスクの融合を模索してみた』との談。なお、どちらがグロテスクかは……。



18:老婆の悪魔 登場話:140.血の饗宴


~体は黄金率の粋を極めたような整った女性の裸身。だがその肌の色と質感は石膏のように無機物的で、滑らかに動く人形の様だ。そして最もおぞましいのはその頭部。そこには人頭大の、両膝を抱え込んで座る醜悪な老婆が鎮座していた。女性の首から上に小人が座っているような状態だが、老婆の足と臀部が胴体の首部分と癒着しており、合わせて一個の生物であると分かる。老婆の頭からは長い黒髪が伸びていて、その長さは胴体の女性の脹脛くらいまである。後ろから見れば裸身の女性にしか見えないだろう。~


解説:老婆の体が頭部でその下が若い女体と言う、体だけ見てホイホイよって来た男を発狂させる悪魔。その能力は精神汚染系特化。生きている個体限定だが、一般人や一兵士程度の意思の弱い対象を自由に操れる。上記花の悪魔とは対を成すような存在。また精神惑乱波を発生させ、頭上の王冠がチャージ状態を示す。今回のガルザックの騒乱の為に急遽造られた若い悪魔。その為、吸血鬼に対する知識不足から、真の吸血鬼になったカミラに敗北する。『デザインに凝り過ぎて、必要な知識を授けられなかった。ごめんなさい……』 製作者は沈痛な面持ちでそう溢した。



<以下、少しずつ更新予定>

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