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スターチス  作者: 檸檬
1/4

一輪




「リィっ!!」


「ん?」



あたし、結城璃緒yuuki-rioを呼ぶのは

双子の結城玲緒yuuki-reo



「帰ろ♪」



玲緒や少ない友達以外には無愛想なあたしと

違って、人懐っこい玲緒。



「ごめん、用事あるから先帰ってて」



そういうとシュン...となる。


でも仕方ない。



「たまにはハルと帰ってあげな?」


「用事終わるまで待ってる!!」


「ハルが寂しがってるよ」



ハルとは井浦春樹iura-harukiの事で、

玲緒とあたしの幼馴染で親友。



「誰が寂しがるか!!」


「ったぁ...」



一応あたし女なんだけど。



「ハルも待ってればいいじゃんっ」


「イヤ。ほら、帰るならさっさと帰るぞ」



二人が教室を出てくとき、

ハルがこっちをチラッと見た。



「璃緒、終わったら電話しろよ」


「ん、了解」



ハルは知ってる。

あたしの“用事”が何なのかを。



「リィ早く帰ってきてよーっ!!」



引きずられながら叫んでる玲緒に

軽く手を振って“用事”の場所に向かった。



ーーーーーーーーーー.....



「おっそぉーい!!遅刻よぉ結城さん」


「.....。」



体育館裏にはケバいパンダ数人。



「ちょっと聞いてるの!?」



耳障りな声、耳塞ぎたいくらい。



「〜っほんっとムカつく!!」



ケバい化粧のパンダ集団のリーダーっぽい

パンダAに肩を押されて尻餅をついた。



「キャハハッ!!だっさーい」



あーうるさい...



「気、済んだ?」



見上げて無表情のまま言った。



「っ!やっちゃって!!」



顔が真っ赤になりながら仲間に命令。



「泣けきなさいよっ!!」



パンダ数人に殴られ蹴られ。

それも見えない所に。



「今日はこれくらいにしてあげるわ」



数分経つとそう言い残して去って行く。


一週間に1、2回。


玲緒やハルと仲良くしてるのが

パンダ達は気に食わないらしい。



「もしもし?ハル?ん、終わった」


「は?帰れる。...わかったよ。

いつもの所だから。じゃぁね」ピッ...



ハルにはたまたま見られてしまって、

その日からコレが終わったら迎えにくる。



「璃緒...大丈夫か?」


「大丈夫」



差し出された手をとって立ち上がる。



「玲緒にはいつ言うんだ」


「言わないよ。あの子達は玲緒が好きな

だけなんだから」



だからといって距離を置くつもりも

さらさらないけど。



「っ...お人好し馬鹿」



優しいハルに何もするなってのは

キツいってわかってるけどダメ。



「早く帰らないと玲緒が拗ねるから帰ろう」



拗ねたら多大な被害がこっちにくる。



「あぁ、帰ったらまず湿布とか貼れよ」



どこまでも心配性..




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