表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/114

第87話 ケリと、助けと、反乱の兆し

Side:ダイナ


 夜の王都を颯爽と歩く。

 とっても晴れやかな気持ち。

 もっと前に裏切れば良かった。


 夜の住人が私に興味を抱いて近寄ってくる。

 駄目よ、足音なんかさせちゃ。

 そんなのでは物取りも出来ない。

 針を口に含むと振り返り様に吹いた。


 ぎゃっと声がして性別も分からない人間は暗がりに逃げる。

 毒を使わなかったのは良い気分だからよ。

 運が良かったわね。


 そういう輩を何度が撃退してバリアブル邸に着いた。


「奥様に言い使った御用を果たしていま帰りました」


 通用門でそう述べて中に入れてもらう。


 素知らぬふうで屋敷に戻り、ノンポーラ奥様にタイト殺害の偽報告に行く。

 隙を見て毒の短刀で一刺し。

 これで問題ないわ。


 奥様の部屋に行くと、奥様とニオブ坊ちゃまがいる。

 不味いわ。

 二人同時はちょっときつい。


「さぁ、いい報告を聞かせて」

「タイトは」


 そう言いながら近寄った。

 間合いに入ったので短刀を抜く。

 奥様が異変に気づいて笛を取り出した。


 間に合うか?

 何を思ったのか傍に居たニオブが笛を取り上げた。

 おまけに奥様の口を塞ぐ事もしている。


「早く」


 私は奥様に短刀を突き立てた。

 短刀が刺さったのを見るとニオブはニンマリ笑い、奥様から手を離した。


「おのれ、あれに気づい……」

「何か言いかけてましたが」

「気にする事なんてありませんよ。あいつらが言う事はみんな醜い嘘ですから」


「何で助けてくれたの」

「貴族はみんな敵です。それを殺そうとするのは味方。単純でしょう」


「それで私をどうするつもり」

「もちろん、見逃しますよ。平民ですから。ああ、その短刀は預かっておきます。捜査が始まって見つけられるのはまずいでしょ」


 暗器を他に持っているので、大人しく短刀を渡す。

 もしこちらに掛かってくるようだったら。


 短刀を受け取り、行きなさいと手で示すニオブ。

 部屋から出ると後ろから声が聞こえた。


「母上が刺されました。犯人は黒ずくめの男です」


 そう言っている。

 親子の仲がはたんしてたのかしら。

 おかげですんなりと屋敷から出る事が出来た。


Side:タンタル


 ノンポーラが殺された。

 誰がやった。

 許さん。

 わしは怒りに震え拳を机に叩きつけた。

 部屋にニオブが入って来る。


「父上、母上はバリアブルの周りの領主に殺されたのに違いがありません。そして裏で糸を引いているのは王族です」

「なんだと」


 そうか。

 奴らが殺したのか。

 あり得るな。

 貴族にとって陰謀は日常茶飯事だ。


「相手は強大です。ここは怒りを抑えて力を蓄えましょう。余剰の予算があったら全て軍事に回すのです」

「そうだな。復讐してやる。報いを与えてやるぞ」


 ノンポーラ、何故死んだ。

 王族と言えばタイトだ。

 奴が裏で糸を引いているに違いない。

 殺し屋は生ぬるいな。

 やるなら、タイトの知り合いを全員抹殺だ。

 タイトの目の前で彼らをなぶり殺してやる。


 その為には軍だ。

 反乱軍だ。

 それしかない。


Side:偽ニオブ

 上手くいった。

 勢いでノンポーラを衝動的に殺してしまったけど。

 上手く転がった。

 彼女には感謝してもしきれない。


 僕は自室で笑いを堪えた。

 ノンポーラが死んで笑っている所を見られたら、破滅だ。

 これから、喜劇でも見に行って思いっ切り笑ってこよう。


 さて、今後の計画だ。

 今まで兵士を増強してきたけど、私兵では限度があった。

 これで本格的に戦争の準備が出来る。

 お金がまだまだ必要だね。


 どんどん稼がないと駄目だ。

 そうだ。

 盗賊に貴族だけを襲わせるレジスタンスを結成させよう。

 攻撃用の魔道具を横流しして支援すれば、そこらの兵士や護衛では敵わないだろう。

 貴族を殺しておいて、さらったふりをして、身代金を要求しよう。


 きっと儲かるぞ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ