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先ずは女物を買いに外出だ

 ガバッと跳ね起きた。

姫を見ると薄目をあけてむーと息を吐いただけで起きようとはしない。

タオルケットを引きはがすとすっぽんぽんの姫が現れた。

人肌で暖める時裸にしたからだ。

向き合った状態でYシャツを脱がすのは結構大変だ。

姫は協力的でなかったから上側を脱がしてから下側を脱がす。

おっぱいがむぎゅーとぶつかりあってこすりあうけどしょうがない。


その姫の肩の山と腰の谷と尻の山と脚の稜線がこのうえない曲線で現れた。

まったく女体というものは! 

ずっと見ていたいけど、そうはいかない。

「起きろよ」

「なんで?」

 するまでもないやり取りだった。

「とにかく起きろよ」

 そういうと、タオルケットにくるまって起きた。

お前はテルテル坊主かそれとも雪だるまか、まあどうでも良いけど。

さてどうやって分からせよう。思案してまあまあの論理を思いついた。

「君の存在は一大事だよ。分かる? 逆に女人界に僕が現れたら大騒動になるだろ」

 うんと、知的に頷いた。ポン・シャオランかお前は。


 いや、これは誤りだ。女人界には男は居ないけど、人間界には女は居る。

そうか、人間の女にすればいいわけだ。

さて、どうやって? 

母のを使うのは考えただけで恐ろしい。

女物を買いに行こう。

でも一人にさせるわけにも行かないな。

なにをするか分からない。

そうすると連れて行かないとならない。

頭は帽子とマスクで何とかなるかな。

胸はどうしよう。

布を巻いておっぱいを背中に持っていけば良さそうだ。TVで言っていた。

そうするとケツだな。

誰が見ても女のケツだ。

隠しようがない。

腰の括れがあるからケツが目立つ。

そうなら腹をおっさんみたいにすれば良い。

我ながら頭がよく働く。

薄い布の代名詞、手拭いが幸い一杯ある。

胸に巻いてホッチキスで止めた。

腹にはタオルだ。

姫はワイワイ抗議したけど、なんとか下地は出来上がった。


夏だからな、ズボンとYシャツを選んでやった。

完成したけど、なんか女っぽい。

マスクを取って髭を描こうかな。

後はリュックと汚い靴があればなんとかなるだろう。

やや満足して状況を確認すると、なんと姫が男装して僕は裸だった。

急に恥ずかしさが襲ってくる。

慌てて姫に脱がされたパンツを拾い、ささーとズボンとシャツを着た。

裸が急に懐かしい。


 パソコンに人間の女を表示して、この格好になって欲しいと頼んだ。

興味深気に見て、それから受け入れた。

視線の先が気になって見るとショートパンツタンクトップの女が居た。


玄関では僕のよれよれで気に入っているスニーカーを履かせた。

ぴったりだ。大きな体が役に立った。

表に出ると、うへーなにこれ!と胸を抱いて竦んでいる。

道路と密集している建物に驚いたのかな。

「気色悪いー」

 振り返って僕の家を見せ、

「今まで居たところ、僕の家だよ」

「いえー ???」

家もわからないのか、ひょっとして何もかも共同所有の共産主義社会なのか。コンクリート地面に、

「いやー、これ。歩けない」

 と仰った。女人界にはコンクリートは無いのかな。

「人間界にようこそ、歴史的な一歩だね」

 と人間界を代表して歓迎の言葉を述べるとまんざらでもないような顔をした。

単純なのか姫なのか。


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