セックスの概念なんか姫に知られたら人類は破滅だ
翌朝、母親が、マモルどこでお風呂に入ったの? と追求された。
やばい! 匂いが残ったか。
風呂なんか入っていないと抗弁した。
じゃなに? この匂いは? と追求は止まない、目が怒っている。
万事休すか。だけど本当のことを言っても信じてもらえない、どうしよう。
あっ夜錬の後シャワー浴びたんだ、と思い出したように言ってとぼけた。
じゃ、夜錬ってなに?
追及は止まない。
姫の事を思い出しながら、歌やダンスや勉強なんかがセットになった新しいクラブだよ、と作った。
怪しみながらも認めるようだ。
で考える間を与えず、朝練だ、と飛び出した。
ご飯は? 弁当は? 声が追いかけてきたが、要らないなんとかする、と一応返事は返した。
返事を返すは、変かな。
朝、昼、晩と忙しいけど夜はしっかり寝ているから体力的にはなんの問題も無かった。
それで3日目、ホテルでもそろそろ噂になって来たから、ホテルを変えた。
チャリの時間が少し伸びただけだ。
姫の様子がおかしい。映画が全く理解できない、と人間界全体に不信感を持ったように話す。
勉強にと映画を薦めたけど、女人界の姫に、男優位の人間界は理解の範囲外の様だ。
恋に愛に夢中の女や喧嘩と殺し合いの男が理解できるわけないなと思うけど、姫は遥か下界の出来事とはっきり断絶して捉えたようだ。
突然に、僕の頭を女人界の婆ァが占めた。
うわーとひっくり返ってしまった。
何か良く分からないけど、警告している、人間界を滅ぼすと警告している。
僕に警告されても困るけど、何を警告しているのか良く分からない。
婆ァとの間にしっかりした通信があるのではないようだ。
でも圧倒的な力で警告を発している。
なんだろう、なんだろう。
映画を見せたことかな。
でも姫は映画を下界の出来事と無視している。
じゃなに?
セックスかな。
突然頭中に警報が鳴り響いた。
うわー、セックスなのか。
一体どういうことだ?
映画なんかで見せちゃいけないってことかな。
わーわー警報がそうだという風に鳴った。
見せちゃいけないと言われても溢れているから難しい。
警告がグワングワン鳴って、人類を滅ぼすぞ、と頭中を占領した。
うわー耐えられない。
分かりました、と堪らず返事をしたら、急に元に戻った。
姫の顔が目の前にあった。
十分に心配そうな顔をしている。
その顔にちょっと涙が出そうになったけど、なぜか堪えて、女人界の婆ァって一番偉いんだよね、と確認したら、婆ァがどうかしたのと逆に質問された。
なんか今ね、婆ァが出てきたような気がしたんだ、と答えると、
当然のことのように、なんで? と聞かれた。
なんで? と問う気が知れない。
ほんとう? とか、うそ! とかじゃないのか。
姫が一番に婆ァが現れた理由を知りたいと思ったのはどうしてだろう。
姫たちは婆ァに導かれていて、ただ自然な欲求で求めたに過ぎないのかな。
でもなんでがセックスのようだとは言えない。
とにかくセックスを姫から隠さなければならないようだ。
では、出産は? 一撃で人類は滅ぼされるかな。
でもどうすりゃ良いんだ?
まさか1歳の子供に留めて置かなくちゃいけないのかな。
では僕の病気はどうなる。
かなりやばいんじゃないか。
だけど病気にはなったけど不思議とその先の事は思い浮かばなかった。
ただ病気になるだけの男だから姫は僕のところに来たんだろうか。
或いは婆ァに操られて僕はそんな気にならないのか。
そうなら病気になっても大丈夫と思って良いのかな。
触らせるのはまずそうだな。
幸い触られたのは一度だけで、姫がそれ以上の興味を示さなかったのは
単に運が良かったのか、
姫もそんな興味は湧かないように操られているのか、
いずれにしても偶然でも接触しないように十分注意する必要はありそうだ。
ニャンと頭に響いた。
そうだと言うのかな。
婆ァは植物界・動物界に準ずる亜界の支配者だからな、
遥か下位のサピエンス種なんてアリを踏みつぶすより簡単かもしれない。
なんか急に姫を抱きしめたくなって前からむぎゅッと抱いた。
いい気持だ。
ただ病気なってはいけないようなのはつまらないけど、
病気だった状態で抱きついたことがあったから、
それは大丈夫らしいと安堵して病気なって、
病気で抱きつかないでと言ってるでしょ、と断られた。




