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人間界の勉強にぶらついたら、羨望の眼差しばっかり

こんな幸せな時間をそれも2時間弱持てる高校生は居ないだろう。

でもあっという間に過ぎてしまうから、

また着せてベッドに寝かせつけ、

12時30分になったら来るからと絶対に外に出ないで誰も部屋に入れないように念をいれて、

学校に行って4時限授業を受けてホテルに戻った。

昼食を2人分頼んでまた一緒に食べて、

大騒ぎになるから裸にならないで外にも出ないでとまた言い聞かせ、

3時40分になったらくるからと午後の授業を受けに学校に行って、

ひょっとしてサボっても良かったかなと一瞬頭によぎったけど友達とも会話しないでダッシュでホテルに戻った。

やれやれようやく落ち着ける。チャリよ有難う。


「さあ、人間界の勉強に行こう」

 姫様、と付け加えて、姫と呼ぶのは結構浮き浮きさせる、と気付いて、姫様、ともう一度呼びかけてみた。

「なに?」

 と、ぼけた顔と声が返ってきた。

 人間のルールを説明しながら街を案内するのは大部面倒臭いけど、

知的なポン・シャオランだから理解は早い。

ニコルンだったら気が狂うほど大変だろうなと思った。

ずっと手を繋いでいたから知り合いに見られたら五月蠅いことになるなと、

やや心配していたら、

僕をいつも揶揄って嬉しがっている同級生が前からやってくる。

でも全然大丈夫だった。

3人はポカンとして硬直して目だけがすれ違う僕らを追っている。

額をポンと押せばカランと倒れそうだ。

振り向くと彼らも振り向いていて呆然としていたから、

姫の腰を抱いてグイと引き寄せた。

今度から、君達僕を揶揄うなんて100年早いと言ってやろう。

憧れの3年生ともすれ違った。

彼も驚いている。

姫がすれ違う彼をずっと目で追っていた。

なぜ? 

人間界の男子でもチョー一流はお眼鏡に適うのかな。

僕は晴れがましかったけど、ちょっと嫉妬した。

「なんかシンパシーを感じたの?」

 シンパシーってなに? って聞かれたから、

気になるとか同類の親しみを感じるとかって答えた。

否定はしなくて、分からないと返事が来た。

女人界だからな、男は関係ないはずだ。

でもひょっとして彼が男人界の男だったら??? 

でもまあ、男人界と交流はないはずだから気の回し過ぎだ。

だけど人間界に彼ほどの資質を持った男が居るだろうか、と一抹の不安もよぎる。


逢魔ヶ時が近づいてきたから、今日から夕練と夜練だ、と電話で宣言したら、何急に、と面倒になりそうだったから無視して切った。

さあ夜までたっぷり時間が出来た。

街で遊びまわるか、ホテルで裸で過ごすか、

裸の時間は1時間くらいにして遊びを優先した。

姫は、僕が嬉しくて得意満面だって分からない。

ただ珍しがってキョロキョロしている。

あまりキョロキョロされるのはエスコートしている者の立場が立たないから堂々としているように頼んだ。

姫なのに堂々が分からない。

どうやら軽い姫らしい。

賑わっている居酒屋に入ってジュースと軽い副菜を食べた。

でも一斉に浴びせられた遠慮のない視線が自慢してやろうとの意図に反して直ぐ煩わしくなった。

ゲーセンに行こう。

姫連れだから先生も文句は言わないだろう。

夢中になられると困るから手ほどきだけして強制終了した。

カラオケに行こう。

姫は歌が上手だった。

イギリスの番組でも優勝できそうだ。

いや、ぶっちぎりの優勝だ。

天上の姫の歌声はうっとりを通り越して浮遊させる。

体中の細胞が離れ離れになって歌声に合わせ揺れる。

その調べは姫の体に溶け込んだり放たれたりする。

姫の歌は長い、延長コールが来て我に返った。

姫の歌は、女人界の歌は長いそうだ。

歌い始めると半日くらい平気で歌うそうだ。

今度一日聞いてやろう。

歌のプレゼントの次はスッポンポン褒美だ。

ホテルに戻ると、案の定、直ぐ脱ぎ捨てスッポンポンになった。

下界の人間の女も見習うべきだ、

いや下界でも女優やアイドルには裸になる人が多いようで、TVで披露している。

でも裸だとアピールする理由は分からない、

何か魂胆があるはずだから姫の自然さには及びもつかない。

僕は病気にならなかった、おかしい、なぜ? もう裸に慣れちゃったのだろうか。

風呂に入ろう。

姫を撫ぜ回し洗ってやったら無事病気になった。

心残りだけど十分満足したから家路についた。11時だった。


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