『お姫様になりたい』
始めて書きました
『お姫様……
「…………たい」
「きゃー!お嬢様!!」
「お医者様を…!!」
(う〜〜ん、あら?この光景…?見たことあるわ
そう、私は……トラックに轢かれたんだった。)
トラックとぶつかった時目の前にホタルのような光があって思わず掴んでた…次は幸せになれれば…そう願ったのを覚えてる…
…っ……ぅく…ふ…ぅ…
(?泣き声?)
朧げな空間をただ声が聞こえた方向に進むと
居たのは小さな女の子
「どうしたの?」
驚かせないように声をかけてみたけ女の子はビクッと驚いた様にこっちを向いて
「だぁれ?…お姉ちゃん…?」
「私はクラリッサ どうしてここにいるの?」
「わかんない…だぁれもこなくて…ぅう…」
「あ、泣かないで、大丈夫だから
そうだ、一緒に来ない?」
手を差し出しながら女の子を誘う
「(あ〜おねぇちゃんの同じ…)…行く…」
おずおずと伸ばされた小さな手を握ってこの空間を出てみた
「お嬢様…大丈夫ですか?痛いところはございませんか?今、お医者様をお呼びします」
見慣れた侍女の言葉にうなづいて自分の中にいる女の子に声をかけてみた
(いるかしら?)
(うん、いるよ…お姫様の部屋〜すご〜い!)
(お姫様になりたいの?)
(うん!)
(名前は?なんて呼べばいいかしら?)
(ぁ…ぉぃ!クズ!【みいな…みいちゃんね】
みいちゃん!みいちゃんていうの!)
(そうみいちゃん、可愛い名前ね)
ここは、天国みたい
おひめさまみたいなおへや
おひめさまみたいなようふく(ドレスなんだって)
そして、おひめさまのベット
みいちゃんも、おひめさま〜クスクス
あれからちょっとした出来事もあったクラリッサおねえさんのおとうさんとおかあさんにあったの
やさしそうでクラリッサおねえさんに似てた
みいちゃんが、いることも許してくれた
ふふ、許すって言ってもクラリッサおねえさんについてきただけだからみいちゃん
おうちもおにわもすごく広くて大きい
公爵の中ならみいちゃんも出ていいんだって
だから、おにわのおさんぽに行って、おはなをおじいさんからもらうの〜
きれいだから、クラリッサおねえさんのおかあさんにもあげるの
すごく喜んでくれてみいちゃんはうれしい
おひめさまみたいなクラリッサおねえさん
おうじさまはいるのかなぁ?
そうみいちゃんが思ってたとき現れたの
おうじさまが
「おい!クラリッサ聞いてくれ!」
突然現れたキラキラしたおにいさん
「わぁ〜!ピカピカしてる!おうじさまみたい!」
「えっ??ど、どうしたんだ?クラリッサ?
まだ、体調が悪いのか?頭でも打ったのか?」
目の前のおにいさんがすごくあわててた
「ウィル殿下、お部屋に案内致します
奥様が、お待ちです」
「えっ?あー叔母上が…ああ…わかった
クラリッサも来るか?」
「はぁーい!」
きちんとみいちゃんは返事できるもん
「叔母上…ご機嫌よう
前触れなしの訪問、申し訳ない」
「ふふ…いいのよ
気になってたいる侯爵令嬢と
婚約のお話しが出ているのでしょう?」
「か、揶揄わないでください、叔母上
それよりも、クラリッサはどうしたのですか?
何かあったのですか?」
「まあ、あったと言ったらあったかしらねぇ
クラリッサ?説明できる?」
みいちゃんが、出てたとは言え令嬢として有るまじき失態に顔から火が出そうだけど淑女としてここは澄まして
「はい、大丈夫です
殿下、ご機嫌よう
先程は、お見苦しい姿を見せ申し訳ありません」
深々と謝罪する
「あ?い、いや構わない
それよりも理由を知りたい」
(まあ、そうなりますよね?)
(クラリッサおねえさん、ごめんなさい〜)
(みいちゃんが、気にすることないわ
王子様が現れれば、誰だってびっくりしちゃうもの)
「殿下…実は…」
「そんな事があったのか?いや、あったんだな」
殿下は感心したようななんとも言えない顔をしながらこっちを見ていた
「んん、で、今日はいきなり押しかけて、どうしたのですか?」
(切り替えて行こう)
「えっ?あー、あれだ…あの 、その、」
挙動不審で落ち着かなくバタバタと腕を振り回して
(マナーの教師に見られたら怒られるわね)
「落ち着いて下さい
そんなに意中の令嬢との婚約が嬉しいのですか?」
「な!ち、違うぞ!まだ!婚約してない!」
顔どころか身体中赤くしてるんじゃって思うほど真っ赤に茹で上がってた
(婚約したら、この人どうなるんだろう?)
「あーそうなのですね…
それで、本当にどうしたのですか?」
「ああ、実は…」
「令嬢とどうすれば進展するかですか?」
「せっかく、婚約の話が出ているんだ!出来ればこのまま婚約したい…だから…女性に聞けばいいかと…思って…」
段々と勢いを無くして最後は小声になってしまわれた
(おはな〜♪)
(みいちゃん?)
(お花あげれば、よろこぶよ♪
クラリッサおねえさんのおかあさんも喜んでくれたし、クラリッサおねえさんも嬉しいでしょ!)
(ふふ、そうね
みいちゃんがあげたお花、お母様も喜んでいたものね)
「何かいい案でも有るのか?」
食い気味に問いただしてくる
「みいちゃんが、お花をあげれば良いと言ってます」
「みいちゃん?ああ、先程の…もしよければ少しそのみいちゃんとやらと話せるだろうか?」
(どうする?みいちゃん)
(うん、いいよ〜おうじさまとおしゃべり〜)
「いいそうです、殿下」
「おうじさまー!でいいの?本物?
クラリッサおねえさんのおうじさまじゃないの?」
「はじめまして、みいちゃん?でいいのか?」
「うん!みいちゃんです!なんて呼べばいいの?(首傾げ)」
「ああ、俺、私はウィルだそう呼んでくれ
みいちゃんで、お花をあげるとは?」
「おはな、もらえるとうれしいから!
あげようよ」
「ご令嬢はまだ領地にいてな〜今あげても着く頃には萎れてしまうだろう…」
「その人には、会える事があるの?あえるときにあげればいいんじゃない?」
「休みが終われば、学園も始まるし、その時にはご令嬢もこちらにくるだろう
そうか、ならその時にでも花を贈ろう
後、どうすればいいかな?みいちゃん」
「んん〜んん〜(みいちゃんが寂しくないようにお手紙書くね…)
あ!お手紙!お手紙かくとうれしいよ」
「手紙?手紙か〜そうだな婚約の話も出ている事だ令嬢に手紙を出すのもいいかもしれない
ありがとう、みいちゃん」
「お手紙、書く?ふふ、よろこんでくれるといいね♪」
「ああ、そうだな
で、クラリッサと変われるか?」
「何ですか?」
「うお!あー休みもそう長くはないが、学園はどうするんだ?」
「えっ?あー!そうでした正直忘れていましたわ
このまま、学園に行くことになるかと」
「そうだよなあ〜学園ではみいちゃんは大丈夫なのか?」
「それは…後でみいちゃんとお話ししてみようかと」
「まあ、それがいいだろうな、何かあれば力になるから言ってくれ
今日は、世話になった
みいちゃんにも、ありがとうと言ってくれ」
そう言って殿下は帰って行った
(がくえん?なにそれ?)
(んー向こうで言う学校かしら?みいちゃんはまだでしょう?保育園か?幼稚園かしら?)
(みいちゃん、いつもひとり〜でもみいちゃんくらいの子は、どっか行ってたよ?)
(そう…ひとり…なら、みいちゃんも行ってみる?大人しくしていなきゃだけど、大丈夫?)
(ふふ、クラリッサおねえさんのなかで、みいちゃんはじっとしてればいいんでしょう?
できるよ!うん、みいちゃんいい子だもん)
(そうね…みいちゃんはいい子ね
休みが終わるのが楽しみね)
学園は、ピカピカ、キラキラで大きかった
すごい!でもクラリッサおねえさんはお城はもっと大きくて、キラキラしているんだって
いつかみれるかな…
クラリッサおねえさんのなかから外を見てると
クラリッサおねえさんは人気者
で、
同じくらい人気者がいるんだよ
リディア侯爵令嬢
お姫様になる人
みいちゃんが、すごく気になる人
…全然似てないのに…髪の毛は黒いけど
目の色は違うのに…
………お姉ちゃんに似てる………
クラリッサおねえさんは、みいちゃんに似てる
何が?って言われるとわかんないけど…
みいちゃんと一緒
だから、クラリッサおねえさんの中にいるのかなぁ?わかんない
学園の中では、王子様(えっと、ウィル殿下)
といつも居るの
後、護衛ってことでもうひとり居るの
だからクラリッサおねえさんにウィル殿下に護衛のルーセント(って言ってた)
ウィル殿下は、リディア侯爵令嬢と一緒じゃなくていいのかな?
たまに、こちらをチラチラ見てるけど?
大丈夫なのかなぁ?
目が覚めた時、ここが何処なのかわからなかった
豪華な部屋に従順な侍女やメイド
異世界に転生したって気づいたのは、いつだったろう…
ここが、どう言う世界なのかわからないけど、生きていくのだから色々しなくちゃいけないことも多かった
侯爵令嬢だと知ってから領地のことも勉強を始めた一人娘らしいから将来は女侯爵になって領地を治めなきゃいけないらしい
楽しかった……
……自分にそんな楽しむ資格なんてないのにね……
長期のお休みの間に私の婚約が決まった
第三王子様ウィル殿下
婚約のお話しが出た頃にお手紙を頂き、それに返事を返してって文通みたいな事もして
学園が始まるから王都に赴けば、王宮の庭に咲いた花束が贈られた
色取り豊かな綺麗な花束だった
あんなに頻繁に文通をしてたのに学園では
疎遠だった
ウィル殿下は従姉妹のクラリッサ公爵令嬢と一緒に行動していた
実はウィル殿下が好きなのは公爵令嬢じゃないかと専ら学園では噂されている
私の耳にも入るくらいなのだから相当だ
放課後の人払いされた東屋で公爵令嬢が無邪気な笑顔を見せる時がある
………似てる?……そんな訳ない……
………気のせいよ………
それよりも、ウィル殿下に婚約破棄されちゃうのかしら
王都に来て、王宮に行くことも多くなった
別に王子妃教育とかではなく
慈善事業に関する事で文官と話す事が増えた
私の領地では福祉に力を入れている
孤児院然り
医療然り
王都では、どう活用できるかみたいな案が色々出されてアドバイザー的な立ち位置で接している
と言っても、まだ学生の身そう対したアドバイスも余りできてない気が自分自身思ってる
この間、王都の孤児院に視察に赴いた
定員が少しオーバーしていて手狭な感じ
子供達も少し窮屈そうで、情緒も不安定だ
「お辞めなさい!!」
思わず、大声をあげてしまった
(何故?危ないのに…)
「気をつなさい」
視界の隅で、ウィル殿下を見た気がした
この頃、ウィル殿下が元気がない
何か悩み事でもあるのかしら?
「ウィル殿下?どうかされましたか?」
「えっ?ああ、いや…別に…」
悩みが有ります!って態度に出ている
はあ〜深いため息を心に出して
「リディア侯爵令嬢に関してですか?」
「へ?」
(すごい間抜け顔…見ちゃいけない顔してるけど?一体、どうしたのかしら?
婚約破棄でもされた?)
「婚約破棄など、されていない!!
それに間抜けな顔もしてない」
「あら?声に出てたかしら?」
「聞こえた、声も出てた」
「申し訳ございません」
「許す…でだ…リディア嬢の事なんだが…」
強気な態度から一転オドオドと話し始める
「リディア嬢の領地では福祉に力を入れているのは知っていると思う」
「はい、今までなかなか手につけられなかった福祉事業を中心に活動されているのは知っています」
(多分…リディア様も、異世界転生してる気がする…多分)
『それがどうされました?」
「リディア嬢は、子供が嫌いなんだろうか?」「えっ?」
(子供嫌い?あんなに福祉に手をつけて領地では盛んに孤児院とか医療施設にも通ってるって
人が子供嫌い?)
「えっと、どうして殿下は、そう思われたのですか?」
「大声を上げていたんだ…キツイ口調で…おまけに腕まで掴んで…」
「それは…何か…理由があるのではないですか?」
「幾ら、理由があろうと大声を出すのは、淑女としてもどうだろうか?」
「それは…何とも私には言えませんね…」
随分と気落ちした殿下を見て
「いっそのこと、本人に聞いてみてはどうですか?」
「聞く?」
「はい、1人であれこれ考えた所で、殿下はリディア様ではないのですから、きちんと話をすればいいのではないでしょうか?
学園が始まってからリディア様とも過ごしてはおられませんし…
まあ、それは私も悪いのですが…つい殿下に甘えてしまっているので…」
「いや、私がみいちゃんに会いたいからいるのだ…悪く思う必要もない…
何も言わずクラリッサと一緒にいるのだから悪いのは私か…」
はあっと大きなため息と共に立ち上がり
「リディア嬢の所に行ってくる」
そう言って、東屋を後にする
(だいじょうぶかなぁ?)
みいちゃんの不安が気になった
「リディア嬢…少し話がある、いいだろうか?」
図書室からの帰りウィル殿下から声をかけられた
いつも以上に真剣な表情に
(婚約破棄でも宣言するのかな?)
「何でしょうか?」
淑女らしい態度で答えた
「あー、その…あ…」
答えにくそうにいつもの殿下らしくない態度に
いっそこちらから言ってしまおうか…
「婚約破棄をお望みでしょうか?」
「はあ!?」
知らぬ間に目線が落ちてたみたい目線を戻せば
ポカンと何言ってるんだ?って顔してた
(あれ?てっきりそうかと思ったのに?)
「何が、てっきりなのかわからないが…学園が始まってから交流していなかったのは悪かった…
リディア嬢は、学園外でも忙しくしているから
私の相手まですると疲れるんじゃないかと思ってしまってすまない」
「声…出てましたか?申し訳ございません」
「いや…構わない」
「なら、何かありましたか?」
「…この間の孤児院での出来事なのだが…」
(ドキ!やっぱりあの時、殿下が居たのね)
「……はい……」
「ん…リディア嬢は、子供が嫌いなのだろうか?」
「え?(何を言われたのだろう?)あの…?」
「大声で子供の腕まで掴んで接していたろう?
だから…子供は嫌いか?」
「……大声……確かにあの時出しましたそれは
あの……(お前のせいだ!!)
忘れられない記憶
消せない過去
「リディア嬢?どうした?私はきつく言いすぎただろうか?どうした」
答えをじっと待てばリディア嬢の様子が変になった
顔色まで変わってしまって私はただどうすればいいのか…
(クラリッサおねえさん…ウィルおうじさまをおいかけて!おねがい)
(みいちゃん…?)
(すごく不安…追いかけないとダメな気がする…
お願い!)
みいちゃんの必死なお願いを断ることなんて考えてない
(行きましょう!)
ウィル殿下の後を追って行くと程なく通路の奥図書室の通路で2人を見つけた
けど、何か様子が変にだった…
(…泣きそうな顔が…おかあさんに責められた時と同じ顔をしてた…やっぱり!
…お姉ちゃん!!)
(みいちゃん?いつもなら外に出る時は私に聞いていたなのに今はそれもなしに一方的にウィル殿下の前にリディア嬢の庇うように手を広げてこう言った)
「お姉ちゃんを虐めないで!!」
「みいちゃん…?」
目の前でリディア嬢を庇うようにクラリッサが立っていた
違うのは、みいちゃんだってこと
こんな風に現れることはなかった
「…みい…ちゃん…?」
リディア嬢の声が聞こえる
「みい…な…」
みいな?みいちゃんの名前なのか?
だとしたらリディア嬢はみいちゃんを知っているのか?
クラリッサが振り返るいやみいちゃんがリディア嬢に振り返る
「お姉ちゃん!!」
嬉しくて抱きつこうと手を伸ばしたその時
バシ!!
叩く音がした
「え?…お姉…ちゃん…?」
「触らないで!私に触らないで!」
リディア嬢はきつく目を瞑ってクラリッサをいやみいちゃんを拒絶していた
「どうして…?」
「ごめん…なさい…ごめんなさい…」
通路にはリディア様の謝る声が響きみいちゃんは、静かに見ていたように思う
「このまま、ここでお話しするのは最善ではないですね
殿下もリディア様も、我が家にお越しください
みいちゃんも合わせて、お話しいたしましょう
いいですね?」
「ああ、それでいい、リディア嬢もいいだろうか?」
(こくんとうなづいて)
「なら、リディア様は一緒に公爵家の馬車に乗って行きましょう?大丈夫ですか?」
「…はい」
馬車の中、ただただ過ぎゆく街並みをリディア様は見ていた
「異世界転生」
「え?」
視線が外から中に私と目を合わす
「私も前世と言っていいのでしょうか?持っているのです…リディア様もですよね?」
「…はい」
「みいちゃんとは…お知り合いなのですか?」
言いにくそうに合わせ視線を外してまた外を見ながら
「…はい、知っています」
「そうですか」
そのうち後はただお互いが外を見て公爵家に着くのを待った
公爵家の客間でウィル殿下、私、リディア様
で話をする事にした
「リディア様…みいちゃんのことを教えていただけますか?」
「……ぁ…」
何度か話そうとしながらも戸惑いと不安が目に見えるようでこちらも不安になってしまった
みいちゃんも、ショックなのか返事も聞こえない
「…みいちゃんは、アパートの隣にいた女の子でした…あまり外に出ることもなくて…ベランダやアパートの廊下でよくおしゃべりしてました…」
「病弱だったんですか?」
「いえ…元気…でした…でも…」
(大きな怒鳴り声に何かをぶつけて叩く音
何度も何度も聞こえる消せない台詞
『お前のせいだ!!』)
「みいちゃんは、何か事故にでも遭ったんでしょうか?」
「…みいちゃんは…私が…殺し…ました…」
「「え?」」
(殺し…た?え?あんなに可愛い子を?)
「どう言う事だろうか?」
殿下の怒りを押し殺したような低い声
「お姉ちゃんは、みいちゃんを殺してない!!」
部屋に響きわたる大きな声
みいちゃんの声が聞こえて、隣を見れば4歳くらいに女の子がいた
「「みいちゃん…なの(か)?」」
「うん、クラリッサおねえさん、ウィルおうじさま そして お姉ちゃん…」
「みいな」
「うん」
「ごめんなさい…ごめんなさい」
「なんであやまるの?お姉ちゃんがあやまることなんてないでしょう?」
「ごめんなさい…私が…悪いの」
リディア様は、小さなみいちゃんの前で何度も何度も謝っていた
「おかあさんになにか言われたの?」
「……」
「『お前のせいだ』って言われた?」
「うん、でもそうだね…あの時もっと!強く諫めればよかった!もっと早く、警察や児童相談所に手当たり次第何かすれば良かった…
なのに…
みいちゃん…ごめん…ごめん…なさい」
みいちゃんは、嬉しそうにリディア様に抱きついて
「お姉ちゃんは、全然悪くない…だってお姉ちゃんだけだもん、みいちゃんのそばにいてくれたのは
みいちゃんってつけてくれたのも、おひめさまのえほんをよんでくれたのもあたまをなででくれたのもお姉ちゃんだけ
それだけでよかったうれしかった」
「でも!私は…何もできなかった…ううん、やったのはエスカレートした行為だけ…」
(やっぱり…みいちゃんは…何となくそうなんだろうって思ってた
そして何故?私がみいちゃん…あの光に目が入ったのか…同じだったんだ…)
「お姉ちゃんに会いたかった!」
みいちゃんがぎゅっとリディア様に抱きついた
「悲しい事があったけど…嬉しいことの方が多いんだよ?
お姉ちゃんがいたから…
そしてね!
お姫様にもなったんだよ!
クラリッサおねえさんがいたから…
おうじさまに…クラリッサおねえさんのおとうさん、おかあさんにもやさしくしてくれた
ありがとう!お姉ちゃん!
だから、お姉ちゃんはみいちゃんを殺してないよ
みいちゃんってつけてくれてありがとう」
「みい…な…みいちゃん」
私達は、ただじっと2人を見ていた
薄く気配がなくなっていくみいちゃん
それはもしかしたら願いを叶えたからなのか…
「ウィルおうじさま…」
「なんだろうか?」
「お姉ちゃんを泣かさないでね!
おひめさまみたいなをしあわせにするのはおうじさまなんだから!
わかった?」
「ああ、みいちゃん、リディア嬢は、私が幸せにする!私はこの国の第三王子だからな!」
「クラリッサおねえさん…
ありがとうね、みいちゃんを捕まえてくれて
一緒にいてくれて、だいすき」
「私も、みいちゃんがだいすきよ
一緒にいてくれてありがとう」
みいちゃんを抱きしめて、
「クラリッサおねえさんの願いはかなった?」
耳元で小さな質問
(次は幸せでありますようにそう思ったけど、たぶん私の本当の願いは
『お姫様になりたい』
だったのかもなら願いはかなったわね)
「ええ、願いはかなったわ!」
そうみいちゃんに呟いた
終わり