映画はポップコーンとコーラと共に
タチアナたちが監視している。自動車修理工場はガレージを中心にまるでスーパーマーケットの広い駐車場のようにまだ修理可能な車から、パーツ取り、スクラップ予定の車まで数多く置かれている。その修理工場を中心に村のように住居があり、そこに住むのは外国籍の人間だ。少し前まで元々日本人の住宅があったものの折り合いがつかずに引越しっている。大人数で大きな笑い声で騒いでおり、騒音の苦情が何度かあり、今でも少し離れた住宅まで音が響いており悩ませいる。
笑い声が突如として、怒号に変わる。
「もう、現地で暴れてる?」
モニターからドローンを通して様子を見るエレンが待機中のタチアナに聞く。
「命令通り大人しくしてます」
「ですよね〜、共有データにあった例の黒人が暴れてる」
タチアナがさっき端末で確認した体格はロイと同等以上で屈強な例の黒人のことだ。
「行きますか?」
「突入のタイミングは任せる。もうすでにどったんばったん大騒ぎだしね…一応、民間警察に騒音の苦情を通報した扱いでいくから、どうどうと正面からどうぞ。乱闘になるだろうから、殺しはするな絶対。厄介そうだから公的な事案にして投げる予定だからね」
「了解」
「例の二人組は最低でも逃すな」
タチアナがエレンに通信が入る。
「××××(クソ)!!悪いが、あの場にいる奴らの時間稼ぎ頼める?」
「ええ、何か問題がありました?」
「例の黒人の身元がわかった。元米軍特殊部隊スプーナー…かつての英雄だ。ステイツがどんな案件かわからないけど、なにも知らされてない以上横槍入れられるまえに動かないといけない。しばらくしたらあたしも行く」
「わかりました。最善を尽くします」
通信を切り、エレンは部下に指示を出し始める。
「フィオナ、オペレーターは任せる。指示はロイに従って」
新たな通信が入る。
「こちらジェーン、スプーナーの坊が来てるって?」
クソ忙しい時に、キレそうになりながらも返す。
「なに?知り合い?」
「まあね。あーしも現地向かって時間稼ぐの手伝おうか、ああ、雇い主関係ないよ。ちょっとした私用。報酬は強化人間案件の情報でど…」
「のった!!」
大声で、ジェーンの提案を受け入れ、通信を切る。
「アルベルト、しばらく、アクション映画鑑賞しないといけないからポップコーンとコーラ買ってきて」




