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体調に気をつけて運転しましょう

「依頼人の対応はNEW CHAPTERのスタッフで対応するから、そっちで人探しをお願い。グロいことがわかりそうな方の依頼人はこっちで身辺調査しとく。なんかわかったら情報を回すから、そっちもなんかわかったら連絡ちょうだい」


 あれから少し経ち、エレンは事務仕事でパソコンを操作しながら、インカムを使って、ロイに連絡をとっていた。


「まあ、すぐ動きはあるでしょ。それまで大人しくいい子でいてよ。じゃあね」


 通話を切ると、パソコンを閉じ、インカムをデスクに置いて立ち上がった。



 今、エレンはとあるホテルのスイートルームを拠点として仕事をしている。部下数名控えさせている。


 周りは暗く人通り少なくなりつつある深夜、窓ガラスに映った自分を見て、ビジネススーツ姿でいることが長くなったとふと思う。


 そう感じたのも束の間、移動の為にホテルのフロントに降りた瞬間、車が突っ込んできた。けたたましい音と共にガラスが飛び散る。


「日本って、治安の良さ世界一じゃなかったけ?」


 咄嗟に柱に身を隠し、難を逃れたエレンはそう呟く。幸い死者はおらず、まわりに利用客やスタッフも少なかった。


 しかし、気になる点としては突っ込んできた車がひしゃげてべこべこなのは当然として弾痕があることだ。運転席に十代後半、高校生くらいの少年がハンドルに乗っかた状態で微動だにせず、後部座席にはこれまた高校生くらいの少女が気を失って横たわっている。


 エレンが二人の様子を見る為に近づくが、次の瞬間、少年がエレンに向けて拳銃を向けようとした。

運転席側のドアガラスは割れてなくなっており、手を突き出して銃口を向けた。


 銃口がエレンを向く前に腕と銃身を掴まれ、早業で拳銃の弾を排莢された上に、拳銃のスライドを外されて銃身を失った。少年は驚くまもなく、顎に一撃を入れられ、今度こそ本当に意識を失った。


 民間軍事会社と正直に言うと本来、日本にいるのを敬遠される立場なので、会社の業務には言及せずボディーガード件部下が従軍経験者で災害時に対応にあたった経験があるとホテル側に説明した。その後、部下を数名、ホテルに協力して怪我人の対応や避難誘導を行わせた。







 

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