上には上がいる
鉄屑回収屋に加入者や暴力性の高い子供たちに対し、最低でも先代とエレンの二人と組み手を行うことになる。社会復帰に向けて、少年刑務所のような役割を持っており。
気に食わない奴を仮に倒していったとしても、上には上がいることと次から次へとキリがないことをしめす為だ。なお、状況によっては、自分より強い相手と何人も何回も戦うはめになる。だいたい先代とエレンの時点でだいたい心が折れるが。
そして、話は変わるが大きい方が強いと言うが、格闘技において体格や体重は重要なポイントである。階級も決められている上、もし体重差がありすぎるもの同士での対戦は危険である。
しかし、身長185㎝の大柄で筋骨隆々男が20㎝近い身長差がある女性に一撃でダウンされている光景があった。
加えて、タチアナに対しても、打撃や掴みを全て弾きそらしていた。しかし、タチアナも負けじと攻撃をなんとかさばき続ける。エレンと勝負になる数少ない実力を持つ人物であるタチアナはなんとか食い下がろうとする。
繰り出されたエレンの拳をなんとか掴み、肘打ちで反撃しようとするが、防がれた上、逆に掴み返し、エレンはタチアナの足を払い、そのまま背後から地面に投げられた。
そして、仕切り直した後もエレンを腕を掴み捻りあげるまではいったが、腕と身体をぐるんと回し逆にタチアナを捻りあげ推し倒し、警察が犯人をうつ伏せに倒し、腕を後ろ手に回し拘束する形で制圧した。
息を切らすタチアナに対し、エレンはちょっと汗かいたなと身なりを整えている。
「さて、ここでしばらく平和に働いてなまったおまえと経営まかされて現場から遠くなって運動不足なわたしとイーブンだと思ったけど?」
「相変わらずの強さですね…」
「結局、親父には勝てなかったがね…まあ、食い下がれたのは褒めてやる。そこのデカブツよりはましだしな」
「人と猛獣を比べないでくださいよボス」
意識はあるもクラクラする頭で、倒れたままロイは言う。
「さて、本題に入る。こちらでも追っていた人売りのハゲがこの国であった。おまえらがやったあの仕事の別働隊がガキらを保護したとのことだ。よくわからんが、おまえらの今のけつもちがうちらのことをかっているらしい…」
「武器、麻薬、人売りと犯罪のオンパレードと聞きましたが…」
タチアナらにも詳細は置いておいて、現場の状況は聞いていたが、鉄屑回収屋が追っていた組織が関わっている情報は入ってきてなかった。
「情報解析して判明したらしい。どうゆう星の巡りなんだろうな…あんたらのことで打ち合わせしたときにあの政治家から聞いてな」
あの仕事が終わり事後処理時にタチアナたちは、自分たちの後ろ盾の正体について知ったが、与党である政党に属し、組合との太いパイプを持つ大物であった。
「元々あの山の周辺一帯を自治区のようにしようとしていたらしい。大事になる前に奇襲をかけて正解だったな」
かつて日本なのに、日本人がいない地域ができてしまったことがあった。地域を売る政治家への牽制による前回の仕事から、思わぬ事態に繋がっていく。
「あの外道の件はこちらでなんとかするが、おまえらも巻き込まれない保証はない。いくら治安が世界一を売りにするこの国でも、あたしより強い奴がいる気を引き締めてかかれ」
世界の犯罪組織には、旧式とはいえ装甲車や武装ヘリ、ミニガンいわゆるガトリングガンなどの軍隊並みの武力を持つ組織がある。ハーメルンは、比較的小規模だがそれにあてはまる。軍、特殊部隊経験者の傭兵で構成された傭兵で構成され、練度も高い。
またしても、平和に働くことに遠のくのであった。




