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笛吹男

注意


 今回の暴力や過激な表現、性的な描写や不快に感じる言葉が含まれております。苦手な方はご注意をお願いします。


 また、犯罪を肯定、助長する意図はございません。


 小説には、R15をつけさせていただいておりますので、どうかご自身の判断でお読みになるか、ご判断下さい。




 某所、港近くの古びた鉄筋コンクリートの建物を武装した男たちが拠点していた。

 

 醜悪な笑みを浮かべた笛を吹く男の横顔のシンボルマークのワッペン、人身売買組織ハーメルンのメンバーの証だ。旧式とはいえ軍隊並みに装備が整えられており、国際的にも悪名高い組織である。


 とある一室の片隅に白いワンピースを着た少女が震えあがりながら、怯えた表情で3人の男たちを見ていた。中心にいるスキンヘッドのレスラーを思わせる大柄で屈強な肉体を持つ男が組織のリーダー、通称、“笛吹”。左右には、建物などの閉所で戦闘になった場合に対応した、いわゆるCQB仕様のアサルトライフルを装備した部下が控えていた。


 少女は、顔や腕、太ももなどに痛々しい痣や傷を湿布や包帯で丁寧に治療されていた為、ワンピースのいでたちはどこか患者を思わせる印象を受ける。


「ごめんね〜うちの部下が君の商品価値を下げてしまって…」


 笛吹が少女に目線を合わせて謝罪した。少女は歯をガチガチ鳴らし、恐怖でこたえることができない。


「この通りだ」

 

 少女の目の前に、彼女に乱暴を働いた元部下の頭を置いた。元部下は激しい暴行を受け、顔はパンパンに腫れきり、髪の毛も血が滲んだ地肌が見えるほどところどころ引き抜かれていた。そのため、元の顔と同一人物か判別がつかないだろう。それを見た少女は悲鳴をあげ、パニックになり壁に縋りつく。


「そうかそうか、そんなに嬉しそうにして…この国の言葉にしたがって、FIREじゃなくて文字通りクビにしたんだ。気に入ってくれて良かったよ」


 笛吹は、少女の反応に満足そうに笑みを浮かべ、そのまま首を置いて部屋をあとにした。


 ふーっとため息をつくと、笛吹は部下に告げる。


「規律がゆるんどるな。後に全体に通達するが、今はこの場にいるのを集めろ」



 しばらくして、建物のエントランスにあたる場所に部下たちが集合する。


 笛吹は部下が全員集まったのを目視で確認すると口を開いた。


「今回の件は皆が知っての通り、商品に手を出した不届き者を処罰した。ひょっとすると、やりすぎだと思う者もおるかもしれん…だが、考えて欲しい。やり方こそこちらで処分を下したが、あいつのやったことは組織の大切な商品を横領し、傷モノにしたことだ。いいか?例えば、お前らがカタギの物売りの経営者だとしよう。会社で横領した部下を手元に置いておけるか?クビにするだろう?」


 部下を見回し、一人一人に問いかけるように手のひらを向ける。


「商品はおまえらの物でも、ましてはオレの物でもない!!組織の物だ!!アレらのおかげで、うまい飯も高い酒もヤクも美女を侍らせ抱けるんだ!!いいか、人はオレらを無法者言うが、オレたちはオレたちのルールがあるんだ!!それを肝に銘じろ!!以上だ!!」


 演説後、部下たちを解散させ、持ち場に戻らせる。笛吹は近くにいた部下に命令する。


「あの野郎の身体をバラして、中身は商品にしろ。あと、傷モノになったあれは×××の金持ちがちょうど臓器の発注があったからそれに使え」





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