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抜け出せない訳

「盾にしましたね」


「盾にしたな」


 タチアナが、突然現れた武装した2人の攻撃を社長を盾にした頃に車でドローンやボディーカメラで見守っている2人の会話である。


「だから、真っ当に暮らせないんだよ」


「でしょね。一応生捕りが努力目標ですしね」


 ロイがため息まじりに言う。


「今回の話なら努力目標を単純に1か0で考えて、生かす方向に認識できれば救いがあったが、あいつの場合は理性的に考えた上で努力目標で死んでも作戦に支障が少ないから盾にしたんだろうよ…で?お客さんの所属は?」


「おそらく相手方の政治家で麻薬畑関連です。メガソーラー設置のどさくさ紛れて麻薬畑を作る予定だったのでしょう」


「おまけに武器製造って、テーマパークみたいだな」


「そうですね…相方の心配はされないんですね?」


「あいつはうちの組織で別格に強いからな。あいつより弱いオレがなぜか抑え役だが…それよりお前の相方の方がやばくないか?」


 ジェーン側のモニターからは、背中に人型ロボットを背負うように外骨格を装着し、車両に備えて使うような機関銃で武装した敵に攻撃されていた。


 それは作業用のパワーローダーを改造した物だ。


「パソコンからデータを抜き出しましたし、私個人としては撤退もやぶさかではありませんが…撤退命令が出てませんし、こちらの相方も大概ですので…最悪、別働隊が合流してなんとかします」


「とりあえず、オレらはこのセーフティポイントで待機して、ダメそうなら2人を拾いに行くと?」


「そうです」








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