15/34
第三の敵
社長は、生死問わずとの話だが、見敵必殺の思考回路を何度も咎めらているタチアナとしては、現状無力化して生捕りにしようとしていた。
拘束された社長を連れて、社長室のパソコンに事前にエッチィから渡されたスティックをUSBに差し込む。あとは、ハッカーがなんとかするそうだ。
メインの仕事を完了した。あとは残りの処理だ。
社長は、ギャアギャアと喚き散らかし、助けを求めている様子だった。
それは、咄嗟の判断だった。不意数発の銃声が鳴り響く。
その銃弾はタチアナを撃ち抜くはずだったが、社長を掴み盾にする。そして、素早く拳銃で撃ち返す。
確認できた相手はこの会社の連中より、短機関銃で武装し、防弾ヘルメットにボディーアーマーなど装備が整っている。相手は2人いる様子だ。
「こちら陽動班、なんかすごいの来たんだけど!!」
インカムからジェーンの騒がしい声がする。
「こっちのお客さんを相手してからいく」




