鉄砲玉
「そういえば、うちの会社にカチんできた奴の生き残り…不起訴になったらしいが…ひょっとして、あんたらが関わってるのか?」
現地に向かう途中にロイから、疑問を口にした。
「Exactly!!そーそーでも、下手打った鉄砲玉なんてどうなるか、だいたい決まってるじゃない?」
ジェーンが、楽しそうに答える。
「そ・れ・がさあ〜、そのこともあってトントン描写に進んだだよ。鉄砲玉が雇い主にこの後どうするか聞くなり、雇い主が口封じするなり、どちらかが接触するだろうと予想してたら、案の定接触してねーまあ、詳しくは言えないけど、彼は起訴されて豚箱に入った方がマシだったね」
「返り討ちにあった挙句に、尻尾をつかまれるか…ここまで派手に報復するということは、他にもなにかあったのか?」
下部組織とはいえ組織ごと潰す大がかりさに疑問を持ち、ロイは重ねて聞く。
「お気づきの通りです。この件のこともありますが、元々不正の裏取りはある程度取ってはいます。今回の仕事は、名目上NEW CHAPTER襲撃事件の実行犯所属組織への制裁ですが、雇い主の抵抗勢力に優位になる為の情報が目的になります。交渉の決定打となる情報を得た上で、先方と協議を持って案件は終了です」
運転席からエッツィが答える。
「どのみち鉄砲玉のカチこみがトリガーになった訳だからね。わたしらも鉄砲玉みたいなもんだし、失敗したら死ぬなり、上から切り捨てられるなりするだろうし気張って働かないとねー」
「相手の方が数は上よ?」
タチアナの言葉にジェーンは笑顔で口を開く。
「3人相手に返り討ちにしたあなたが言う?」