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不思議話。  作者: ヨスガ
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それは向いてはいけない方角。


 子どもの頃、眠っていると同じ怖い夢をみる事がありました。

 気がつくと洞窟のようなところに居て、周りは暗いのですが篝火があるのか赤く照らされていました。

 怖いなと、そろそろと歩いて行くとじゃらじゃらと音が聞こえてきます。

 そちらに向かうと、黒い姿の人間たちが足を鎖で繋がれて、行列で歩いていました。

 怖いと思いながらも、私は隠れたままそれを見つめていました。

 ふと、歩いているうちの一人が私に気づいたようでこちらを向きました。

 暗いせいなのか、どうしてもその人の顔は見えません。全員影のように真っ黒にしか見えませんでした。

 その人は私に手を振りました。しっしっと、追い払うような、来るなというような動きでした。

 他の人に気づかれないようになのか、それは小さな動きでした。

 それを見て本能的にここは居ては駄目な場所なんだと理解しました。

 恐怖に襲われながらも振り返り、来た方向、真っ暗な方向に戻って行きました。

 それでも赤い光が届かない場所まで来ると、どうしても怖くて立ち止まり泣き出してしまいました。

 すると。

 ヒュン、と白い光の塊が凄いスピードで駆け寄って来ました。

 スピードそのままそれは私の首根っこをくわえて上へ上へと駆け上がってくれました。

 ふっ、と下から上がって来た感覚と共に、目が覚めました。

 いつも似たような夢で、暗く赤い光で照らされた洞窟から、白い光の塊、多分犬が上へと戻してくれるのです。

 毎回下から突き上げるような感覚で目覚める事ができました。

 何度もそれが続くうち、ある方向に向かって寝た時だと気付けました。

 枕の位置を変えるか、首を引いて向きを変えれば良いと気づいた日からその夢は消えました。

 小学校に上がった頃、北枕の話を知りました。

 やっぱり向きが悪いからあんな夢を見たんだなと、どこか得意げになった覚えがあります。

 北かどうかもわからないのに、子どもというのは単純です。

 ただ不思議なのは、どうして毎回同じ場所で、同じ戻り方だったんだろうと、いまだに思います。


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