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それは私じゃない。
十代の頃でした。
バイトから帰宅して家に入ると、出迎えてくれた祖母以外の気配がしました。
お客さんでも来たのかなと思い、祖母に誰か来てたの?と尋ねました。
すると祖母は言いにくそうに誰も来てなかったけど、さっき玄関でお前のただいまって声がしたから扉を開けたのに居なかったんよ、と答えが返って来ました。
その瞬間、まるでそれ私だとでもいうように私の傍に半透明なチェック柄のスカートが見えました。目を凝らしてもそれしか見えません。
仕方なく祖母にその人ここにおるわ、扉開けたげてと伝えると祖母は慌ててそりゃいかんわとドアを開けて玄関扉も開けてくれました。
隣のヒト?は、すうっと半透明なまま移動して出て行きました。
どうや?と聞いてきた祖母に出て行ったからもう大丈夫やでと伝えると、ほっとした様子で扉を閉めました。
どうやら祖母も何かを引き入れた気がしていたそうです。でも見えないからしゃあないと諦めて彼女?と二人きりでしばらく過ごしていたそう。
豪胆な祖母なのですが、この時ばかりは凄いというより羨ましいと思いました。
余談ですが、あれ以降もしばしば私の声はするそうです。が、親族は当然誰も扉を開けないよう気をつけているそうです。
了




