2/12
それは誰の呼吸音?
それは小学生の秋か冬の事でした。
休日にでかけた祖父のベッドで昼寝をしようと潜り込みました。
祖父の綿布団は厚くて重くて暖かく、心地よくうとうとしていました。
しかし、気づくと呼吸音がふたつします。
一つは私。しかしもう一つ、私ではないリズムでゆっくりとした呼吸音が響いています。
試しに息を止めてみました。
ゆっくりとしたリズムそのままで、やはり呼吸音がします。
ぷー、ぷー、と。それはまるで眠っているようなゆっくりとしたものでした。
そっと起き上がり、布団をじっと見つめます。
すると。
一部分が軽く上下していました。重たい綿布団に、何か?誰か?が乗っているように。
触っても当然何もありません。
ただ、相手?は触ったのが気に障ったのか起きたのか、呼吸音が途切れました。
うーん?と思いつつ、現実感のなさからもう一度横になりました。
すると、しばらくすると寝直したのかまた同じ呼吸音が響いてきました。
まあいいか、と、不思議に思いつつ呼吸音につられたように私も昼寝を開始しました。
小一時間程で起きたのですが、その時にはもう何の気配もありませんでした。
了




